愛の狩人
3人は驚きながらも、彼らに向かって少し警戒しながら声をかけた。
「すみません、何か問題でもありましたか?」とヨハンが尋ねた。
「お前じゃねぇ!お前は関係ねぇ!そいつだ!そいつにようがあるんだ!」
そう叫んだ男は明確にメルロを指さして叫んだ。
メルロは混乱した表情で男たちを見つめた。彼は困惑しながらも冷静さを保ち、男たちに対応しようとした。
「すみません、どのようなことがあったのですか?自分に関係があると言われても、具体的な理由がわかりません」とメルロは丁寧に尋ねた。
「なんだと?この野郎。この間、女どもと口喧嘩してた時に邪魔してくれたじゃねぇか。ああ?あの時はよくも人の背後を取っていいように操ってくれたなあ!?。この顔を忘れたか?」
ヨハンは小声でマイクに話す。
「ああ、ハイハイ、わかったよ。こいつ等ウチの相方にちょっかい出してた奴だわ。」
「え、ちょっかい?」とマイクも小声で聞き返す。
「うん。相方の話では、この間婦人会の帰りに皆で酔っ払いの男どもに絡まれたって言ってた。多分、こいつらだ。」と小声でマイクに説明した。
「でも、なんでメルロに突っかかってきたんだ?」と小声で聞き返すマイク。
「その時メルロが割って入っていったらしい。で、相方の話ではこいつら全員メルロがコテンパンにしたらしい。」と小声でヨハンはこの経緯を話した。
「ええ、メルロが?…信じられないなぁ?」とマイクは普段のメルロを思い出してみた。しかし、そこまで強そうには到底思えなかった。
「俺も正直半信半疑だったんだが、相方が楽しそうに話すんだよ。メルロが奴らをコテンパンにした時の様子をよ。…だが、もし、それがホントだったとしても、今日はとてもそんなサプライズが起きそうには見えないな。」と小声でヨハンは話す。
「……確かに、今聞いた話とこの現実とではギャップがありすぎる。……どうする?」とマイクはメルロの様子をみて小声で答えた。
「……そうだな…幸いメルロは奴らを憶えていないようだ。その日はかなり酔ってたらしいからな。奴らも酒が入ってた。……………うん、こういうのはどうだ?………」と小声でヨハンはマイクに耳打ちをした。
ヨハンの提案に耳を傾けたマイクは微笑みながら頷き返した。
「なかなかのいいアイデアだね。それなら試してみよう。メルロを助けることができるかも知れない。」とマイクが小声で応えた。
「あのう。自分、全然憶えがないのですが。」メルロは困惑した顔で男達の事は知らないと説明する。
「おめえが憶えてなくても俺は憶えてんだよ。人をさんざん操りやがって、足を踏んずけようとしたら寸前で躱して踏み返してきやがって…。代わりに頭突きを当てようとしたら俺のほっぺにキスしやがって!」メルロに一番近くにいた男がそう話すとそれを聞いていた女たちが色めきだった。
「あ、あの人知ってる。なんかこの間、道端で男二人でダンスをしてキスされてた人よ。w」と嬉しそうに話す女性。
するともう一人の女性は「嘘!?二人は付き合っているのかしらw」とこちらも嬉しそうだ。
「うるせぇ!付き合ってねぇ!!」と男は女性達に向かって吠えた。
そしてメルロは話す。
「すみません。自分には貴方と合った憶えがなくて…、本当に僕だったのでしょうか?」
「なんだと?こいつ…。人にキスした挙句、隙を見て散々俺の乳を揉みやがって憶えてねぇだぁ!?…あんときはなぁ!!俺はなぁ!俺はなぁ…その……」となぜか男は黙り込む。
「ほらほら!やっぱりそうよ!キスされた後であの人、自分の性感帯を探索されて感じていたもの!?『であん…』って!…きっとあの時の夜が忘れられなくてこうしてきたんだわ!。」と先ほどの女性がはしゃいでいた。
「どうする?どうする?二人はこの後、どうなっちゃうの?、ああ『可愛い魔王様』がここにいたら素敵な物語を紡ぎそう。」ともう一人の女性もはしゃいだ。
「ということは、もう一人の男の人が愛の狩人なのね!?、で、狩られた『であん…』の人が愛に囚われてここに来たってことなのね!?キャー!?おやじ狩りキタ――(゜∀゜)――!!」と女性達の妄想はもとどまる事を知らなかった。
「う、うるせぇ!!か、感じてねぇ!狩られてねぇ!囚われててもいねぇよ!そこ!ちょっと黙ってろ!」と男は再び女性達に吠えた。
「……必死だな…」と仲間の男達は少し引いていた。
「お、お前らなぁ!」
状況がますます混乱していく中、ヨハンとマイクはメルロを助けるための計画を練り始めた。
彼らは男が周囲の騒動に気を取られている間に話合い、メルロを守るための一連の行動を取る事にした。
「ちょっといいですか?つい先程、あなた方を知ってるという人から事情を聞きました。」とヨハンは話し始めた。