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新たな世界で最高の人生記録!  作者: 勇敢なるスライム
第1章 幼少期
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七十一話 誘拐事件解決! みんなで騒ぎまくろう!

 あれ、ここ何処だ。

 俺、何してたんだっけ。


 少年は暗闇の中、当たりを見回す。 もちろん何も見えない。

 ならばと記憶を思い返す。


 思い出せない、何してたんだっけ。

 怖い! 怖い! 怖い!


 少年は理性を保つために暗くて怖い暗闇の中を歩き出す。

 何処まで行っても何もない。

 暗い暗い闇の中を途方もなく歩き続ける。


 なんだ⁉

 途端に右手で頭を左手で腹を強く抑え込む。

 ズキズキと頭が痛く、腹がよじれる様な痛みが走る。


 痛い! 痛い! 痛い!


 なんでこんなに痛いんだ。

 なんで俺なんだよ。

 俺じゃなくても良いじゃないか。

 俺、()()死ぬのか。


 また? あれ、俺って一回死んでるのか?

 そんな事はどうでもいい、痛い、体の色々な所が痛くなってきた。

 あまりの痛さにその場で倒れこむ。


 誰か……助けてくれ。


 突如、暗闇の中に一条の小さな光が視界に入る。

 その光はだんだんと大きくそして暖かくなっていく。

 いつしかその光は少年の体を包み込む様に広がった。

 暖かい、とても優しい暖かさだ。


 痛みはいつの間にか無くなっていた。

 光の中から突如天使が現れた。


 はっきりと顔は見えないが白い綺麗な翼をはためかせる。

 その天使は優しく微笑みかけて左手で俺の右手を優しく握ってくれた。


 俺は死ぬのか? 違う、俺を迎えに来た天使じゃない。

 俺を助けてくれる天使だ。

 何故かは分からない、分からないがこの天使は無条件で信用できる。

 俺は天使の手を優しくギュッと握りしめた。


 すると当たりの暗闇が一瞬の内に全て光で包まれた。

 突如、睡魔が襲って来る。

 意識がだんだん離れていく……もう大丈夫、怖くない。


 ーーーー


 ライラスは目が覚めると天井を見て一安心する。

 ちゃんと自分の部屋だ、特徴的な天井のシミがあるから直ぐに分かる。

 犬にも猫にも見える耳と口の形のあるシミだ。

 黒っぽくてちょっとペコに似ている。


 寝たままの体勢で首を傾け窓の方を見る。

 薄いカーテン越しに太陽の光が部屋に差し込む。

 今は朝だろうか。


 ライラスは記憶を思い返す。

 父さんが風邪引いて、隣町に薬のお使いに行って、フィオラらしき子供が誘拐されたって聞いて、レイブンと会って、アジトを見つけて、大柄な男と戦って、レイブンが来てくれて……あれ? その後の記憶が無いや。

 でも家に居るんだし、あの後はレイブンが何とかしてくれたんだろう。

 レイブンには色々と感謝しないとな。


 ふと、お腹と右手に何かを感じる。

 首を下の方に向けるとお腹の上にはペコが眠っていて、右手にはフィオラの左手が重なっている。

 フィオラは俺のベッドに自分の右手を枕代わりにして眠っていた。


「ありがとな、フィオラ」

 俺は左手で眠っているフィオラの頭を撫でる。


「んんームニャムニャ……あ、ライラス! おはよう!」

「あぁ、おはよう。 ありがとな」

 と言いながら自分の右手に重なっているフィオラの手を持ち上げる。


「うん‼」

 にっこりと無邪気に笑いかけてくる。

 何、この可愛い生き物。


「ペコもありがとなー」

 ペコの頭をワシャワシャ撫でるとペコも起きたみたいだ。

 起きてもなお撫で続けると手を甘噛みされてしまった。

 ちょっと痛かった。


 ペコってよく見たら猫にも犬にも見えるな。

 あれ? コイツ普段何喰ってるんだろ、今度フィオラに聞いてみるか。


「フィオラはいつからここに居るんだ?」

「えーっと、昨日ライラスがベットに入ってからずっとかな」


 つまり半日以上ここに居るのか⁉

 フィオラの親御さんは……俺とフィオラは家族ぐるみで仲いいから連絡ぐらいはしてるか。

 どうしよう、一夜を共にしてしまった。

 まぁ、子供同士だし問題ないか。


「とりあえず、下に降りようか」

 俺とフィオラは手を繋いだまま階段を下りて一階に向かった。

 父さんに絶対弄られるけどまぁ、大丈夫だろう。

 そう言えば父さんの風邪薬持ってくるの忘れてたな。

 まぁ、仕方ないだろう。



「お、ライラス! 起きたか。 なんだ二人とも俺と母さん見たいに仲良さそうじゃないか」

「あら、おはようライラス。 フィオラちゃん昨日からずっと面倒見てくれてたのよ、ちゃんとありがとうって言ったの?」


「はい、母さん。 父さんは余計な事言わないでください」

 二人ともいつも通りだな。

 やっぱり平和が一番だな。


「話は大体レイブンさんとフィオラから聞いたよ。頑張ったな、それと助けに行けなくてすまなかった!」

「もうラウドったら、ライラスとフィオラちゃんが五体満足に帰って来たんだからくよくよしない! とりあえず朝ご飯食べましょ! 話はその時に、フィオラちゃんの分もあるからね! 二人とも顔洗ってきなさい」


「「分かりました」」



 四人で食卓を囲みながら何があったかなど色々な事を話した。


 まずはレイブンの事から。

 レイブンは俺を家に運んでから直ぐに村を出たそうだ。

 お礼言いたかったのに、まぁアイツの性格上またどこかで会えるだろう。


 次に誘拐犯の話、俺と戦った大柄な男は誘拐の主犯格でレイブンが俺を運ぶ道中で町の騎士達に連行、牢屋にぶち込んだらしい。


 そして実行犯の三人組だが……

 朝飯を食べた後父さんに言われてフィオラと二人で村の酒場に足を運んだ。

 一つのテーブルに近ずくと四人の男が座っていた。

 一人は知っている顔がいた。

 ライゼンさん、フィオラのお父さんだ。

 そして知らない三人組が立ち上がって俺の方を見た。


「ライラス坊ちゃま‼ いや元気になって良かった! 良かった!」

 子悪党見たいな少し筋肉質の体格の男がそう言った。


「ホントに脅されていたとはいえ済まなかった!」

 ヒョロガリな男がそう言った。


「オイラ達、改心してこの村に住むことになったンダ!」

 かなり太っていた男がそう言った。


 え? コイツ等誰だよ、いきなり新キャラ連れてくるなよ。

 いや、待てよコイツ等どこかで……


 思い出す前に理解した父さんが説明してくれる。

「昔に母さんをナンパしていた連中でしかも今回フィオラちゃんを誘拐した三人組だ。 名前は――」


「私はガリバー!」

 眼鏡を掛けているちょっと博識そうな男。

 おけ、ガリガリのガリバーね、覚えた。


「俺はノマール!」

 子悪党みたいで少し筋肉質な男。

 一番普通のノマールね、覚えた。


「オイラはポチャ!」

 お腹が出っ張っている食いしん坊そうな男。

 おけ、太ってるポチャね、覚えた。


 全員安直な名前だな。

 名付け親の顔が見てみたいわ。


「てか、何普通に自己紹介してんの? 消される覚悟があって俺の前に立ってるんだよな?」

 俺の家族の母さんと親友のフィオラに危害を加えたんだ、楽には殺させない。

 右手に魔力を込める、どの魔術で吹き飛ばそうか。


「待て待て、ライラス。 母さんとフィオラはもう許してる。俺たちが出る幕じゃ無い」

「正気ですか父さん! フィオラと母さんが許しても俺が許しません即刻打ち首です!」

「「「ひぃっ‼」」」


 魔術を放とうとすると横から抱き着くように止めて来た人が居る。

「待って!ライラス!」

 フィオラだ。誤射してフィオラに当たらないようにするため魔力を込めるのを止める。


「この人達は僕と同じで虐められてたんだ! だからお願い話を聞いてあげて!」

 虐められてた? 誰に? だから何?


 本当かどうか三人組に睨みつけると三人そろって首を縦に振った。

 疑っている訳では無いがフィオラが言っている事はどうやら本当らしい。


 俺は怒りを抑えて三人が立ち上がって開いた席にドスンと座り込んだ。

「はい、弁明を続けてどうぞ」


「「「分かりましたぁ!」」」


 三人とフィオラから話を聞く限りこうだ。

 母さんをナンパしていたのは本人曰くナンパでは無く道を聞こうとしただけらしい。

 でも緊張して普通に聞けなくてつい腕を掴んとだ所を俺に見られたらしい。

 あれに関しては手加減しなかった俺にも過失はあると分かっている。

 それに含めて勘違いだった、まぁ腕を掴んで母さんが嫌がってたら強姦されそうになってると勘違いされてもおかしくないから悪いとは思わない。


 次にフィオラ誘拐の件だ。

 これに関しては勘違いで済ます気なら人間には使ったらオーバーキル間違いなしの複合魔術を食らわしてやる。

 例をだすならトロールの時に使った中級の土壁(ソイルウォール)と中級の火炎(ハイファイア)と初級の(ウィンド)を使った逆気流(バックドラフト)をお見舞いしてやる。


 因みに説明を受けた後に俺なりにまとめると


 道案内を聞こうとするも誰にもまともに聞けずに隣町に流れ着く。

 そこを大柄な男に脅されてパシリされる、歯向かったらボコボコにされるので仕方なく言う事を聞く。

 命令はエスカレートしていき誘拐、最初のターゲットがたまたま俺から隠れる為に路地裏近くに隠れていたフィオラ、麻袋を被せようとするも暴れられて目撃者多数。


 俺とレイブンが分かれた時はノマール、ガリバー、ポチャの三人が買い出しの振りして騎士達に誘拐の事実を密告しようとする、道中でレイブンと合流、アジトに仲間がもう一人いると分かりレイブンがアジトに戻る、ジャストタイミングで俺を救出。


 フィオラはアジトに付いて直ぐに殴られそうになったところを三人が代わりに受けて庇ったそうだ。

 その後フィオラは三人が虐められてる所を目撃、昔の自分を重ねて庇っている。


 まぁ、こんな所だ。


「話は分かった、それでフィオラは許すって言ってるけどライゼンさんはどうなんですか? 一応悪意は無くっても自分の愛娘を誘拐した犯人ですよ!」


「あぁ、勿論まだ許してはいないよ、フィオラが許そうとも俺は簡単には許せない。 だから昨日本気で殴ったよ、フィオラのお願いが無かったらライラス君と同じで僕が人殺しになってたかもしれないね! まぁ、後は三人の誠意に任せるよ」


 え、俺も似た様な事言ってたけどライゼンさん笑いながら言ってるよ、しかも目が笑ってないタイプの笑顔だ。 三人とも血の気が引いて顔色が凄く悪くなってるし。


「お父さんそれにライラス! 三人にこれ以上何かしたら嫌いになるよ!」

「「それは絶対ダメだ‼」」


 フィオラに嫌われるのは回避しなければ!

 仕方ないから三人組には()()何もしないでおこう


 話を一度区切ると父さんが大声を上げた。

「さぁ、お互い色々思う事はあるが今からそれを解消していこう! マスター今日は店に居る全員、俺のおごりだ! 皆、好きなだけ昼間から食って飲んでくれ!」


「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」


 この後帰ったら母さんに怒られるラウドの姿が目に浮かぶ。

 でも、これでこそ父さんだな。


 俺はフィオラと顔を合わせて二人でにっこりと笑った。

 さぁ! 今日はいっぱい食うぞ!!!





読んで頂きありがとうございます!!!


クロット村はいつも賑やか!

でもみんな怒ると怖い!


次話の投稿、楽しみにしていてください!

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