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天羽家の朝

性懲りもなく新作。はじめましての方は初めまして。そうじゃない方はおはこんばんにちは。たぶん逆転世界の方は気が向いたら書き直します。気が向いたらね。

 脱衣所の扉を開けると、そこには全裸の女の子が。中学生という年齢の割にその肢体はすでに女性として完成しつつあり、特にその胸部は成長が著しく、大人の色香を放っている。


 しかし、僕は彼女を見ても、ああ、またか。とか、バスタオルを首に掛けるとおっさんくさいなぁ。なんて感想しか思い浮かばない。


 なぜなら、目の前の少女は僕の妹であり、正直小さいころから妹の裸なんて見慣れているからだ。妹、如月きさらぎがしょっちゅう服を脱ぎ散らかして半裸でいたり、風呂に入ったまま服を着ずにうろうろするので、色気もクソもない。


 妹は脱ぎ散らかしたジャージの上に放っていたスマホを拾い上げ、画面を確認しながら不満げに呟く。


 「今日、9キロだった。10キロ走ってない」

 「そーかい。その前に体を拭いて服を着ようね」

 「めんどくさい。拭いて」

 「自分でやれよ」


 9キロ10キロと言う話は、部活のために自主的に朝食前に行っているランニングのことだ。今日はどうやら目標に届いていなかったらしく、口をとがらせている。


 とりあえず、こいつは脱いだ服を片付けるなんてことは絶対にしないので、脱ぎ散らかされたジャージやらスパッツやらスポブラやらを全部洗濯機にぶち込む。最近の洗濯機はスイッチ一つで洗濯から乾燥までやってくれるので楽でいい。あとは学校から帰った後にアイロンをかけて畳むだけだ。

 

 「朝ごはん、出来てるからね。早く来いよ?」

 「う~い」


 髪の毛を自然乾燥させて嫌なにおいがつくのは嫌なのか、しっかりタオルで水気を拭き取っている妹を跡目に、味噌汁を温めにキッチンへと向かう。


 「うむ。今日もいいできだな」


 なんてことを言ってみるものの、料理なんて大体レシピと似たように作りながら具材をぶっこむだけなので、正直味なんてそうたいして変わらない。


 「今日の献立は?」

 「シャケ、米、味噌汁」

 「和風だねぇ」


 着替えて出てきた妹は、私立中学の半袖セーラーワンピースをしっかり着てから食卓に着く。外面はいいんだよなぁ。


 しっかりと合掌してから食事開始。両親は若干ワーカーホーリック気味で、今は春から二年ほどの海外出張に行っている。おかげで稼ぎがいい分、普通の家庭よりは少し裕福な生活をさせてもらっていると思う。


 目の前に目を向けると、卵焼きを頬張った妹がなんだか不満げなジト目でこちらを見ている。


 「なんだよ」

 「卵焼きは甘いのがいいって言ったじゃん」

 「知らん。僕はしょっぱいのが好きなんだ」

 「え~、甘いのがいい」

 「なら朝ごはんは自分で作るか?」

 「それもやだ。お兄ちゃんのご飯がいい」

 「じゃあ我慢しなさい」


 どうやら妹は、茹で卵を電子レンジで爆発させてしまい、それからというもの料理に苦手意識を持ってしまったらしく、何か料理(電子レンジを使わない物限定)を作れないことはないものの作ろうとはしない。そのくせ注文は付けてくるときた。朝早く起きて弁当も作っている僕の身にもなってみなさい。あ、早朝から起きているのはランニングしている妹も一緒か。


 食べるのが僕よりも早く家を出て戸締りを僕に丸投げしようという理由で早くなった妹は、食器をすべて流し台まで運び、時間だから、と家を出て行った。


 それから三十分、僕も食事を終え洗い物を済ませてからドアに鍵をかけたのをしっかり二回確認してから学校へと向かった。

誤字脱字があれば感想欄までオナシャス! 何でもしますから!

リクなんかがあれば受け付けます。できるかどうかはともかくとして。

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