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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
14章 毒蛇に対する切り札を求めて
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名前はカアサン

メルロはヨハンにタコを売っている場所を教えてもらっていた。


「ヨハン、ありがとう!タコを売っている場所を教えてくれて本当に助かるよ」とメルロは感謝の言葉を述べた。


ヨハンは笑顔で答えた。


「いいよ、メルロ。その場所は市場の近くにある魚屋さんだよ。新鮮なタコを扱っているから、きっと満足できるはずだよ。」


メルロは興奮しながら、「それでは早速明日の朝行ってみるよ!新鮮なタコを手に入れるチャンスだ!」と言った。


エレナははメルロの様子に興味津々で聞き耳を立てていました。


「メルロ、タコを買いに行くの?昨日食べたばっかりじゃない。」とエレナが尋ねました。


「いや、今回は食べるんじゃない。飼うんだ。」そういって、ジョンやマイクがいる席へと移動していった。


「飼うってエサどうするんだろ。」とエレナは疑問に思ったが、まあ、気まぐれなメルロの事だからすぐに飽きるだろうと気に留めていなかった。


翌朝、メルロはヨハンに教えられた魚屋に来ていた。


魚屋に到着したメルロは、店内に入った。


新鮮な魚介類の香りが漂っていた。


店主のトーマスがメルロに声をかけた。


「こんにちは!どのようなお魚をお求めですか?」


メルロは緊張しながらも、元気に答えた。「タコをカいたいんです。新鮮なものをいただけますか?」


トーマスは微笑みながら言った。


「もちろんですよ!新鮮なタコをご用意いたします。お待ちください。」


メルロはワクワクしながら待った。少しして、トーマスが手に持ったタコを差し出した。


「こちらが新鮮なタコです。きっとご満足いただけると思います。」


メルロは喜びを隠せず、トーマスに感謝の言葉を述べた。


「本当にありがとうございます!これでタコと一緒に楽しい時間を過ごせます!」


「どうぞ、楽しんでください。って、え?、タコと一緒に楽しい時間?、それはどういう……アレ?お客さん?」トーマスは笑顔で応えたが、メルロの発言がおかしかったので呼び止めようとしたが既にいなかった。


メルロはタコを大切に包み、満足そうに魚屋を後にした。


部屋に戻ってきたメルロは、マーガレットに使っていない樽の存在を聞き、部屋に樽を用意し、水を張り、タコをその中に放した。


メルロは樽を見て一安心していた。


これで準備は整った。


もし、フレデリカが今後なにかで因縁をつけていた時は、このタコをけしかけようという算段だった。


「さて、名前をどうするか。」とメルロが考えていると、部屋にいたトウサン(猫)がタコを見て威嚇し始めました。


「フウウウウウウ…!」


「あーこらこら、喧嘩はよしなさい!」とメルロはトウサン(猫)をなだめた。


その時、閃いた。


「そうだ。トウサン(猫)がいるから名前はカアサン(タコ)しよう。トウサン(猫)、今後は一緒にいるんだからカアサン(タコ)と仲良くしてね。」そう言ってメルロはトウサン(猫)を撫でた。


その後、畑仕事をしていつものようにハチと剣舞をした。勿論、へろへろになった。


そして夕食時になり、今日もメイドの皆と一緒にいつもの酒場に行く予定だった。


「あ、カアサン(タコ)のごはんどうすればいいだろ。今日、酒場でヨハンに聞いてみるか。」そう考えながら出かける準備をする為部屋へ戻った。


部屋に戻ってみるとカアサン(タコ)がいなくなっていた。


「あ、あれ。いない!」メルロは開いている窓から外を確かめたが、カアサン(タコ)は見つからなかった。


せっかく今朝買ってきたばっかりだったのに逃げられて、メルロはガッカリしたまま酒場へ向かった。

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