可愛い
門まで戻ってきた俺達は門兵に止められた。
「そこで止まれ!ここで検査をしてもらう」
「俺は行きに既にしたんですけど」
俺がそう言うと
「関係ない。ここを通る全ての者が検査対象になっているんでな、大人しくしてもらおうか」
マジか...ここを通る度にこんなことするなんて面倒くさいこと極まりないぞ。
俺が姿を現せばいいのか?でも、そんなことしたら自由に行動できなくなるじゃないか。そんなのはゴメンだ。
あー、どうしよう...
そう考えながら俺は行きと同じように魔力をイジっていた。
しばらくすると検査が終わったことを告げられ、王都に入ることを許可された。
「王都で何かあったの?」
レイネルが俺に尋ねた。どうやらレイネル達は何があったのか見ていないようだな。
「あぁ、先刻王都で大規模魔法が使われたらしくてな。それで警戒しているんだろう。」
当然俺が関与していることは言わない。
「そうなんだ。もしかして魔族の仕業なのかな?」
「それはまだ分かってないとは思うが...とにかく、あまり目立つことはしない方がいいだろうな。」
「おいおい、アレスはもう十分目立つことしてんじゃねえか。オーガをあんな簡単に倒すなんて普通じゃ出来ないぜ?」
ブライがニヤニヤしながら俺に言う。
「そうなのか?」
「オーガの皮膚は硬いから剣で斬りつけることは難しいんだ。だから普通は魔法が攻撃の軸になり、俺達剣士はサポート役に回るのさ。それをお前は、剣で倒しちまうんだからな!」
そうなのか...もしこのまま切断跡のあるオーガを換金していたら、相当目立っていたな...危ない危ない
「そうだったのか...なら出切れば俺がオーガを倒したことは秘密にしておいて欲しいんだが...」
「あぁ、もちろんだ!レイネルもいいな?」
「うん、分かった」
よし、これで一先ず俺が目立つということはなくなったかな?
「それにしてもこんな緊迫した状況じゃ居心地が悪くてしょうがねぇ。魔法を放った本人がさっさと正体現せば、これも変わるのかねぇ」
すまんな、ブライ。それは絶対出来ないぜ!正体がバレれば捕まるからな.....あっ、正体を隠して敵じゃないことを表明したらいいんじゃないか?仮面とかして顔を隠して。そしたらこんな面倒くさいことをせずに済むかも...
よし、今夜にでも決行するか
「俺達はミセルを宿に連れて行くけど、アレスはどうする?」
「そうだな、俺も宿について行っていいか?傷を癒やすことぐらいは出来るから」
すると、ブライとレイネルが驚愕の表情を浮かべる。
「アレスは回復魔法が使えるの?」
「ああ、使える」
「回復魔法が使える人なんてかなり少ないんだぜ?それも聖女様や神官のような高位の地位にある人しか使えない魔法なんだぞ?」
まぁ、確かに回復魔法は使える人が限られてくるからな。いくら練習しても素質がなければいつまで経っても使えない。
「ははは、まぁ、細かい事は気にするな」
俺は横たえられたミセルを診ているが、あまり外傷はないな。
とりあえず回復魔法を使って小さな怪我を治していく。
「『治癒』」
すると、みるみる怪我が治っていった。
「「おぉー」」
2人が感嘆の声を上げる。
ミセルは魔力を限界まで使い果たしたのだろう。これだと2,3日は眠り続けるか。
ちょっと魔力を分けてやるか。
俺はミセルの額に手を置き、魔力を流していく。
「ふぅ、これで大丈夫だろ。あと少ししたら目が覚めると思うが、念の為安静にしておくように言っといてくれ」
「ここまでしてくれてありがとうな!良かったら友達としてこれからも仲良くしていきたいんだが」
「あぁ、もちろんだ。これからもよろしくな」
「僕も!」
「あぁ、よろしくな」
彼らと握手を交わし俺は冒険者ギルドに行くため宿を出た。
「では、依頼分の薬草を確認しました。依頼達成おめでとうございます、アレスさん。では、これが報酬となります。」
「ありがとうございます、サーシャさん」
冒険者ギルドに着いた俺は薬草を持ってサーシャさんのところに向かい、依頼達成の報告をしに行った。
「これからも頑張ってくださいね!あっ、それと...あの...私この後休憩なんですけど...えっと、良かったらこの後お茶しませんか!?」
いや、近い近い、近いよサーシャさん
あ、でもいい匂いクンカクンカ
夜までまだ時間はあるし、なんと言ってもサーシャさんが誘ってくれてるんだ。断る理由はない。
「えぇ、もちろんいいですよ!」
そう言うと、サーシャさんは小さくガッツポーズをした。
「や、やった...!あ、いえ何でもないです...!じゃ、じゃあ、また後で会いましょうね!」
はぁぁあ、やっぱり可愛いなぁ...
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