八十七話 遊べ!商業区!
俺はシャルに村の案内をしている所で今は中央区から商業区に移動中。
商業区はフィオラが住んでる場所でフィオラはお母さんの手伝いをしているからもしかしたら会えるかもしれない。
「この村って結構広いよね、私が住んでた村とは大違いだよ」
「あんまり他の村とか町とか知らないけどそんなに広いのか……シャルの村はどんな所なんだ?」
「私の村は小さい家がある程度集まって出来た村だから人は多かったけど広くなかったんだ。 この村は広くて景色が綺麗で海まで見えるのは最高だよ」
確かに俺の思っていた村とかはド○クエとかだから想像以上に広い。
俺はまだこの村と隣町しか見てないからこの世界の基準が分からない。
俺の村は幾つか区分けされていてその間は畑とかが広大にあって例えば商業区と中央区の間も
少しだけ距離が空いている。
どちらかと言えば田舎で広々としている。
それと対照に隣町はたぶんこの村の木造建築とは違い煉瓦とか石で出来てる建物が多くて
建物同士の距離も近かった。
色々な人から聞いた話だとお城とかある国も多いらしいからもっと上はあるんだろうけどどちらかと言えば隣町は都会よりだろう。
会話に花を咲かせていると一人で歩いていると少し長く感じる道もフィオラやシャルと話しているとあっと言う間に着いてしまう。
「あ、見えて来たよ、ライラス! あれが商業区?」
「あぁ、さっきとは違って結構建物が並んでるだろ?」
「うん、違う所みたい……」
色々な旅をしているシャルが少しでも驚いてくれて良かった。
居住区や中央区はそれなりに建物同士が離れているが商業区やその先の海に面している所も建物同士がかなり近い。
この村のほとんどが木造建築なのに対して海が近い商業区や港はほとんどがレンガ造りになっている。
天才大工のガシェットさんは基本的には木造建築を作るのだが海近くは潮風の影響もあってレンガで建築してくれたらしい。
商業区を作っていた時はそれなりに機嫌が悪かったとか。
商業区に入るとさっきまで静かで穏やかだった村の様子は一変した。
「す、凄い賑やかだね、どうしてさっきまでとは雰囲気が違うの?」
「この村はほとんどの貿易が海からなんだ」
「だからその場所にお店も立てて、貿易しに来た人が帰るついでにまた買って帰っていくんだね。 私と師匠が来た隣町とは貿易しないの?」
「隣町とこの村の道中は一般人には危険なモンスターがいるから普通の人は買いに来ないし護衛を雇ってまで来る人は居ないからだと思うよ。 道中見なかった? 滅茶苦茶怖いモンスターでなんか手に物騒な物持ってたウサギ」
思い出しただけで怖くなる、それに俺が初めて殺……倒したモンスターだ。
見た目が化け物とか、見たくは無いけど虫モンスターとかだったら抵抗感は薄れるんだけど犬や猫、それにウサギなんかの可愛らしい生き物はかなら抵抗感がある。
「あぁ、ビザーラ・ラビットだね。 凄く弱いけど凄く不気味な奴だよね。 私も始めてみた時は可愛いと思って近づいたら師匠に凄く怒られちゃったよ」
何そのピザ売ってそうな名前のウサギ!?
「あれで凄く弱いんだ……他のモンスターはどれだけ強いんだ?」
常識的に考えてほしい、石とはいえナイフを持ったウサギが群れで襲ってきたらどうだ?
俺が魔術を使えない一般人なら泣きながら走って逃げる、絶対に。
「あのウサギ蹴れば直ぐに倒せるよ、小っちゃい私が言うのも変だけど体格差があれば基本的には楽に勝てるよ。 強いモンスターで言うときりが無いんだけどゴブリンの群れは大変だったな……」
え、やっぱりゴブリンも居るんですか……ゴブリンだけをスレイヤーしてくれる銀鎧の人呼ばないと。
「ゴブリンってどんな感じの奴?」
俺の知ってるゴブリンと同じとは限らないしきっと俺が思ってるよりもっと弱くて賢くも無くて人も攫わないだろう……そう思っておこう、そんなのいる世界嫌だ。
「えっとね……まず必ず群れで襲ってきて不意打ちしてきて、夜に襲撃してきたりして、罠張ってきて、ずる賢くて、武器持ってて、離れたところからも攻撃してきて、挙句に人を攫って行ったりしちゃう感じかな?」
あ、もう駄目だぁ。
ゴブリンが群れでいる所なんて見たくない。
絶対待ってるのは地獄絵図だろ。
「あ、でも安心して。ゴブリンは凄く弱いしずる賢いだけで頭は良くない方だから! ライラスなら一日中相手にしても負けないから!」
聞いてる感じ最悪のモンスターだから一日中戦うと確実に寿命が縮む。
そんなこんなで商業区に着くと見知った天使を見つけた。
「あ! ライラス! それにシャルリアちゃんも!」
フィオラだ、商業区に住んでるし会えたらいいなと思ってたけどまさかホントに会えるとは。
俺らを見ると笑顔で手を振りながら走ってきた、可愛い。
「むぅー!ライラスだけずるいよ! 僕もシャルリアちゃんと遊びたい!」
フィオラが口を膨らませながら軽く拗ねている。
「お母さんの手伝いはもう終わったのか?」
「うん! 僕も二人と遊びたいからパパっと終わらせたよ! シャルリアちゃん僕も一緒に遊んでいい?」
フィオラが上目遣い+目をキラキラ輝かせている。
これを無意識でやっているからこそ想像を絶する可愛さがある。
「あ、あのえっとその……」
シャルもあわあわして照れている。
「シャルもフィオラと遊びたがっているらしいから三人で回ろうか」
「ありがとうシャルリアちゃん!!!」
フィオラがシャルの両手を握ってブンブン上下に振っている。
フィオラには同年代の年の近い女友達が居なかったからか相当シャルの事を気に入ってるみたいだ。
「あとシャルリアちゃんにお願いがあるの!」
「な、何ですか!? 私にできる事なら良いんですけど……」
「僕もシャルって呼んで良いかな?」
「そんな事で良ければぜ、ぜひ! 私もフィオラって呼んで良いですか?」
「うん! よろしくねシャル!」
「はい、ふぃ、フィオラちゃ……フィオラ!」
二人が仲良くなってくれて良かった、俺の友達同士が中悪いのは凄く決まずいし何より友達は多い方が良いからな。
「取り合えず三人でお店でも見て回るか!」
「お店! 行きたい!」
「よし! 乗り気ならすぐに行こう!」
「「おー!!!」」
「お、おー!」
俺とフィオラが右こぶしを突き上げるとシャルも少し気恥ずかしそうにしながら真似してくれた。
ーーーー
最初に見たのはやっぱり武器屋だ。
俺が好きって事もあるしシャルも冒険者なら少しは興味あるかと思っての事だ。
「お、またライラスの坊ちゃんじゃねーかまた見に来てくれたのか? 坊ちゃんも好きだねー」
「はい! 武器は男の憧れですから!」
この村には武器屋が一つだけあって前に父さんに何だか連れてきてもらってからフィオラが用事で遊びに来れない時なんかはよくこの店に来る。
「ライラス、これはどんな武器なの?」
フィオラが指さしたのは槍だ。
「突いたり振り回したりする武器でたぶんだけどお城守ってる人とかが使ってるイメージあるな」
「凄い重たそう……それに武器ってたくさんあるんだね。パパの使ってる弓とちっちゃい剣とライラスが使ってる木の剣しか見たことないや。 おじさん! 奥も見ていいですか?」
「もちろんだ! さぁ買わなくても良いからぜひぜひ見て行ってくれ!」
フィオラはめを輝かせながら店の奥に飾ってある武器を見に行った。
シャルは武器を色々吟味しては店主のおじさんと武器について議論している。
「見てよライラス! この武器とこっちの武器だとどっちが強いかな? あ、こっちも強そうだ!」
シャルが斧と槍がくっついたハルバードと前と後ろに刃物が付いた棍棒を指さしてテンションが上がっていた。
シャルは武器のカッコよさが分かる系女子らしい。
「俺はこっちの棍棒かな、取り回しがよさそうな気がする」
「そっか! そういう考えもできるのか! あとで師匠に聞いてみよう! あ、あれもカッコいい!」
シャルは大盛り上がりで聞いてきてフィオラも興味津々で色々聞いてくる。
俺は変わった武器を求めて色々見ていると店長のおじさんが近づいて来た。
「ライライ坊ちゃん、金髪の可愛い子は初めて見る子だがフィオラちゃんといいあの子といい将来は必ず美人になるぜ! 俺の感がそう言ってる!」
などと父さんみたいハッピーな考えを持っている。
2人が美人になるのは俺だって理解している。
「分かってますよ、何たって俺の友達ですから!」
「俺が若い頃なんて……」
あ、これ話長くなるやつだ。
俺はこっそり店の奥にある武器を見ているフィオラの元に行った。
最後まで読んでいただきありがとうございます!!!
次話の投稿、楽しみにしていて下さい!




