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新たな世界で最高の人生記録!  作者: 勇敢なるスライム
第1章 幼少期
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六十一話 フィオラが来るまでの間

 フィオラと会ってからかなり早めに起きるようになった。


 こっちの世界では時間に追われている感覚が無く気楽に生きている。

 それは子供の頃から自分のしたい事をしているからかもしれない。


 朝起きて、二度寝したい欲求を抑えてベットを出る。

 ベットを綺麗にしてから木剣を片手に一回に降りる。

 庭の井戸から水を汲み、顔を洗う。


 そして準備運動を軽くしてから基礎トレーニング始める。

 まずはランニングからだ。


 その場で駆け足してから走り始める。

 コースはその日の気分で変えていく。

 どのコースを走るかを考えつつ村に続く一本道を走っていく。

 正面に見える水平線まで広がる海に朝日が当たりキラキラと輝いていた。


 中央区の噴水が見えてきた。

 この噴水には女神を模した像があり、それなりに有名な彫刻師が彫ったらしい。

 名前は確か……うん、忘れた。


 早朝の村は昼の活気のあるイメージと違い、静かで通行人が少ない。

 少ないと言ってもこの村自体がかなり広い上に人口も多い為、店を営んでいる人は結構起きている。


「おぉ、ライラス坊! 今日もランニングか、偉いな!」

「おはようございます! 日課で走ってるだけですよ!」

「また今度、水やり頼んでいいか?」

「わかりましたー! 任せてください!」


 俺の父さんと母さんの二人が有名人だからか、会う人の大半が声を掛けてくれる。

 今挨拶したガタイに良い兄ちゃんは畑仕事をしていてよく畑の水やりを手伝っている。


 ガタイの良い兄ちゃんと別れてから気持ちの良い風が体を撫でる。


 今日は潮風に当たりたい気分なので商業区の方に行ってみよう。

 商業区はこの村の南に位置していて商業区を通り過ぎると視界一面に海が見える。


 商業区は朝早くでも活気に満ち溢れている。

 大声で果物を売っているおばちゃんに数人のムキムキの漁師たちが漁に使う縄やモリなんかを運んでいたり

 俺と同じでランニングをしている人もいた。


「お、ライラス君じゃないかい! ほれっ採れたてのリンゴだよ!」

 山なりに跳んできたリンゴを両手で受け止めて一口かじる。

「ありがとうございます! 今日も甘くておいしいです!」


「やっぱりライラス君とフィオラちゃんは食べてる姿が可愛いねぇ! また今度荷物運ぶの手伝っておくれ!」

「はい、お任せください!」

 腕を折り曲げて力こぶを作って答える。

 今の気前の良いおばちゃんは果物を売っていて俺が良く果物何課を運ぶのを手伝っている。

 フィオラが良くリンゴを貰っているのでそれのお礼も兼ねて手伝っていたら会うたびに果物をくれる。


 貰ったリンゴをかじりながら商業区を駆け抜けていく。

 この世界には俺の知っている果物や野菜もあれば聞いた事の無い薬草なんかも合って結構面白い。

 同じリンゴでもこの世界のリンゴはより甘くて果汁が多くて俺の知ってるリンゴより一回り小さくて赤い。


 それに、木からとれる量も多く、一つ辺りの値段が安い。

 日持ちも良く、色々な所で育つ上に、水分補給の代わりになったりと長い間ダンジョンやら迷宮に長期間滞在する冒険者や警備や遠征に駆り出される騎士達に重宝されていると父さんが教えてくれた。


 因みにリンゴにそっくりなモンスターもいるらしい。

 一説にはリンゴに魔力が宿って現れるとか本に書いてあった。


 乾いていた喉をリンゴが癒してくれてあっと言う間に浜辺に付いた。

 浜辺では幾つかの船が止まっていて海に出る準備をしていた。


 浜辺は少し前にネイルウルフが出てきた時にここまで追いかけて父さんの火の上級魔術え倒して一件落着となった。


 浜辺を歩いているとジタバタと動かしていた緑の生き物がいた。

「どこの世界でも亀って不遇なんだな」


 砂浜の上で亀がひっくり返っていた。

 亀を持ち上げてから海の方に運ぶ。


「竜宮城には連れて行かなくていいからなー! 俺年取りたくないし」

 そう言うと亀に「コイツマジで言ってる?」見たいな顔された。


 いや、ほんとにあるのか!?

 まぁ、行きたくないけど。


 大きく深呼吸をしてから海に背中を向ける。

 そろそろ父さんが起きる時間だから帰って稽古を付けて貰おう。


 最近剣術の方が上達してきている。

 元々、剣を振るのは日本に居た時に小中高と長年続けていたから基礎中の基礎は出来ている分早くに型を覚えていける、しかし剣道で慣れている分別の流派の動きや構えに慣れるのが大変だ。


 最近になって父さんに出された課題の技、力神流の抜刀斬りと二連斬り、技神流の抜刀騙し斬りが綺麗に使えるようになった。


 その階級の技を二つ使えるとその階級を名乗る資格が貰えるらしい。

 俺もこれで立派な力神流の初級を名乗れる。

 あとは技神流の初級技を一つ習って両方ちゃんと名乗れるようになってやる。



 ーーーー


 駆け足で家に帰ると庭で父さんが素振りをしていた。

「おはようございます、父さん」

「おはようライラス。今日も早いな、俺がお前の年の頃はあと三時間ぐらいは寝てたぞ」

「僕の場合は寝すぎると疲れるのでこの時間がちょうどいいんですよ」


 軽く会話を済ませてから家に立て掛けて置いていた木剣を片手で持つ。

 着ていたシャツをぬいで上半身裸になって剣を振るう。

 これは習慣とかやりやすいからではなく父さんの癖を真似していたら俺もこれが普通のスタイルになっていた。


 父さんの横に並んで木剣を振るう事実に百回、その百回に全ての力を込める。

 百回振った後には体から汗がポタポタと滴っていた。

 顔の汗を拭ってから、決まった型の通りに行動する。


 最近教えて貰った練習の一つだ。

 縦、切上げ、斜め、横、と言った風にその流派にある最適の動きと同じ行動をとって最適の動きを体で覚える。


「今日、ライラスには新しい課題を教える。 二連斬りと抜刀斬りを使えるようになって晴れて堂々と力神流の初級剣士になった訳だがあと技神流の技を一つ覚えると、力技共に初級剣士としてみなされる。ここまで言えば次はどの流派の技を課題に出されるか分かるな?」


「技神流の初級技ですね!」

「その通りだ、今から教える剣術の技は 技神流 才人の型 【突貫斬り(とっかんぎり)】だ」


「どんな技なんですか?」

「突貫斬りは上段構えからしか使えない技で上段構えから一気に敵の懐に飛び込み刺突、その後に上か下に斬る技だ。まぁ初級だからそこまで難しくない」


 上段構えは三つある構え(上中下)の中で唯一敵に剣先を向ける構えだ。

 刺突に長けている分そういう技があるとは思っていた。


 おさらいも兼ねて構えの最確認を心の中でする。


 ・上段構え

 自分の利き手側の頭の横で構え、剣先は敵側に向ける。

 利き手は根本を持ち、柄を上から掴むと切り下げ、下から掴むと切り上げになる。

 利き手の逆の手は常に下から掴む。

 刺突及び切り下げに向いている。


 ・中段構え

 自分の正面に武器を構えて剣先は斜め上に向ける。

 全ての攻撃に入りやすく、上段と下段構えに移行ができ攻撃を読まれにくい分ワンテンポ遅れる。

 突撃と刺突はノーモーションで打てる。


 ・下段構え

 利き足側に剣を後ろ向きに持って構える。

 剣先は斜め下に向ける。

 切り上げと横薙ぎが得意。


 これが大雑把な構えの説明。

 勿論これが全部では無いが基本となる構えだ。



 今回、俺が習得する【突貫斬り】は上段で構え刺突、その後利き手が柄を上向きに掴むと切り下げ、下から掴むと切り上げに移行できる技らしい。


「ライラス。剣術の技、今回で言えば突貫斬りと普通に差して斬るのと何が違うか分かるか?」

「え? 一緒じゃないんですか?」

 行動自体に名前が付いているだけだと思ってた。


「普通に差して斬るならだれでも出来るだろ? それだとツーテンポいる。 一.刺す 二.斬るこれが型無しの技だ。 型ありの技だとワンテンポだけで終わらせる。 一.刺して斬る。これの微妙な違いが分かるか?」


「速度の問題ですか?」

「近いな、でも違う。刺して斬る、と言うよりは刺した時に斬り終わってるぐらいのイメージだ」

「つまり刺した流れと勢いに任せて斬るって事ですか?」

「まぁ、かなり近づいたな。今はそれでいいだろ」


「技は種類によって使いどころが分かれるから色々な技を覚えておくと良いぞ。例えばライラスが使える初級技の二連斬りはどんな時に使える?」


 二連斬りは単純に二回斬るだけだから……

「戦闘では豊富に使えます。対人戦でもモンスターにでも」

「正解だ。なら抜刀騙し斬りならどうだ? これはあえて引いてからワンテンポ落として攻撃する。そこで騙す意味とはなんだ?」


「騙すという事はやっぱり対人戦でしょうか?」

「そうだ、モンスターは高ランクの奴ら以外はほとんど知能が無いから騙す必要が無い。その代わり、抜刀騙し斬りは格上にはほとんど通用しない。ここでまたライラスに問題だ。格上にはほとんど通用しない技が何故存在するのか、格下と対峙するなら普通に抜刀斬りで良いだろ?」


 そこは教えて貰った時から疑問だった。

 力と速度が大事な力神流の抜刀斬りは無駄が無い、早い方が強いからだ。


 でも技神流の抜刀騙し斬りは正直無駄が多いと思う。

 この技が浸透する理由も格上に使うタイミングも分からない。


「すみません。さっぱりです」

「まぁ、ホイホイ分かる方が凄いからな。格上に使う時は条件が重ならないと使えない。

一つ.相手がこちらの実力を認めた時

二つ.敵の攻撃のギリギリに合わせる事

三つ.相手に抜刀斬りを使うと本気で信じ込ませた時。

この三つが必ず必要だ。相手は強いと思うと警戒する。

警戒した敵に抜刀斬りの構えをすると相手は必ず騙し斬りより抜刀斬りの対策を優先する。騙し斬りだと思っていては普通に抜刀斬りで斬られてしまうからだ。ギリギリに合わせないと相手にバレてしまうし相手が抜刀斬りを使わないとバレるとアウトだ」


「すみません頭が痛くなってきました。とりあえず相手を騙せばいいんですよね?」

「あぁ、軽く言うと警戒させて間合いギリギリで斬るふりして、避けて反対の手使って斬ればいい。以上、簡単だろ?」


「二連斬りと抜刀騙し斬りの使い道は分かりました。それだと突貫斬りはどんな時に使うんですか?」

「使うのは主にモンスターに大してだな。外装が固くて肉が柔らかいモンスターに使う。皮が分厚かったり硬い奴は大半が肉質は柔らかい。硬いから斬れない、斬れないなら突き刺せばいい。斬るより突く方が力が入る分楽に剣が入る。貫ぬいた後に中から斬れば致命傷を与えれる」


「そういう感じで使い分けるんですね、初級でこれだけ覚える事が多いって事は中級はもっと大変なんですか?」


「まぁな、でも結局は慣れだぞ。使わない技も沢山あるから自分が実戦で気に入った奴だけ覚えておけばいい。その分力神流の超級技 【紫電一閃】は便利だぞ。硬さとか全部無視できるからな」

「硬さ無視? それってありなんですか?」


「あぁ、ありありだ。その代わり条件がマジで厳しい。精神力と集中力がすごい削がれるから俺だと一日時間空けても多くて二回、それに使うのに時間かかるからな」

「父さんでどのくらい時間かかるんですか?」

「俺は何もしない状態で目を閉じて五秒ぐらいだ。短く聞こえるが敵の目の前で五秒何もしないと普通に死ぬ。ちなみに俺の師匠だと一呼吸で使えてたな」


 上には上が居るのは知っていたけどラウド以上に強い奴が居るのは想像が付かない。

 そういうのに会ったら急いで逃げよう。


 つぇーやつ見てもオラ全然ワクワクしてこねぇーぞ、なぁベ〇ータ。

 俺の心の中のベ〇ータは「ふん」しか言ってくれないから分かんないや。


 そんな感じで、新しい技【突貫斬り】の練習をしていると一人の少女が笑顔で手を振りながらやってきた。


「おはよう、ライラス。今日も頑張ってるね」

「おはよう、フィオラ。もう少しで終わるからつまらないかも知れないけどちょっとだけ待っててくれないか?」


「僕、ライラスがそれしてるの見るの結構好きだよ」

「ありがと、フィオラ」


 フィオラは剣術を見るのが好きなのか。

 それなら今度教えてあげようかな。


「そんなに好きなら今度俺が剣術を――」

「――ライラス、それ以上は言わない方が良いぞ」

 いきなり父さんに口を塞がれた。

 理由が分からないがそこまで言うなら言わないでおこう。


読んで頂きありがとうございます!


次話の投稿、楽しみにしていてください!!!

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