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タイトルが思いつかないから適当でもいいよね。タイトル「増えないわかめ」

もうね、書いてて面白くなかったからそのうち編集するかも。

 あらかじめ四つに小分けしていたひき肉の塊だったが、来訪者が増えたので一度一つの塊に戻し、二人で小さいのを二つずつだったのを三人でそれなりの大きさのものを三つずつにすることにした。

 少し離れたところには、ソファーに並んで仲睦まじく夕方の小学生の探偵が活躍するアニメを見ている。あれ、むしろ主人公が犯人じゃないかって思えるぐらいに事件に合うんだよなぁ。


 「あ、そうだ。シャーロット、せっかくなんだし、日本で食べたいものとかある?」

 「食べたいもの? どうして?」

 「私は寿司が食べたいですお兄ちゃん」

 「だまらっしゃい。次何か言ったら明日の如月の弁当は日の丸弁当にするぞ」


 そういって姿勢よくまっすぐ伸ばした挙手をする妹。近くにあった小さめのすももを投げつけると、うまいことキャッチしてそのままかぶりつき始めた。


 「歓迎会もかねて何か作ろうかと思って。日本じゃないと食べられない物とかもあるでしょ? さすがに今日は材料かなくて作れないんだけどね」

 「うーん、食べたい物、食べたい物……。あっ! 日本人は馬を生で食べるって本当?」

 「サクラ肉ねー、さすがに無理かなー。こんどお店に行った時でもいい?」

 「私は馬の肉の話をしているのよ? 桜はお花でしょう? お肉じゃないわ」

 「日本じゃ馬の肉の事をサクラって言ったりするんだよ。他に作ってほしいものは?」

 「ふかひれのスープ!」

 「如月、お前の明日の弁当は梅干しだけだ」


 会話をしつつも作業を並行し、完成させたハンバーグをテーブルの上に並べる。かかっているソースも一からの手作りだ。

 如月はおほー、と謎の奇声を上げながらよってくる。ええい、うっとうしい。

 全員が席に座り僕と如月が「いただきます」と言って食べ始め、シャーロットさんもそれにならって食べ始めた。


 「話し、続けるけどシャーロットは何が食べたい?」

 「んー、ナマの魚? さ、さしみ? っていうやつかな。イギリスじゃ生の魚なんて食べないから。あ、そうそう。あとできたら肉じゃがも食べたいわ」

 「ほうほう。了解、明日作るよ」

 「ムツキは何でも料理を作れるのね」

 「何でもは作れないけど、大体の物は作れるかな。おいしいもの食べたいし」


 そう言って箸で小分けにしていたハンバーグを一つ口に含む。そう言えば、シャーロットは箸の使い方がきれいだなぁ。


 「あ、そうそう。ムツキ。服の洗濯はどうしたらいい?」

 「あー、僕がやろうか? 少し量が増えるだけだし。見られたくない物とかは自分でやってほしいけど」

 「じゃぁ、ムツキにお願いするわ。たいして見られたくない物もないし」

 「え、下着とか、僕が構っちゃうことになるけどいいの? こんなんでも僕、男なんだけど」

 「別に? 向こうにいた時はそういうのは全部ハウスメイドさんがやってくれていたから、見られたりしてもなんとも思わないわ。それに、ムツキなら別に私の下着でいかがわしいことされてもいいわよ?」

 「しねぇよ! 何で僕ならいいんだよ!」

 「ほらね? しないでしょ? ムツキ、家事も料理もできるなんて、これが日本の大和撫子というものかしら?」

 「僕は男だからそれは適用されない」

 「そう。ごちそう様でした。時差で眠いし、明日の準備もあるからそろそろ寝るわ。good nightムツキ、キサラギ」

 「おやすみ」


 そう言ってリビングから出ていくシャーロットさん。寝床は確保したので大丈夫だろう。ところで、彼女の制服はどうするんだろうか。まぁ、僕が何も言われないということは何とかするんだろう。



 




 しっかりと上と下、別々で鍵がかかっているのを確認してからバス停へと向かう。横には昨日から新たに加わった住人のシャーロットも一緒だ。バス停までは五分と掛からないので、ほとんど会話をする間もなくついた。

 通っている高校とは違う制服を身に着けているシャーロットを見て少し疑問に思う。


 「シャーロット、その制服は?」

 「ああこれ? 注文したんだけど、制服、届くまでに一週間かかるらしくて、学校もなんか制服がないなら前の学校の制服できてねー、みたいなことを言われたから。一週間はこれかな」

 「へーえ」

 「それにしてもバス、来ないわねぇ。日本の交通機関は正確だって聞いたのに」

 「まー、新幹線とかはね。バスは道路の交通状態とかもあるし」


 確かに、バスほど遅刻常習者はいないと思う。夏場はまだ朝なので耐えられるが、冬場なんてのは地獄だ。地面は氷っているし、風は冷たい雪が降る。おまけに雪でバスの運行が遅れるなんていることは当たり前なのでバス停に時間より十分早く来ている僕としてはとてもつらい。ガチなほうで凍え死ぬ。


 「そういえば、帰りはどうするの? 一応、学校まではバス来てくれてるけど」

 「うーん、高校の部活動を見てみたいから、少し残ることにするわ」

 「ちゃんと帰れる?」

 「お母さんみたいなこと言わないでほしいわね」


 目的のバスが来るのと同時に永守からメールが。


 バスに乗り遅れた。死んだ。


 ぷぷ、ざまぁ。帰りは何本かバスがあるが、行きは始業時間に間に合うものは一本しかない。これに乗り遅れたら最後、十時くらいまでないのだ。遅刻確定だな。

 そのままバスに乗り込み後ろから二番めの席に座る。ここの席は後輪タイヤの真後ろにあって、なんだかちょっとだけ他の座席より広い気がするのだ。


 「ムツキ、ムツキ起きて。ついたわよ」


 体をゆすられる。覚醒しない僕の意識は、まだ睡眠を求めている。

 

 「あと、五千年」

 「そんなに寝たら化石になってしまうわ。ほら学校についたから」

 「え、マジ?」

 

 耳を引っ張られ急上昇した思考は、周りを見渡し始める。確かに、座った頃はまばらだったうちの制服を着込んだ十代男女は、いつの間にかすし詰め状態になっているところから、順々に降車し始めている。


 「あ、ゴメン。ねてた」

 「別にいいわ。寝顔、可愛かったし」

 「ほっとけ」


 目の前には僕の顔を覗き込んでいるシャーロット。隣に座ったんだっけか。うわ、間近で見るとめっちゃ綺麗な顔してるなぁ。そばかすひとつない。


 「それで、職員室はどこ? 案内してくれない?」

 「ああ、そうね。とりあえずバスから降りようか」


 バスから降りると僕はものすごい視線を感じる。これは、僕にと言うかシャーロットにだろう。確かに銀髪なんてものは、目立って仕方がないだろうしな。

 とりあえず、生徒玄関によって靴だけ履き替え、職員室に向かう。視線が物理的な干渉力を持っていたら、確実に蜂の巣だな、これは。蜂の巣苦手なんだよなあ。小学生のころ、あの六角形の穴の中の大部分に幼虫がうじゃうじゃしているのを見てしまって以来。


 「じゃぁ、ここが職員室だから。僕のクラスは一年B組ね。転校初日頑張って」

 「ええ、何かあればそっちに行くわ。たぶんクラス違うだろうし」


 じゃあね、とウィンクしてから職員室に消えていくシャーロット。さて、僕も教室に向かいますか。

誤字脱字があればお願いします。

ポイントくださいくれればたぶん次回が早く上がります。

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