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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
17章 タイフーン
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マクシム無双

ベアトリスの商会からの伝令がフレデリカの屋敷に到着した。


ベアトリスは出発前に重要な案件であると判断し、ベアトリス達一行よりも一足先に到着するようフレデリカの屋敷に伝令を送った。


伝令は素早くフレデリカの屋敷に案内され、ベアトリスの伝言を伝えた。


フレデリカはベアトリスとの面会を快く受け入れる事を伝えた後、伝令が帰るのを見送った。


そしてすぐにメルロとエレナを呼び出した。


「これからお客様がいらっしゃいます。すぐにハチとアクアを人目につかない処に隠して。お客様は教会関係者よ!それと、ソフィアとリリアンをここに呼んで。理由を聞かれても緊急とだけ伝えなさい。」


フレデリカの指示に従い、メルロとエレナは素早く行動しました。彼らはハチとアクアを人目につかない場所に隠し、教会関係者の到着を待つ準備を整えた。


一方、ソフィアとリリアンは呼び出されることを知らされ、フレデリカの指示に従って急いでフレデリカの書斎に集まった。


「フレデリカ、緊急の用事とは一体?」とソフィアはフレデリカに尋ねる。


「今からベアトリスがお客様を連れてこの屋敷を訪問します。そして、ベアトリスが連れてくるお客様はあたなのお父様よ。」


フレデリカの言葉に、ソフィアとリリアンは驚いた。


ソフィアは戸惑いながらも、フレデリカに尋ねた。


「フレデリカ、なぜお父様がここに来るの?何か特別な理由があるの?」


フレデリカは落ち着いた表情で答えた。


「ベアトリスはお父様があたなと話し合いがしたいと言っています。私も詳細はまだ知りませんが、何らかの提案や協力の話があるのかもしれません。」


リリアンも興味津々な様子で言いました。


「ベアトリスとの協力が何か新しい展開をもたらすかもしれませんね。私たちはお父上様との面会に参加するのでしょうか?」


フレデリカは微笑みながら答えました。


「はい、ベアトリスも今、ここにいる私たち三人全員が参加することを望んでいます。お父様との面会がどのような展開をもたらすのか、私たちも一緒に確認しましょう。大切な話があるようですから、お父様には私たちの支えが必要かもしれません。」


ソフィアとリリアンは理解を示し、ベアトリスとフレデリカの面会に参加する覚悟を決めた。


彼らはフレデリカの指示に従い、待つ間にお父様との面会に向けて心の準備を整えることにした。


「それと、リリアン、ウチのメイド達にお茶の準備をするように伝えて。客室でお茶組みはリリアンにお願いできるかしら。ソフィアと私はベアトリスの商会で初めて会った事になってるから、ソフィアの身分が漏洩しないようにしないと。」


フレデリカの指示に従い、リリアンはすぐに屋敷のアンナ、クララ、エレナにお茶の準備を依頼した。


客室でのお茶の準備をリリアンに任せることによって、ソフィアの身分が漏れることなく、来客の際の秘密を守ることができる。


「お茶の準備をお願いします。客室での接待には特に注意が必要との事で私が任されました。中の様子が漏れないようにこの面会は慎重に進める必要があります。よろしくお願いします。」


屋敷内が慌ただしく来客の準備を進める中、ベアトリスの馬車が到着した。


フレデリカは外で迎えた。


ベアトリスとソフィアの父君とみられる男性が馬車を降りて近づいてくる。


「ベアトリスいらっしゃい。」とフレデリカはベアトリスに挨拶した。


「こんにちは、フレデリカ、畑の拡張作業は順調?」とベアトリスが挨拶を返した。


「ええ、お陰様で順調よ?人手を貸してくれてありがとう。」とベアトリスが挨拶した。


「ようこそお越しくださいました。私がこの屋敷の主、フレデリカです。」とフレデリカは男性に挨拶した。


「初めましてというべきかな?私はマクシムと言います。あなたのお父様には大変よくしてくださいました。」とベアトリスが挨拶した。


「まあ、そうでしたか。こうしてこの屋敷に足を運んでくださりありがとうございます。父もきっと喜んでいると思います。さあ、中へどうぞ。」とフレデリカは客室に案内した。


「早速だが、我が娘と話をさせてはくれまいか。今日はその為に駆けつけたのでね。」とマクシムは切り出す。


「はい。お話は伺ってます。では、お二人だけで話ができる部屋を用意しましょうか。」とフレデリカは応じた。


「いや、ここで構わないよ。ソフィアの友人である、あなたとベアトリス、リリアンにも聞いていてもらいたい事だからね。」とマクシムはこの部屋で話す事を希望した。


「はい。では、二人がここに来たら他の者は人払いさせます。」フレデリカはマクシムの話に興味をもった。


マクシムの希望に従い、フレデリカは他の者を部屋から退かせるよう指示しました。


「ソフィア、リリアン、私たち以外の者は一旦退室してください。マクシムさんがお話されたいことがあるようですから、私たち以外は人払いさせましょう。」


こうしてマクシムは娘のソフィアと話す準備ができた。


リリアンは従者としてソフィアの後ろに立ち、フレデリカとベアトリスはお茶を飲みながら二人の話の行方を見守った。


「ソフィア、風の噂で聞いたのだが、君の()()()()()に聞いたんだ。」とマクシムは意味ありげにゆっくり言った。


ソフィア・リリアン「!」


リリアン(この符丁は、教会関係者以外の人物がいる場所で教会関係者と伏せる時に使う符丁。)

ソフィア(『叔母様の娘』とはアヴェリナ様の事、つまり、アヴェリナ様から聞いたという事。なにかしら?)


「お父様?、()()()()()に何を聞いたのでしょうか?。」ソフィアは聞き返す。


「なんだ?、ソフィア、私にとぼけるつもりかい?水臭いぞ?お前のいい人が見つかったのなら、いの一番に紹介してくれるはずだったろう?。それなのに()()()()()から聞かされるとは、私は少し寂しいよ。」とマクシムが話す。


「?いいひと?」とフレデリカはベアトリスに視線と移す。


「うん。そうみたい。」とベアトリスはフレデリカに返事しながら二人の行く末を見守った。


リリアン(?符丁以外は暗号文でもなさそう?)

ソフィア(アヴェリナ様からなにを聞いたというのなにかしら?、いいひとって?)


「マクシム様、私もあまりこういう経験は無いのですけど、私達の同級生にもこういう子は居ました。『いい人が見つかったら、お父様にいの一番に教えてあげる。』そう言ってはいたけど、実際に見つかると気恥ずかしくて、母親か、同性の知人に先に話してしまう事はよくあるようです。ねえ?フレデリカ。」とベアトリスがマクシムを慰めつつ、フレデリカに話を振った。


「え?、ええ、そうですね。私達の同級生にそういう子は居ました。」とフレデリカはベアトリスの話に同意する。


「うん。そういうものなのかね?、分かった、その報告は後でいいから話をすすめよう。で?、ソフィア、お前たちはどこまで進んだんだ?勿論やったんだよな?」とマクシムは不明所な会話と続けてくる。


リリアン(?暗号文でも符丁でもない?)


「?進むとは?、やったのかとは?何のことでしょう?」とソフィアが聞き返す。


「子作りのことだよ?。勿論やったんだろ?」


フレデリカ・ベアトリス「プゥゥゥゥゥゥ!」


フレデリカとベアトリスはあまりにストレートすぎる会話にお茶を吹いた。


当然という顔をみせるマクシム。


「お、お、お父様?、展開が早すぎませんか?、相手が居たとして、逢引きしてるのかとか、せ、接吻はしたのかとか、そういう処から始まるのではなくて?。」ソフィアは聞き返す。


「何を言ってるんだ?我が家で『いい人ができた』という事はそういう事だぞ?」と不思議そうな顔をみせるマクシム。


「『そういう事』だと今、初めて知りましたが!?。」ソフィアは慌てて返答する。


「なんだ?まだやってないのか?、時間はまってはくれないぞ?、今やれ!すぐやれ!」と無茶苦茶な事をいうマクシム。


「お、お父様?、相手が居たとして、相手は待ってくれるはずです!!!?。」ソフィアは聞き返す。


「何言ってる?、男はオオカミだ!待てるはずがない!」と男の何たるかを話すマクシム。


「じ、時間、関係ありませんよね!?それ!?」ソフィアは話の流れを変えようと必死だが、防戦一方だった。


「何をグズグズしてるんだ!?、ここに居るのだろう?、連れてきなさい、私が見てやろう」と相手の姿を見たがるマクシム。


「だから、一体何をいってるんです!?」ソフィアは話が見えてこなくて苛立ちを覚えた。


「ふーーーーーーむ、頑固者め、親の顔がみてみたいものだな!」と深い溜息で言うマクシム。


「鏡を御覧ください!?」ソフィアは苛立ちを隠せなかった。


「……………………あ!」と外に何かを発見したかのような仕草をみせるマクシム。


フレデリカ・ベアトリス「!?」


フレデリカとベアトリスはつられて外を見た。


リリアン(これは!?。)

ソフィア(教会の外で関係者以外の目を逸らすための操心術?)


「……」マクシムは無言で一枚のメモを見せた。


リリアン(!!)

ソフィア(!?)


メモにはこう書かれていた。


「暗号の有識者である男性、メルロとの協力関係の構築に成功。本格的に三人でエッチな研究にまい進し、有益な情報の収集にあたります。聖翼騎士団ホーリーウィングスの名に懸けて!」


そしてマクシムはメモをしまう。


ベアトリス「マクシム様?」

フレデリカ「何を見つけたのですか?」


フレデリカとベアトリスは視線を元に戻した。その時、ソフィアは顔が蒼くなっていた。

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