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新生曇空高校陸上部!  作者: 剣剣
プロローグ
3/5

隣の席のやたらと情報通なやつ



無事ではないが入学式が終わった。今は担任の話を聞いている最中。今日はこれで終わりの様だ。



ちなみに俺のクラスは一年二組。1クラス40人で全部で8クラス。席は一番後ろの窓側の隣の席。男子の方が若干多い。担任は割と若めの男だった。



「じゃあ今日はここまで。明日は校内を回るからな〜放課後は部活動の見学を好きにしていいぞ〜。以上!解散!気おつけて帰れよ〜」



よし、気まずいしさっさと帰ろうと渡されたプリントや教科書をしまっていると肩をちょんちょんされた。



「俺は石通情歩!よろしくな!」



「お、おう」



まさか話しかけられると思ってなかったから少しびっくりした。「俺は佐藤哲だ。よろしくな石通」と返したら手を差し伸べてきたので握り返す。



「情歩でいいよ!」



話しかけたこの男は隣の席の奴だ。見た目はチャラい感じだな。明るくフレンドリーってのは俺に話しかけて来た事でわかった。クラスの人気者になるな多分。



「それにしても中々に派手な登場だったね!笑っちゃったよ!見た目は普通だけど中々ヤンチャなの?」



「いや、そんな事はないんだが今日寝坊しちまってな」



と今日の朝の出来事を話した。



「あ〜あれに巻き込まれたんだ!それは災難だったね!」



「いや、結構たのしかったぞ!結局遅刻したけど」



(何か知った様な口振りだな。聞いてみるか)



「あの朝のレースの事を知ってるのか?まぁそうか、高校生の常識みたいなこと言ってたし」



「うん!知ってる!他の学校はしてないんじゃない?我が校の伝統だよ!」



「そうなのか?あの寝癖の人が言ってたんだが」



「あ〜あの人適当だから!しかもあの朝の自転車レースはあの人が作ったんだよ!」



やたらと詳しい情歩によると、あの朝のレースはあの寝癖の人が作ったという。詳しく聞いてみた。



ことの発端はあの寝癖の人が一年の頃。彼は俺の様に朝が弱く毎日ギリギリに登校していた。ここまでは普通だ。彼はその最後尾からいつも自転車通学の生徒を抜いていったそうだ。そして抜いた瞬間に挑発してきたそうだ。指をくいくいとやったり中指を立てたりドヤ顔したり。



それにキレた上級生の一人がある日挑発に乗り勝負を挑んだ。そして呆気なく負けた。寝癖の男は大きなため息をして一言、「もっと頑張ってくださいよ先輩」それを後からやってきた自転車組もみていた。上級生は一致団結し、その後も勝負を挑み続けているそうだ。



「今じゃあの人は殿堂入り扱いだよ!意外と皆んな楽しくなっちゃって続けてるみたい!週間ランキングとかもあるらしいよ!」



(すっげーばかだな、でもなんかいいよなこういうの)



「それにしてもお前詳しすぎじゃね?」



「同中の先輩が教えてくれたんだ!他にも色々知ってるからなんでも聞いてよ!」



(先輩とも仲良いタイプ。やるなこいつ)



そして俺達は一緒に帰る事にした。情歩も自転車らしい。帰り道も同じ方向だったので色々教えてもらった。



学校の有名人とかうざい先生とかこの学校の七不思議とか。



「じゃ!俺こっちだから!また明日!」



「おう!じゃーな!」



ここでお別れだ。一人で歩きながら今日の出来事を振りかける。朝からなかなかにハードだったしいきなりやべーやつ認定されてどうなることかとおもったけど友達が出来たし面白い話が聞けた。俺はとても充実した気持ちだった。そして空を見上げた。



(あぁ、はじまったんだな〜高校生活)



なんだか胸がさわさわする。



すぅーっと息を吸い込み。



「わぉーん!!!」



当たりの音が消えた。佐藤は気づかない。








ひそひそ(みちゃダメよ!!)


ひそひそ(なにかしらあれ…やぁねぇ)


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