七十四話 3人組、家を建てま……
ライゼンさんが家に来ていきなり家を建てると言ってきた。
作るのはたぶん元子悪党三人組の家だろう。
ライゼンさんに言われるがまま、今は建設予定地まで移動している。
この村はかなり広く、商業区、中央区、居住区の三つに分かれている。
基本的には居住区に家が連なっているが居住区しか住んでない訳じゃない。
例えば俺の家、クリウス家がそうだ。
村と少しだけ離れた所に住んでいる。
今回は商業区付近にある空き地に家を建てることになった。
商業区に家を建てる理由は商業区で店の手伝いをするガリバーと商業区近くにある畑で働くポチャの二人が家と仕事場の距離が近いからだ。
「と、言う事で!三人には今からここに自分たちが住む家を建ててもらう!」
普通に考えて素人しかいないのに家なんて建てれるのだろうか……いや無理だろ。
それとも誰か建築に心得がある奴が居るのか?
「まず何からしたらいいでしょうか!」
勢いよく質問したのはフツーウだ。
やる気だけはあるみたいだがフツーウは作るより壊す方が得意そうだ。
聞いた感じ三人は作り方を知らないらしい。
まぁ、俺も知らない。てか普通知らない。
「まぁ、言いたいこともあるかも知らんが安心してくれ。ベテランを連れてきている!この人がこの村の唯一にして天才大工のガシェットさんだ!」
「ワシじゃ」
「うわっビックリした! いつから居たんすかこの爺さん」
おいおい、フツーウ、俺も似た様な事思ったが口に出すもんじゃないぞ
「そこ、失礼じゃぞ」
そうだそうだ! 思ってるだけならいいが口に出したら失礼になるんだぞ。
ガシェットさんは驚くほど小さい、五歳の俺とフィオラより少しだけ背が高い。
茶髪で無精髭があり、小柄に似合わない大きな金槌を肩に担いでいる。
この世界にはエルフが居るって事はもしかして。
期待に目を光らせて居るとガジェットさんと目が合った。
「小さくて悪かったな。ワシはドワーフじゃよ」
何で俺が小さいって思ってるのバレたんだ!?
いや、言われ慣れてるからだいたい分かるのか。
それよりやっぱりドワーフ!
鍛冶とか建築とかお酒とか得意な種族!!!
エルフとかドワーフとか居るって事は他にも俺が知ってる様な種族や知らない種族が多いはず、この世界最高じゃねーか!
しまった、話を戻そう。
「ガジェットさんが居るなら何で俺ら3人なんだ? 俺ら居たら邪魔になるんじゃねーか?」
「確かに私達は知識もないですしね」
「んだんだ、オイラ達が出来るのは荷物運びぐらいだ」
「そういう事じゃ、小僧達には荷物運び等を手伝って貰う」
「小僧って……俺ら一応大人何だけど」
「ワシから見ればそお主ら3人もそこの2人も同じく小僧じゃわい」
ガジェットさんから見たら俺とフィオラも3人組もみんな子供にしか見えないのか……ガジェットさんいったいいくつなんだ?
ドワーフやエルフ等の亜人族は人族より長寿なのはラウドから聞いたけど。
100歳、いや200歳ぐらいか?
「とりあえず、今から家を作る材料……木を取りに行くぞ」
「了解!」「分かりました」「わかったんだな」
各自が返事をしてガジェットさんについて行く。
まぁ、多少なりとは応援しといてやるか。
「じゃあフィオラ俺たちは戻ろうか」
「何言ってるの! 僕達も行くよ!」
どうしてこうなった。
ーーーー
銀狼の森 入口付近
「この辺はモンスターが出ないから安全に木を伐採できる、みんな頑張ろう!」
「「「おぉー!!!」」」
ライゼンさんの号令と共にみんなで拳を掲げて気合いを入れる。
「もう、ライラスも上げようよ! えいえい、おぉー!!!」
「おぉー」
俺が手伝うのはあくまでフィオラの為、あくまでフィオラ。
「そこの3人組とライゼンは木を伐採じゃ、そこの小僧4人組は伐採した木を運ぶのじゃ」
3人組はポチャ、ガリバー、フツーウの事、4人組は俺とフィオラ、ペンタ君とカルロス君の事だ。
道中で会ったのでフィオラが連れてきた。
ペンタ君とカルロス君はフィオライジメ騒動で仲直りしたらしい。
よく2人で遊んでるんだとか。
フィオラは意気揚々としている。
魔術を大量消費して疲れてるのにどこからこの元気は出てるんだか。
子供の体力と回復速度は凄いな……いやいや、俺もまだ子供だった。
そうしてガジェットさん、ライゼンさん、俺とフィオラ、ペンタ君とカルロス君と3人組の9人での建築作業が始まった。
木の伐採は順調に進んだ。
ここで活躍したのはライゼンさんとフツーウの2人だ。
お互い自慢の筋肉で木をどんどん伐採している。
ガリバーとポチャは直ぐにバテて俺らと一緒に荷物運びをしている。
伐採した木は大きいので持ってきた荷車をポチャが引いて俺らが後ろから押している。
ガリバーはまたもバテて銀狼の森入口の家と塔が併設されている休憩所兼見張り場所のベットで横たわっている。
ガリバーは頭は良いらしいが体力が壊滅的に無い。
そんな感じで夕方まで作業は続いた。
「今日はこの辺で終いじゃ」
お終いと聞いてみんなその場に座り込んだ。
各々、疲労が蓄積して居る。
「大丈夫かフィオラ、魔術でかなり疲れていただろ?」
「えへへ、ちょっと頑張り過ぎちゃった」
フィオラは今日1番頑張った、疲れたみんなに回復魔術を、かけたり。
荷物運びも途中で止めることも無かった。
ほんとに頑張り屋さんだ。
「今日はゆっくり風呂に使って早くに寝るんだよ」
「うん!分かった!」
みんなが地面に座って休憩していると俺の母さんが差し入れを持ってきてくれた。
「みんな疲れてるだろ、ほら冷たいジュース飲んで元気だしな!」
母さんの話を聞き終わる前にみんな飛びつくようにジュースを貰いに行った。
木のコップに入ったリンゴジュースを一気に飲み干した。
疲れた後の冷たいジュースは格別に美味い。
「「「ッ!!!」」」
俺を含めた男集は冷たいジュースを一気飲みして頭を抱えている。
フィオラはちびちびと飲みながらそれを見て満面の笑みで笑っている。
母さんも呆れながら笑っている。
みんなで同じ事をしてみんなで笑い合う、凄く幸せな時間だ。
こんなのがずっと続けば……これは言ったらフラグになるな。
今日はかなりの量の木を伐採して運べた。
これなら順調に進みそうだ。
最初から分かってたが今日中に家が完成しなかったから3人の寝る場所が無い、この数日間は少し離れた隣村まで行って宿を取っていたらしい。
だが今日に荷物を全部持ってきたらしい。
つまり寝る場所が無い。
何がつまりか分からないがつまり俺の家に泊まるらしい。
家が完成するまで家に滞在するとか何とか。
父さんと母さんの提案らしい。
どうしてこうなったんだ。
あの3人組とは色々あったが今は悪いやつじゃ無いと分かった。
分かったけど何か素直に好きになれない。
まぁ、少しの間で3人組と仲良くなろう。
最後まで見ていただきありがとうございます!
次話の投稿、楽しみにしていて下さい!!!




