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新たな世界で最高の人生記録!  作者: 勇敢なるスライム
第1章 幼少期
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五十話 いつもの日常+一匹

 いつも通りに起き、いつも通りにランニング。

 いつも通りにフィオラが来るまで剣術の特訓。


 そう、ここまではいつも通りだった。


「フィオラ、今抱いてる()()なんだ?」

「えぇー! もう忘れたのライラスー! 昨日見つけた子だよ?」


 そう、昨日見つけて傷を治してあげて、何故かフィオラにだけ懐いた黒い色の子犬だ。

「いやいや、流石に覚えてるよ! 俺どれだけ忘れっぽいと思われてるんだ!」

「んー? じゃあどうゆう事?」


「なんで森に帰したのに今フィオラが抱いてるんだ⁉ 一応それモンスターだぞ⁉」

「あぁー! この子ね、昨日お家にいる時に扉から何か聞こえてきたんだ、結局何も無かったから扉を閉めたんだけどね、扉を閉めた後に家の中を見るとね!」


「見ると?」

「この子が居たの!」

「……」


 えーっと、はい。

 性別詐称に住居不法侵入。

 このモンスターは罪が重いな。


「それでね! それでね!」

 それで⁉ まだ何か有るのかよ⁉


「この子を家で飼う事にしたんだ!」

 俺の友達が唐突に家でモンスターを買うと言い出した。


 《クエスト発生! フィオラにペットを飼わせるな!》

 難易度不明


 モンスターを買うなんて危険すぎる。

 もちろん今すぐ「捨ててきなさい」と言いたい、言いたいが真っ向から否定するのは良くないのは十二分に理解している。

 必ずダメな方向に持っていかないと……。

 そこで必死に考えてようやく一つの諦めさせる理由を見つけた。


「お、お父さんからの許可は出たのか?」

 そう、ペットを飼おうとすると必ず両親がダメと言うのは有名だ、それにただのペットじゃなくモンスター。

 今は大丈夫かも知れないが将来人を襲う危険な生き物だ。

 元冒険者のフィオラパパのライゼンさんが許可を出すわけがない。


「パパは危険だから止めとこうって言ったんだけどね」

 ナイス! ナイスだライゼンさん! このまま飼わない方向にもって行こう!

 ん? 言ったん()()()


「お母さんにも聞い見ようって話しになってね!」

「お、おう」

 もちろんお母さんもだめって言うに違いな――


「お母さんが、『あらやだ可愛いじゃない! この子家で飼いましょうよ!』って言いだしてね」

 何許可出してるんだよぉぉぉぉフィオラのおかあさぁぁぁぁ――――――ん!

 いやまて、取り乱すのはまだ早いモンスターの危険さを理解しているフィオラのお父さんならきっと――

「それでね! 『お父さんも良いわよね!』ってお母さんが聞いたらね! 『当り前じゃないか! もうその子は家の家族さ!』って言ってくれたんだ!」


 ライゼンさぁぁぁぁぁ――――――ん‼

 この話を聞いてフィオラの家庭事情が少し分かったぞ。

 フィオラのお父さんはお母さんに対して非常に甘い。


 いや、まぁフィオラのお父さんが居れば万が一に危険な事があっても大丈夫なような気もしてきた。

 もしかして俺が危険視しすぎてるだけなのかもしれない。

 それにフィオラが喜ぶ顔を見てたら捨てろなんて口が裂けても言えない。


 ライラスはフィオラに甘かった。

 《クエスト失敗! ライラスは軽く現実逃避した》



 まぁ、いいか。

 ライゼンさんはかなり腕が立つらしいし、フィオラ家は歓迎ムードだし。


 今の会話中もフィオラに抱き寄せられて居る子犬はジタバタと暴れている。

 あれ? コイツよく見ると可愛いな。


 ふわふわの毛並みにモフモフの尻尾、キラキラした目に鋭利と呼ぶには相応しくない犬歯。

 小柄な体系に走り回っている所を見ると活発な性格。

 おでこにはハートっぽいマークまである。

 言うなればポ〇モンのロ〇ンとワ〇パチを足して二で割って黒くしたような見た目だ。


 今はフィオラから離れて貰ってフィオラの周りを走り回っている。

 フィオラがしゃがみ込んで「おいで~」と手を出して言うとフィオラの所に戻ってくる。


 不法侵入したときとフィオラの家が分かった事、人の言葉をそれなりに理解している所を見るとかなり賢い。


「やっぱり何か怪しいんだよなぁー」

 それを聞いたからか俺の方を見て来て「グルルルゥー」と威嚇してくる。


 軽く子犬を持ち上げて見る。

「なぁ、フィオラ。なんでコイツは俺が触るとこんなに暴れるんだ?」

「ぼ、僕に聞かれても分からないよぉー 僕が手を出すと自分から近寄ってくるしちゃんと言う事も聞いてくれるんだよ?」


 暴れている子犬に言い聞かせるように目を見て話しかける。

「おい、フィオラになんかしたらただじゃおかないからな、肝に銘じておくんだぞ!」

 そう言いながら軽く魔術を見せる。

 ん? 今顔が引きつったように見えたけど、流石に気のせいか。


「ふふっ、ライラスが話しかけてる」

「おいなんで笑うんだよ」

「いや何かおかしくってさ、ふふっ」


 フィオラに笑われた、それもこれもこの犬っころのせいだな。

 俺が手を離すとそそくさとフィオラの後ろに逃げ込んだ。


 こいつ妙に人間味があるというか何というか。

 これからも監視が必要だな。


「それでコイツの名前はもう決まったのか?」

「それがまだなんだ、ライラスと一緒に決めようと思って連れてきたんだ!」

 ズキュンと胸に矢が刺さったと思うくらいに可愛い事行って来る。

 これは天性の天使っぷりだな。


「なら決めるか! 何か考えてきてるか?」

「えーっとクロとかどうかな?」

 クロと聞いて子犬が『もう少しいい名前にしろ』と言いたげな顔で首を横に振るった。


 コイツ、名前決めに文句付ける気か。

「無難にポチでどうだ!」

「いいね! ポチ! 可愛い!」

 フィオラからは好評だったが一応犬っころの方を見る。


 口を半開きにして『舐めてんのか? あ?』って言いたそうな顔をしている。

 このくそ犬が! とは口に出さず俺も顔を引きつらせながらも我慢する。


「なら、ペロはどう? 良く舐めてくるからペロ!」

 お前俺の友達に何してんだ あ? と言いたそうな顔をして犬っころの方を見る。

 今度は犬っころが目を反らす。


「他のを考えよう!」


 それから夕方になるまで名前を出し合っていった。

 途中めんどくさくなってきて、〇ッキー、コ〇助、ド〇えもん、なども出したが全却下だった。


 フィオラがそれは何か違うと言って却下、犬っころが不機嫌そうな顔をして却下、俺が何を言っても犬っころが喧嘩越しのような顔をして却下。


「ようやく決まったな……すげぇー長かった」

「良い名前が見つかって良かったね!」


「お前の名前今日からペコだ!」

「えへへ、よろしくねペコ!」


 フィオラは名前が決まって喜んでいて、俺はとりあえず名前が決まったから喜んでいて、肝心のペコは途中で退屈に成って今はフィオラの膝で寝ている。


 因みに決まった理由はフィオラが言うには昨日だけで大量にごはんを食べてもお腹減っていたらしいからペコに決まった。


 お腹ペコペコのペコ……ちょっと笑えるが良い名前だとは思う。

 本人は寝ているから無理やり決定だ。


 でもペコって見た目じゃないんだよなぁ。

 どっちかと言えばケルベロスとかの方がしっくり来そうだ。

 でも一回ケルベロス提案したらペコがすごく嫌がったから本能的に同種と理解したんだろうか。


 二人でペコに向かって名前を呼んでいるとめんどくさそうに起き上がってフィオラに甘え始めた。


 結局俺ほとんどペコ触ってないんだけどなぁ……。

 もう少し仲良くしてから触るか。


 とりあえずいつもの二人の日常に一匹の黒い子犬(ペコ)が入った、今度からはペコも一緒に遊ぶか。

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