第4話
カラオケなんて、今時学生証を見せてしまえば(言い方が悪い)お金なんて千円以下になるところのほうが多いはずだ。
「なんで俺は、こんなに金がなくなっているんだ。」
気が付いたら3000円はなくなっていたから、びっくりだ。
相澤明美が、俺の財布を空にするかのような勢いで注文をしていった。
見栄を張っておごってやるなんて言わなければ、こんなことには・・・
「せんぱーい、おいしかったです。」
「あ、ああ。」
なら、よかった。
喜んでくれるならもうそれでいいや。お金いっぱいあるし。
8時間くらいたって、今は4時くらいだ。
彼女たちとは既に別れた後。近い未来に、たぶん戦うことになると予想ができた。
おそらくだが、ローゼンの姉ルージュは━━
「━━やはり、か。」
ルージュ・ナフガニン
Sランク 序列第42位
スキル『超速』
次回対戦相手 序列1位
先駆けて、妹より先駆けてSランクに昇格し、俺に挑戦してきた。
俺から、妹を取り返すために。
スキル、ということは常時発動しているタイプである可能性も否めない。
「・・・」
俺が、転生前に使っていた武器を探す必要があるかどうか、判断に迷う。
正直今迄からして、なくても戦えているわけだし、昔の記憶に縛られた思考をして、こだわる必要はない。
が。
家。夜ご飯の前。
もともとのスタイルと今のスタイルを混ぜこぜにした戦法になるが仕方がない。
「どんなに離れていても
どんなに壊れていても
どんなに流れていても
我が剣は尽きぬ
我が剣は奪う
━━示せ、ヤワディ」
美しい蛇腹剣が、そこに出てくるはずだった。
そこには、黒髪ロングストレート超美人で165cmくらいの巨乳美人がきちんと服を着て板。
板じゃない居た。
「問おう、あなたが私のマスターか?」
「もちろん。久しいな、ヤワディ。」
ていうか、どこで知ったんだそのセリフ。
「なんで人間の姿なんだ?」
「現代には銃刀法がありますゆえ。」
少し褐色の肌は艶があり、その瞳は凛としている。
━━なにも、変わっていない。
そのことに俺はただただ安心していた。
夜ご飯、ヤワディは食事をしないので、というかできないので蛇腹剣モード。
説明と紹介を終え、食事のあと即座に夜の街に繰り出して。
早くこいつを使いたくて仕方がなかった。