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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
18章 厄災の血筋(カラミティブラッド)
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つまみ食いの対象

20223/05/30 すみません。投稿が抜けておりました。

ソフィアは立ち上がり、皆に言った。


「エミリアがどういう顔立ちなのか確認された方がよいでしょう。私の持ち物の中に家族の姿絵があります。それを持ってきます。」


リリアンがソフィアに声をかける。


「それは私が」


ソフィアはリリアンに微笑みながら頷いた。


「ありがとう、リリアン。でも私が行きます。すぐに戻ってきますから、皆さん少しの間お休みください。」


ソフィアが客室から出た後でフレデリカがベアトリスに言った。


「ベアトリス、私は準関係者だから最後まで聞くけど、貴方は関係者ではないのだから、このまま帰っていいのよ?」


ベアトリスはしばらく考え込んだ後、頷いた。


「そうね、私は関係者ではないから帰ってもいいかも知れないわね。でも、私もエミリアに興味が沸いたもの。最後までお付き合いします。」


フレデリカは心配そうな顔をして言った。


「そう?、でも、覚悟はしてね?、これまで聞いたエミリアの性格を考えると、答えは単純かも知れない。でもね?、それとは別に、なにかとんでもない事が待ち受けてる気がするのよ。」


ベアトリスは深く深呼吸した。


「私も同じく、なにか予想もつかない事が起こるかも知れないと思っているわ。でも、それでも知りたい。エミリアの真実を知るために、最後まで進んでみたいの。」


フレデリカはベアトリスの覚悟を感じながら頷いた。


「わかったわ。でも、どんな結果になろうとも、お互いを支え合っていこう。エミリアの秘密に触れる事は危険かもしれないけど、私たちにできる事を最善の方法でやり遂げましょう。」


ベアトリスは微笑みながらフレデリカの手を握りました。


「ありがとう、フレデリカ。一緒に頑張りましょう。」


二人は固い絆で結ばれ、再び客室で待つことにした。


ソフィアを待っている間、ベアトリスは気になっていた事をリリアンに尋ねた。


「リリアン?貴方、ソフィアの他の従者を見た事ない?、寄宿舎学校時代ではいつもソフィアの傍にいたのだけれど。名前は確か…。」


フレデリカが続ける。


「名前は確かミッシェルよ?。背が低くてかわいい子だったわね。」


リリアンは答えに困ってしまった。


リリアンはソフィアの現在の従者だ。前任者であるミッシェルについても憶えがある。しかし、二人の前では、自分はまだソフィアの同僚であり、ベアトリスの商会でソフィアと初対面という設定になっている。


リリアンは一瞬戸惑いながらも、話した。


「ああ、確かにミッシェルという従者が居たという事は聞いた事がありますが、私がまだソフィアと一緒に働く前の事で、面識はないのです。」


ベアトリスとフレデリカは少し残念な表情を見せたが、それ以上は深く追求しなかった。


その時、ソフィアが戻ってきました。


ソフィアは手に持った姿絵を見せながら言いました。


「これがエミリアの姿絵です。皆さん、これを参考にして彼女を見つける準備をしましょう。」


ベアトリスとフレデリカは、ソフィアの手に持った姿絵を真剣に見つめた。


「ありがとう、ソフィア、貴方に改めてお話をお伺いしたいと思っています。貴方のお父様、マクシム様の話だと、エミリアさんは国外から戻ってきたようですが、それがどうしてメルロの危機に繋がるのでしょうか?」


ソフィアは深いため息をつきながら、ベアトリスとフレデリカに向き直った。


「それは、彼女のつまみ食いは、人にも向けられるという事です。つまり。」


フレデリカ・ベアトリス「つまり?」


「正式な相手のいる男性もつまみ食いの対象だという事です。」


フレデリカとベアトリスは恐ろしいものを見た表情を浮かべました。


「;゜ロ゜)えっ、つまり、エミリアは…他人の恋人や夫を対象にして、関係を持つことで事?」とベアトリスが戸惑いながら尋ねました。


ソフィアは悲しげな表情で頷きました。


「はい、そうです。エミリアは対象の男性を魅了し、彼らの心を掌握してきました。それによって彼らから情報や利益を得ることができるのです。」


フレデリカは慌ててソフィアに尋ねた。


「;゜ロ゜)ま、待って、私、まだ納得いかないの、マクシム様がきた時の貴方の反応だと、メルロと貴方の仲はなにか誤解されているんでしょう?、だとしても、仮にも妹の貴方の相手なのよね?メルロは!」


ソフィアは悲しみと困惑が入り混じった表情で頷きました。


「はい、私はエミリアの妹です。しかし、身内の相手なら尚更つまみ食いの対象なのです。」


フレデリカとベアトリスは驚きの表情を浮かべた。この事実に彼女らは混乱し、理性が理解を拒んでいた。


フレデリカは声を震わせながら言った。


「;゜ロ゜)待って、ねえ?本当に待って?、それはどういうことなの?なぜエミリアは自分の妹の相手を狙うの?」


ソフィアは胸の内に湧き上がる複雑な感情に苦しみながら説明した。


「エミリアは、『純粋で無邪気な子供のまま』なんです。つまみ食いの延長としか考えていないのです。」


フレデリカ「最…」


ベアトリス「悪…」

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