きっと大丈夫、もっと支えていける
最近あいつの様子がおかしい。
高校の時から付き合っているあいつと久々に些細なことで言い合いになって、結構大きなケンカをした。
その前から調子悪そうだったのにそれを覆い隠して必死に挽回しようとしていたのを見てたから、助けになりたかっただけなのに。
昔から一人で抱え込むあいつをひっぱたくのが私の役目で、腐れ縁と思って今までも一緒に悩んできてたつもりだけどどうも今回はそうはさせてくれないらしい。
あいつの親からあいつが仕事中に倒れて入院したって聞かされた。最近は体調を崩しがちでついこの前も仕事を休んだばっかりだった。あのときあいつは追い詰められたような顔をしていた。・・・倒れるまで自分で自分を追い込むなよ。
見舞いにいった私をむかえたあいつの顔はやっぱりどこか思い詰めたような余裕なんて少しも感じさせない様子だった。
なんだかその事に意味もなくはらがたって、まるで何も見ていないようなその瞳に私を写してほしくて。その思い詰めた頭に周りを見ろ、お前を心配して助けたいと思っているやつが、仲間がいっぱいお前にはいるんだ。って伝えたくなった。
「そんなに自分を追い詰めてきつい思いまでしてこの関係も犠牲に仕事して、どこを目指してるの?周りから目をそらして自分すら省みなくて周りに心配ばっかりかけて・・・・お願いだから助けさせて」
色々な思いとかどうしても伝えたいこととかどうにも言葉にならないことが多すぎて伝えたいことは全部言葉にできなかったけど、それでもあいつには伝わってくれたみたいで、少しずつ前のあいつに戻ってきた。前より少しだけ甘えることを覚えて。
「もう大丈夫、あんたがいてくれれば私は大丈夫。なんだかそんな気がするよ。あんたといれば支えてくれるし、私も支えられる。お互いにこうしたいって思ったことができる。結構良いパートナだと思うんだ。・・・・だからって訳じゃないけど、結婚しないか?」
絶対にあいつからは言わないと思ってたことを言われて、最初は戸惑ったし意味わかんなかったけどそれでも言えることがひとつだけあった。
「当たり前じゃん、どんだけ待ってたと思ってんだよ」
私もこいつの事が好きでいつまでも支え合っていたいって思ってるってことだ。