九十一話 迎え、フィオラのお家!
「俺は用事があるから先に行っててくれ、準備が終わったらすぐに向かうよ」
一緒に行ってもいいんだけど用事と言うか考え事と言うか、まぁ取り合えず一人の時間を作りたい。
「うん! 終わったら早く来てよライラス! 行こ、シャル!」
「フィオラのお家は大丈夫なの? いきなり行って迷惑じゃないですか?」
良い事聞いたぞシャル、俺も気になっていた。
家にいきなり押しかけて断られただけなら良いが、もしフィオラのお母さんが怖い人だったら……とか考えると気になっていた事だ。
「ううん、絶対大丈夫だよ! パパもママも友達を家に連れておいでっていつも言ってるんだ」
「それならお言葉に甘えさせて貰います」
フィオラのお父さんは見た事あるけどフィオラのお母さんは実は見た事無い。
用事が合ったりお母さんのお手伝いをしていたりでフィオラが来れない日は俺から何度かフィオラを迎えに行ったことがあった。
けどお母さんを見た事は一度もない、いつも出掛けていたりしていて中々会えない。
この機会に会えるかもしれないとちょっと嬉しかったりする。
フィオラ達と解散してから母さんと父さんに一応許可を貰いに行った。
二人は俺が友達の家に遊びに行くと聞くと喜んで許可をくれた。
二人とも喜んでくれたのだが二人は意味が違った。
母さんは純粋に喜んでいて『ライラスなら心配要らないと思うけど一応、お邪魔しますとか頂きますなどのマナーはしっかりするようにね』と言われた。
母さんの顔に泥は塗らない様にしないと。
いくらこの村が広いと言えど小規模な村には変わりなくほとんどの人と知り合いで母さんもフィオラ家と仲が良いらしい。
かくいう父さんは『ライラスにもいよいよ彼女が出来たのか……』何て言って泣いていた。
父さんは五歳の子供にいったい何を期待しているのやら。
めんどうなので父さんは放置して俺は自室に戻った。
俺はすまし顔でベットに倒れるように寝転んだ。
「お泊りか……」
え、俺ホントに女の子の家に泊まりに行くの?
まてまてまて、何も起こらないし何も起こさない、それは当たり前だ。
でも女の子の部屋に泊まりに行くって……そう言う事だよな。
そう言う事ってどういう事だよ!
あぁー何で俺こんな緊張してんだよ俺。
友達の家に泊まるなんて今まで何度もあっただろ。
いやいや、男友達の家に泊まりに行くことはあっても異性の家に泊まりに行くなんて無かった。
などとベットの上で1人で悶えていた。
早く行かないと心配されてしまう。
ーーーー
フィオラの家でお泊まりをする事になって家で軽く準備を終えると直ぐにフィオラの家に向かった。
辺りは暗くなっていて時期的にも少し肌寒い。
フィオラやシャルと通った道は2人で歩く時は短く感じたのに1人で歩いているととても長く感じた。
黙々と進んでいると黒くてモフモフしたマスコットが少し先の道でテクテクと歩いていた。
「こんな所でペコ発見!」
俺はペコのいる所まで走ってからペコを抱き上げた。
「ペコも家に帰るところか! 俺も今日フィオラ家に泊まるからお前とも一緒だぞー」
頭を撫でながら話しかける。
ペコは賢いから何となく話してる事を理解している……ぽいから話しかけるが返答は帰ってこない。
ペコは俺の腕から抜け出してから頭に飛び乗ってきた。
たぶん歩くのが面倒だから俺を足に使ったんだろう。
「お前はぐうたらだなぁ、まぁそこが可愛いんだけど」
ペコを落とさないようにして歩き始める。
結構バランスを取るのが難しい。
ピ○チュウを常に乗せているサ○シの凄さが分かった。
「ペコはいつか変身して人型になるんだぞー、出来れば可愛い感じで」
ネコかイヌかモンスターか分からないペコみたいな謎動物は人型になったり人の言葉話したり空飛んだりと不思議な力があるはずだ……いや、あってくれ!
ペコに話しかけながら進むともう目の前にフィオラの家が見えた。
扉に手をかけようとすると先に扉が開いた。
「あら、2人とも一緒に来たのね」
「え?」
フィオラの家から出てきたのは少し前に1度だけ会ったことのある金髪の女性だった。
「うふふ、やっぱり気付いてなかったのね。フィオラの母のマリーネです! 娘がお世話になっております」
金髪の女性……もといフィオラのお母さんは着ていたロングスカートの端を摘み、とても上品にお出迎えしてくれた。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
次話の投稿、楽しみにしていて下さい!!!




