九十話 第1回魔術勉強会 後編
今は俺とフィオラ、シャルとエルトリスさんの四人で魔術の勉強会を開いている。
俺も再認識できるし、フィオラには詳しく説明が出来てシャルに魔術を教えれるからとても有意義な時間だ。
エルトリスさんは興味深々で特に自分の弟子が成長しているのが好きなのかニコニコしながら聞いてくれている。
俺が持っている魔術の知識は攻撃系統の魔術を上級まで使える父さんと回復系統の魔術を超級まで使える母さんの二人から教えて貰うのがほとんどだ。
生前の知識も多少は助けになっているが微々たるものだ。
アニメやゲームで見たことあるモンスターから初めましてのモンスターもわんさか居るからこの知識もたまにしか使えない。
あとはテレビとかでやっている自然現象とかを魔術で真似して戦闘で使ったりしているが火力が高すぎたり工程が面倒だったりであまり使い勝手も良くない。
例に挙げるなら銀狼の森でトロールに使った【逆気流】だな。
U○Jや○ニバ、ユ○バーサル○タジオジャパンの乗り物にあるあのバックドラフトだな。
密室での火災が起きてドアをいきなり開けると中に酸素が急激に入ると爆発する奴だ。
映画やテレビの解説を見て覚えた。
あれを魔術で再現するには中級土魔術の【土壁】を使って相手を完全に閉じ込めてその中で火属性の魔術を使えば再現できる。
「父さん曰く、無詠唱は感覚で覚えるしか無いから魔術を使うイメージをするんだ」
「分かりました!」
シャルが無詠唱で魔術の練習をしてからかなり時間が立ったが出来る気配がしない。
中級魔術も練習したがイメージが付かないらしく進展が無かった。
フィオラが才能型で何となくで出来ていたから感覚が狂っていただけで普通は無理なのかもしれない。
俺の前世で知っていた魔術は凄く長い詠唱をしたり、無詠唱でバンバン使っていたり、魔法陣がたくさん出てきたりと色々な魔術や魔法、呪文をゲームなんかで見て来たからイメージしやすかったのが俺が魔術が得意な理由かも知れない。
「あんまり気負いするなよシャル、初級の魔術が使えただけで十分凄いからな」
「そうだよ! シャルは剣術も強くて魔術も使えるから凄いよ!」
「そうですね……私には師匠から教えていただいた凄い剣術がありますから気にしないようにします」
口ではこう言っているがかなり落ち込んでいるのが分かる。
もっと励ましてやりたいがちょっと気まずい事に魔力が無いエルトリスさんの前では少し申し訳ない。
「でも考えても見てくれ、旅をしていく上で初級でも水魔術と火魔術はとても便利だぞ」
「初級でもですか?」
ちょっと声が泣きそうになっているシャルが食い気味になって聞いて来た。
これは元気になって貰えるかもしれない。
「いつでも火が使えればどこでも焚火が出来るし、水は魔力が枯渇しない限り飲み水として使えるし色々な所で工夫が出来るからな!」
今思いついた魔術の使い方を幾つか出したがそれなりに説得力があるなと自分でも感心した。
まぁ、何処でも火がつけれるが焚火をするならどのみち乾燥した木の枝とかが無いと出来ないなどの不利益な面は黙っておこう。
「そ、それもそうですね! 師匠、今度からはどこでも暖かいご飯を作れます! 期待しておいてください!」
「ほんとに!? これで数日の間ずっとマズイ干し肉を食べなくても済むんだね!? ラウド見てても思ったけど魔術って凄い便利だね!」
シャルとエルトリスさん目を輝かせながら喜んでいた。
数日ずっと干し肉しか食べれないのは大変だな。
魔術はとても便利で何も持ってい居なくても雨風しのげる壁を作れたり火や水を出せたりする。
まぁ、現代ならマッチやライターがあるしどこにでも水道があるからどっちが便利かは分からないんだけど。
でも魔術にはカッコいいメリットがあるから断然こっちの文化の方が好きだ。
俺も早く超火力のある魔術や超巨大な魔術が使いたい、実用性よりはロマン方面の意味で。
エ○スプロー○ョン! みたいなやつ。
「ありがとうねライラス君、シャルに色々教えてくれて。 私には魔力が無いからその辺は教えれないから助かるよ」
「人に教えると自分もより深く勉強になるので僕も助かってますよ」
「お、ライラス君も立派な教える側の人の考えだね」
エルトリスさんは仲間を見つけたようで少し嬉しそうだ。
俺も師匠を名乗っても良いのだろうか。
流石にそれは無理そうだなと軽い笑みがこぼれた。
シャルは魔力を使うのが得意だけど魔力を魔術に変えるのが苦手みたいだ。
フィオラは逆で魔術を使うのは天才と言ってもいい。
魔術の学校があったらエリートになれるタイプだ。
だけどその反面、身体強化は苦手みたいで前に試しに練習してみたけど上手く強化できなかった。
「もう暗くなってきたし今日はもう終ろうか」
最近少し寒くなってきて季節は冬近く、日が暮れるのも少し早くなってきた。
「もうこんな時間なんだもう少し遊びたいな……」
「でも、もうそろそろ帰らないとフィオラのはお父さんとお母さんが心配しちゃうだろ?」
フィオラが帰りたがらないのは今まで無かったから少し意外だったががそれだけシャルと遊ぶのが楽しかったんだろう。
シャルもいつこの村を出ていくか分からないから出来るだけ遊びたいのもあるかもしれない。
「そうだ! 二人とも今日僕の家に泊まりにおいでよ! 一度、お泊り会して見たかったんだ!」
それを聞いた瞬間、頭の中で色々な考えが渦巻いた。
女子の部屋、同じ屋根の下、一緒にお泊り、パジャマ姿、俺の精神年齢は既に二十歳を超えている、え?これ犯罪じゃない!?、ほんとに大丈夫? 等と色々な考えが出た結果――
「いいなフィオラ! 凄い楽しそう! シャルも行くよな!」
俺は名探偵コ○ンもびっくりな演技で子供に成りきることにした。
だって僕、子供だもん。友達とのお泊り凄く楽しみ。
そのうちライラスは、考えるのを止めた。
白々しい演技をしてシャルを誘うと肩に何かとてつもない圧を感じた、それも物理的な圧だ。
B級ホラー映画ぶりのゆっくり後ろを振り返ると凄くニコニコしているのにとても怖い笑顔のエルトリスさんが無言でこちらを見ていた。
あぁ、凄く怖い、私の弟子に手を出すなって顔してる。
心外だ、流石に子供に手を出したりしないしそう言う目で見ている訳じゃ無い。
それでもちょっとドキドキするのは男の子だから仕方ない。
いや、今の俺は純粋無垢な五歳児、あのクレヨンし○ちゃんと同い年、こんなに後先考えない。
「どうしたんですか?」
俺も首を傾げてニコニコして返す。
友達と遊ぶだけの何がいけないんですか? という顔をしている。
そうだ大切なのは堂々としている事だ。
白を切り通そうとすると肩にかかる圧力が上がった。
何故か反比例して顔のニコニコが上がった。
俺の肩VSお泊り会VSダー○ライという状況だ。
俺とエルトリスさんが均衡状態が続いていた時、神の一声が聞こえた。
「師匠、ダメですか?」
神じゃなかったシャルの声だった。
滅多に見れないであろうシャルの上目遣いに師匠と俺が悶絶、フィオラに勝る自然な可愛さだ。
余りに可愛い弟子を見てエルトリスも考えるのを止めた。
「じゃあ決まりだね! やったー皆でお泊り会だ!」
「は、はい。 私も楽しみです」
俺の肩と引き換えに手に入れた楽園、やったぜお泊り会!!!
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次話の投稿、楽しみにしておいてください!!!




