天羽家の新しい住人
正直サブタイは適当。更新遅れてゴメンナサイ。許してくだち。
こんなくそ雑魚ナメクジでも、ポイントもらうと狂喜乱舞します。ポイント下さい。
シャーロットが勝手に動いてくれるのですごい楽に書けました。しかし読み返してみると文章はたんぱくすぎて味がないという……。精進せねばなりませんね。
結局、バスに乗り遅れたと言った永守は、なんとか始業五分前には教室に到着することができていた。どうやら親に送ってもらったらしい。バスがない時の最後の手段だ。といっても僕は親が日本にいないので使えない手段だが。
「おお、永守間に合ったじゃん」
「ギリギリな。母ちゃん怒ってたからこの手はしばらく使えん」
朝飯のトーストを口にくわえながら教室に入ってきた永守に、とりあえず食パンくわえながらの登校は美少女になってからにしろと軽口を言っておく。すると、じゃあ今度お前がやれと言われた。解せぬ。僕はたいして得をしないだろうに。
「そういえば、今日からなんだろ。見たぜ、職員室で」
「何が」
「例の美少女転校生お前はもう見たんだろう?」
「え、あー見たね」
「なんだよ反応の悪い」
「何でもないよ」
「写真通りの美少女だったなぁ」
そう言ってムフフフと自身の妄想の中の世界に入り込んでいく永守。気持ち悪いったらありゃしない。一緒に住んでいると言ったらものすごく恨めしそうに見てきそうだし、しばらく黙っていることにしよう。
すると、僕の後ろ側から聞きなれない声が聞こえてきた。
「相変わらずに女の子のことばっかり。永守、あんた下半身に脳みそがついているんじゃないの?」
「うるせぇ、ほっとけよこのメスゴリラ」
ごっと鈍い音を永守の頭から響かせて殴る彼女。うわぁ、痛そう。
「殴られたいの?」
「殴ってから言うなよ!?」
永守とだいぶ親しそうに会話している彼女は、割とよく永守と一緒にいるところをよく見かける。確か藤村さん、とか言っていたような気がする。ショートカットの彼女は、名前を覚える事ができない僕にとって、割と珍しく覚えることができている一人だ。
「ああ、ゴメンね。天羽君。自己紹介まだだしね。あ、でも、名前くらいは知っているでしょ?」
「うん。藤村さん、だよね? 永守とよく話している」
「そうそう。藤村 雅。 永守とはまー、腐れ縁っていう所かなぁ。よろしくね、天羽君」
まさか、こんな人が永守の近くにいるとは思いもしなかった。
今僕を鏡で見たとしたら、確実に目を感動の涙で潤ませていることだろう。
「うんうん、よろしくねぇ」
「うぇ!? どうしたの、天羽君!?」
「あー、あれだ。こいつ、入学してから初見の奴に男と思われたことなかったもんな」
「ああ、なるほど。それで……」
納得する藤村さん。その隣でうんうんうなづく永守に僕は少しイラッとした。
「どっかの誰かさんは出会って三分で僕にナンパし始めたよね」
「そんなことあったのね……」
「あ、いや、どこの誰だろうな、うん。けしからん。実にけしからん」
本当に。出会って五分で永守に可愛いな君、とか、今日暇だったらカフェに行かないか? なんて言われた事実は決して存在しないのだ。
「ただいま」
「お帰りお兄ちゃん」
家に帰るとそこにはソファーで寝転がり、国民的な子供向けアニメを見ている妹が。僕が思うにあの顔はバッテリーのようなものだと推察する。顔つまりバッテリー、が変形、水浸し、変色などすれば十全に力が発揮できないのは当たり前だし、バッテリーを交換すれば十全なパフォーマンスを発揮できる。つまり、メジャーリーガーになれそうなコントロールと球速を発揮する肩を持つあの乳製品が投げるヤツは、予備バッテリーなのだ。予備に交換して元気百倍アンp……これ以上はいけない。ゆるせたかし。
「あ、またお兄ちゃん変なこと考えてる」
「なぜばれた」
「お兄ちゃん、変なこと考えているとき、決まってアホ毛がわさわさしてる」
「そんなばかな。というか、何で今日は早いんだ?」
「こーちがぎっくり腰になった」
「村井さん……」
あの人ももう五十のおじさんだしなぁ。そんなことはさておき、今日の夕飯はどうしようか。炊飯器の中、冷蔵庫の中を確認しながら、考えていると、ふとシャーロットが刺身と肉じゃが食べたいとと言っていたのを思い出し、今日は刺身にしようか。ちょうどカワハギが安く売っていたことだし、冷凍してあったサーモンがあったはずだ。こんなもんでいいだろう。
とりあえず洗濯と掃除機掛け(ごろごろしている妹が鬱陶しかったので風呂掃除を命じておいた)を行って冷凍サーモンを出しておく。こうすればいい感じに溶けていることだろう。
次はカワハギだ。うちに出刃包丁なんてものはないので、なんとか万能包丁で骨と骨の間に刃をめり込ませ頭を落とす。
そのあとに背の方にちょっとばかり切れ込みを入れてカワハギのなのゆえんである皮をはいでから内臓を傷つけないように慎重に取り出して肝とそれ以外で分ける。この間にイカをさばいたときに、小さなイワシが出てきたのは驚いた。
皮をはいだら骨の部分とそうでない部分で切り分け、少し肉の残った骨の部分には塩をすり込んでおく。これを塩焼きにするとおいしいのだ。
あとはサーモンの方も切って皿に盛りつけて完成だ。あとはこの間作ったサラダと近所のおばあちゃんがくれた漬物を並べればいいだろう。
「I’m home! 日本ではタダイマと言うのかしら?」
「お帰り、ごはん出来てるよ」
シャーロットが帰ってきたのは午後七時半。学校から出るバスの最終便に乗ると、大体この時間に帰宅することになる。
玄関まで出迎えに行くと、僕のエプロン姿を見てはっとし少し不満そうな顔をしたシャーロットが。
「どうしたのさ」
「NOですムツキ! 私でも知っている日本のしきたりよ。エプロン姿で出迎えするときには、『ご飯にする? お風呂にする? それともわ・た・し?』と言わなければだめなのよ?」
「日本が生まれてこの方そんなしきたりがあったこともできたこともない!」
何を言っているんだこいつは。現にごはんと言う単語を聞きつけてやってきた妹の如月が腹をかかえてげらげら笑っているではないか。
「ええ!? 日本に住めると聞いてからこれが夢だったのに!?」
「そもそもこれは新婚夫婦の嫁が仕事から帰ってきた夫に向かって言うものだ」
「ムツキならいいお嫁さんになれるわ!」
「お兄ちゃんならいいお嫁さんになれるよ!」
声をそろえて言うな声を。俺にケンカを売るということは弁当の中身が死地になるのと同義だぞ。ドレッシングなしのもやしオンリー弁当にしてやろうか。ヘルシーで経済的だぞ。
「おい、知っているだろうが嫁とは女性がなるものだぞ」
「お兄ちゃんなら性別の壁なんてないようなものだよ!」
「ようしそこに直れ。お前のネジの足りない頭に直接ネジを増やしてやる」
きゃーと楽しそうな悲鳴を上げて居間へ逃げていく如月。畜生め。
「ムツキ、お嫁さんが嫌なら私のお婿さんにしてあげるから! 言って!!」
「なんでそんなに必死なんだ……。ああもう仕方がない。一回だけだよ」
「んふふ~。ありがとうムツキ、好きよ」
「イギリスじゃ普通かもしれ無いけれど、そういうの日本では控えた方がいいよ? 勘違いする人が多くいそうだ」
非常に嬉しそうににまにまするシャーロット。これは、うんと言うまで絶対にひかない顔をしているなぁ。
「じゃあやるよ? んんっ、ごはんにする? お風呂にする? それとも、ぼ・く?」
「もちろんムツキにするわ!!」
即答だった。
読み返してみているものの、誤字脱字があるかもしれないです。できればご報告いただけると嬉しいです。