七十二話 何故か好きになれない三人組
「うぅ、頭痛てぇーよ。エレカ、回復魔術掛けてくれー」
「もう、これで何回目よ」
父さんが昨日酒場で飲みすぎて現在は二日酔い真っ最中だ。
今は母さんに甘えてソファーで膝枕されながら回復魔術をかけて貰っている。
母さんも文句言ってる割に嬉しそうにしている。
朝っぱらから良くもまぁこんなにイチャイチャ出来るもんだな。
俺は朝のトレーニングを終わらせてフィオラが来るのを待っている所だ。
今日は俺も上級魔術を一つでもちゃんと使えるように訓練しよう。
フィオラは昨日の戦闘で上手く魔術が制御出来ていたから今日から色々な中級魔術を教えて、フィオラなら複合魔術何かも直ぐに習得できそうだな。
いっぱいしたい事があるから子供の内から楽しんでおかないとな。
そうだ、フィオラには英才教育として四則計算何かも教えておくのもアリだな。
覚えるのが早いのと頭が回るからなに教えても吸収してくれる、教える側としてはこの上ない嬉しさだ。
時計のしっかりとした読み方も教えてあげたいがこの村には時計が無いからな。
この世界に時計があるのは父さんから調査済みなんだけど、この村のんびりし過ぎてるから時計置いて無いんだよな。
なんて、フィオラ優等生計画を立てていると見知った顔達が村から続く長い一本道から歩いて来た。
ん? 見知った顔達?
おかしいな、いつもなら一人しか来ないのにどうしてお前らも来てるんだよ。
「ライラス坊ちゃま! おはようございます!」
「「おはようございます!」」
インテリ眼鏡、筋肉子悪党、偏見食いしん坊の三人トリオだ。
昨日、酒場で一応の仲直りはしたけど俺とフィオラのお楽しみの時間を邪魔する許可を出した覚えはない。
即急にご帰宅願いたい物だ。
「えへへ、ライラスの所に行くって言ったら一緒に行きたいって言うから連れて来たよ!」
「……ありがとうフィオラ、スゴクウレシイヨ」
「えっと、どうして棒読みなの?」
「イヤイヤ、何でもないよ。 っで、三人組はどうして俺の所に来たんだ? 果し合いにでも来たのか? なら俺も仕方ないが正当防衛だ。 おし! 今すぐやろう!」
「ちょ、待ってくださいよ! ライラス坊ちゃんとやっても勝てる気しないですし、そもそもそんな事しませんよ!」
「俺ならワンちゃん行けるぜ! 折角だ、手加減無しでやってやる!」
「止めとくんだな! オイラは絶対手助けしないんだな!」
筋肉子悪党事、フツーウが喧嘩を売って来たから買ってやろう。
「良いだろう、良いだろう、どっからでも掛かって来るが良い!」
ちょっと魔王みたいなセリフを吐きながら両手を広げていつでもいいぞと言わんばかりの対応を取る。
フツーウにはちょっとだけ痛い思いをしてもらおう。
「いいぜ! いいぜ! ライラス坊に俺の力を見せてやるぜ!」
前は俺の不意打ちと油断している時に魔術が入ったから勝てたけど警戒されてる時にやったらポチャとガリバーなら行けるけど結構ガタイ良いフツーウが来たらどうかは分からないな。
まぁ、昨日の戦闘の疲れが抜けきっていないけどたぶん勝てるだろ。
俺は短剣
「もう! 二人とも! 喧嘩はダメ!」
「フィオラ、これは喧嘩じゃなくて――」
「そうだぜフィオラ嬢、これは力比べって言って――」
俺とフツーウは喧嘩じゃないと必死に弁明しつつ攻撃の準備に入ろうとする。
今回は武器は使わない、ただの模擬試合みたいなもんだ。
俺は杖と短剣を足元に置いて、フツーウはその場で軽やかにステップを踏んだ。
フツーウが戦っている所は見た事無いけど格闘術を使うらしい。
「もうー‼ 二人とも‼」
「「ご、ごめんなさい!」」
初めてフィオラの怖い顔を見たかもしれない。
俺とフツーウの二人してフィオラに謝った。
何で俺がフツーウと一緒に怒られないといけないんだ。
フィオラのお願いもあるから、三人の罪は水に流そう、だが仲良くなれるかは別問題だ。
「ちぇー、折角あんときの仕返しできると思ったのになぁー」
「あの時は私達に非があったと納得したじゃないですか」
「そうだよそうだよ、オイラは根に持ってないだ」
「もういいや、っで結局なんで三人は俺に会いに来たんだ?」
俺に不意打ちで吹っ飛ばされた事を根に持っているフツーウは置いといて話を先に進める。
三人が顔を合わせて笑顔になる。
普通に見れば満点の笑顔なんだけど俺からしたら不敵な笑顔に見える。
嫌な予感しかしない。
「俺達この村で住む事にしたんだ‼」
「……まじかよ」
「マジだよ……」
うん、コイツ等嫌いじゃないけど……何て言うか……やっぱ嫌いだ。
読んで頂きありがとうございます!!!
モブキャラに愛着沸いてメインキャラになっちゃった。
名前安直だけどまぁ、良いか。
次話の投稿、楽しみにしていてください!!!




