彼女が引き起こした数々の事件
「そ、それって、つまり…………」
「はい。最初から犯人として顔が割れています。」
ベアトリスは驚きを隠せなかった。
「なんてこと!?エミリアが自分自身の犯罪を予告していたなんて信じられない。」
フレデリカも驚いていたがすぐに新たな疑問が沸いた。
「でも、顔が割れているのにどうして!?何回か捕まっているんじゃないの?」
ソフィアはまたまた首を横に振った。
「捕まっていません。」
ベアトリス・フレデリカ「へ?」
「彼女が捕まった事は一度もありません。」ソフィアはそう言い切った。
ベアトリスは困惑した表情で問いかけた。
「え、あ?、だって、顔が割れているんでしょう?ど、どうして捕まらないの?」
フレデリカもベアトリスの言葉に何度も頷く。
「そう、犯人が誰かは承知しています。ですが、誰も彼女を捕まえる事ができない。彼女は変装のプロです。」
ベアトリスとフレデリカは雷に打たれたような衝撃を受けた。
「それって、つまり彼女は完全犯罪を犯しているってこと?」
ソフィアは首を横に振った。
「顔が割れているので完全犯罪とまでは言いませんが、彼女は非常に巧妙な手口を使っており、証拠を残さないようにしています。」
「捜査当局は彼女の行動パターンや手口を分析し、彼女を捕まえるために必死に努力していますが、まだ成功していません。」
「エミリアの行動は予測不能であり、捜査当局も彼女の次の動きを予測することはできません。」
フレデリカは深く考え込んだ。
ダメだ、このままでは対策を立てるどころの話じゃない。
ベアトリスも同じ思いだったようでソフィアに向けてこう話した。
「他に何か私達が知っている事件ってない?このままだと、ただ圧倒されるだけな気がするのよ。」
ソフィアは考え込んだ後、頷いて言った。
「女性服の有名ブランドのデザインの一部が盗まれたという事件があったでしょう?あれもエミリアの仕業です。」
ベアトリスとフレデリカは驚きの表情を浮かべた。
「え? 本当にエミリアが関与していたの?」とベアトリスが尋ねる。
「あの事件、この屋敷の女性陣の間ですごい話題になっていたわ、本当なの?」とフレデリカも尋ねる。
ソフィアは頷いた。
「はい、この時も予告状が出されていました。彼女は高度な技術を駆使して、有名ブランドのデザインを盗み出していたのです。しかし、証拠がなく、彼女を直接関与させることができませんでした。」
フレデリカは首をかしげながら尋ねた。
「でも、なぜ彼女はそんなことをするの? 何の目的があってデザインを盗むの?」
ソフィアは考え込みながら答えました。
「まだはっきりとは分かりませんが、彼女の狙いはおそらく金銭的な利益ではないでしょう。予告状には『新しい服を作りたいのでデザインをいただきます。』と書いてありましたから。」
フレデリカはその答えに唖然とした。
「ふ、深い理由はないんだ?。」
「つまみ食いですから。=3」ソフィアは溜息とつきながら言った。
ベアトリスは困惑した顔で話した。
「他には?他にはないの?」
ソフィアはすぐに思いついた様子で、頷いて言った。
「西の大陸に大商会がありますよね?」
商会の話ならベアトリスの得意分野だ。
「はいはい。リンゴのマークの『フジ商会』だね?立上げは『フジ』っていうブランドのリンゴを作る事が目的だったらしいけど、今は『一家に一台』を目指して計算機の開発と販売をしているところよ。」
ソフィアは頷きながら答えた。
「そのリンゴのマークで欠けている部分、あれはエミリアがかじったんです。」
フレデリカ「( °∀° )へぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?=3」
ベアトリス「( °∀° )へぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?=3」
突然のトリビアでフレデリカとベアトリスは興奮し、二人でテーブルを何度も叩いた。
「o(´∀`o三o´v`)oすごいすごい!ソフィアには悪いけど、この事、誰かにしゃべりたい!。」とフレデリカがハシャグ。
「はい。この程度は問題ありませんよ。」とソフィアが微笑んで言う。
「((´I `*))♪やったぁ!。」とフレデリカは子供のようにはしゃぐ。
だが、ベアトリスはその言葉に気付く。
「…ちょっと待って、言える事が有るという事は、言えない事も有るって事よね?」
その言葉にフレデリカはハシャグのをやめた。
ソフィアは一瞬、躊躇して言った。
「ここだけの秘密にしていただけるならお話します。」
ベアトリスはその言葉にハシャグ。
「(*゜∀゜)=3やったぁ!聞きたい聞きたい聞きたい!」
「待ってベアトリス!、喜んじゃ駄目よ。」とフレデリカは真剣な表情に戻った。
「え、なんで?自分だって喜んでたでしょ?」とベアトリスは疑問を投げかける。
「グッ!…そうだけど、そうだったけど、目的を忘れかけていたわ。」とフレデリカが話す。
「?目的って?」ベアトリスは目的を見失っていた。
「エミリアの事が少しずつ分かってきたけど、どうしてそれがメルロの危機に繋がるのか、そこに辿り着いていないわ?」とフレデリカはベアトリスに視線を送った。
「あ、…そうでした。」ベアトリスはフレデリカの指摘に姿勢を正した。
フレデリカはベアトリスの様子を見て皆に話した。
「…すこし、休憩をしましょう。それから改めてお話を聞く事にします。」
姿勢を正した直後で肩透かしされたような気分のベアトリスは言った。
「?、私なら大丈夫よ?」
「…いいから、休憩にしましょう。」フレデリカは落ち着いた様子で話した。