四十八話 多数の戦闘 みんなとの別れ……
今回は三話分を一話で投稿してるので凄く長いです!
長くて大変かもしれませんがそれでも読んで頂けるなら続きをどうぞ!!!
ハンソンが犠牲……じゃなくて、変わりに戦ってくれたおかげで四階の玉座に迎える。
四階の玉座には貴族と王族が王国騎士達に守られている。
普通に暗殺者達が入るとすぐに制圧されるがこの国随一の有力貴族の当主が来たら誰も疑いはしない。
ここにきてエルトリスは少し焦る。
ダウアスが私たちを今回の犯人とか適当な嘘ついたらみんな信じるんじゃないかな。
これ完全にしてやられたかもしれない。
一応この国の王様とは仲良いしそれなりに話し合いは出来るからその線は無しか。
下手に王様を人質にされたら面倒だし出来る限り急いでダウアスを捕まえよう。
階段を駆け上がり玉座に繋がっている扉を軽く押して隙間から様子を覗く。
玉座の間では悪い予想の方が当たってしまった。
ダウアスが王様の首にナイフを当てていた。
「貴様ら!私の言う事が聞けないならコイツの命が無いと思え!」
怒鳴り散らすダウアスに王様と周りにいる貴族達も呆気に取られていた。
呆気に取られるのは当たり前、国と王に忠誠を誓う貴族のトップのカイロウ家当主が王様の首にナイフを突き立てているという事に理解が追い付いていない。
私も理由が分からない。
でもここまでやらかしたならもう理由はどうでもいい。
今は理由や事情を考えずにダウアスを捕らえるだけ。
「王よ! なぜ代々忠義を誓ってきたカイロウ家の私の弟を殺した真犯人を捕まえないのですか!」
真犯人? 確か私が起きてから魔王軍の一人が殺したって事情を聞きに来た騎士に説明はしたはず。
「ダウアスよ、確かに伝えたではないか。貴様の弟のオスカーが魔王軍の一人と結託し、この国でクーデターを起こそうとしたと」
「あのどこの誰とも分からない下級冒険者の発言を信じろと本気で申すのですか⁉」
「あぁ、そうじゃ。だからこのナイフを離して自らの行いを悔いなさい」
下級冒険者って絶対に私の事じゃん! まぁ確かに冒険者としては下級だけどさ。
でも今の発言聞いて分かったけどやっぱり王様は私の事分ってるみたいだから問題は無さそうかな。
「ふざけるな! 落ちるところまで落ちたか愚王、私が今までどれほど支えてきてやったと思っている! 貴様ら! 王の命を守りたいなら早くあの下級冒険者を私の元に連れてこい!」
ダウアスが騎士達に向かって私を探すように怒鳴り上げる。
みんな困惑していてどうすればいいか分かっていない。
このままじゃ面倒なことになりそうだし早く王様助けないとだし、もう私が出ていくしか無いみたいだし。
私が出て行こうとすると大声を発した人がいて動きを止めた。
「騎士達よ! 動くでない! 我々は恩人に牙を向けるきか⁉」
王の号令を聞き右往左往していた騎士達が一斉に動きを止め王の方を向いた。
恩人に牙を向けると言われて余計に理解できていないダウアスが怒鳴り上げた。
「王は何を言っている! 恩人とはだれの話をしている! 今は私の弟を殺した下級冒険者の話を――」
「その冒険者の名前がエルトリスと言う名前でもまだ同じことを言うつもりか」
エルトリスと聞いて騎士達がざわざわと話し始める。
「エルトリスってあの最強と名高い剣豪の⁉」
「数年前に大量の魔物がこの国を襲ってきた時にほとんどを一人で狩りつくしたあのエルトリスさん⁉」
「俺あの時に命を助けてもらったんだ!」
「でも何か印象が違う気がする、まえはもっと目が怖かったきが……」
エルトリスは正体がばれて居た堪れない気持ちになっていた。
隣に居たシャルリアが小声で「師匠凄いです!」と褒めてくれている。
エルトリスは昔の若い時の自分があまり好きじゃなかった。
昔エルトリスの師匠と弟子達に目つきが怖いや人当たりが悪いなど様々な事を言われて気にしていたら今の温厚な性格になっていったからだ。
「あの人がこの街にいるわけが無い! それにあの人だとして本当に魔王軍の幹部が居たかどうかも証明にはならないではないか!」
色々な事を言われて出るに出れない状況になってどうしようか悩んでいる時だった。
「師匠! また例の声が聞こえてきました!」
「まったく、これで三度目だよ」
「今度こそほんとにやばぁーーーい!!!」
本日三度目になる無駄にイケメンでナルシストのハンソンが飛んできた。
私たちが隠れていた扉を突き破って。
扉が壊れて大きな音が鳴り全員の視線が一気にこちらに向く。
皆はハンソンの方ではなく一人の剣士の方を向く。
「「「エルトリスさんだ」」」
エルトリスは内心やっちゃったと思いつつ開き直る。
「えっと、下級冒険者です」
「「「うぉおぉおーーー!!!」」」
と言う騎士たちの声が聞こえてきて余計に恥ずかしく赤面しているエルトリスと苛立ちから顔を真っ赤にしているダウアスの二人がいた。
「静かにしろ貴様ら! たとえかの英雄エルトリスだとしても魔族が居たという証明にはならないではないか! 必ず弟の敵を取ってやる!」
ダウアスがそう叫んだ瞬間だった。
「ほぅ、貴様程度の下等種族が私を殺してみるつもりか?」
「――ッ!」
ナイフを突きつけられていた王様の背後から禍々しい魔力と背筋が凍りつくほどの殺気が溢れ出した。
周りにいた一般の騎士たちが足に力が入らずに膝を付き、熟練の騎士達も恐怖で身動きが取れなくなる。
王様の後ろに居た人物はただ一人、ダウアスしかいなかった。
しかしダウアスにはこれほどまでの魔力があるわけがない。
さっきまでなかったはずの人影がダウアスの背後から現れる。
黒鎧を身に纏い大剣を片手で軽々と持つ謎の騎士がそこにいた。
「貴様には不可能、実に不愉快だ」
深淵から鳴り響く様な声でそう発した刹那、一人を除いた全員が瞬きをした瞬間にさっきまで怒鳴っていたダウアスの首が消えていた
否、それは消えたと表現する方が適切なほど早い剣技でダウアスの首を吹き飛ばしたのだ。
一人を除いた全員は見えていなかった。
そう、エルトリスだけはその一部始終が見えていた。
「邪魔だ、失せろ」
黒騎士はダウアスの残った亡骸を横に蹴り飛ばす。
ダウアスの亡骸が壁に勢いよく叩きつけられる。
その衝撃で血潮が飛び散り、壁一面が真っ赤に染まった。
もう原型は残っていない。
エルトリス以外が立ちすくむ中、もう一人臆さずにいた者が居た。
「名を名乗れ、そして私の国に何様だ」
王様は恐怖などせずに淡々と後ろにいる黒騎士にそう告げた。
「ほぅ、この国に来て私を怯えない人間に会ったのは貴様で二人目だ。その勇気に免じて名乗ってやろう」
そう言うとシャミルは剣を地面に突き刺し、手を広げて話し始める。
「私は聡明な魔王様に使える魔王軍幹部【六魔帝】が一人、闇魔帝のシャミルだ。そこの女剣士に名乗るのはこれで二回目だな」
いきなり話を振られて少し戸惑うも顔には出さずに意気揚々と答える。
「へぇ、覚えてたんだね。魔族の癖に記憶力あるんだ」
エルトリスは話しながら少しずつ少しずつ歩いてシャミルに近ずく。
王様の背後を取られているからだ。
今すぐにでもシャミルの興味が私からそれれば王様の命が無い。
「貴様ら下等種族よりは賢いと自負している」
シャミルの声はどこまでも冷たい。
感情があるのかと思うほどに会話の全てをただ淡々と話すだけだ。
「王様がさっきも言ってたけど何が目的でこの国に来たの? この国は芸術品がすぐれてるだけの国だからさ、滅ぼす理由も特に無いんじゃないかな?」
出来るだけ話を長くする、その間にまた少しと歩み寄る。
「貴様に話す義理があると思うか?」
「魔王軍の幹部が来るってことは何か大事な用があるんじゃないの?」
今、エルトリスが考えているのは時間稼ぎと情報収集。
入所した情報次第では早々に帰らせることが出来るかも知らないと踏んでいるからだ。
「……」
シャミルは無言でこちらを見てくる。
何を考えているかは定かではないがもう少しで私の間合いに入る、あと少し。
「そこで止まれ、流石は人族、弱いなりに知恵が働くようだな、動くとコイツの命が無いぞ」
「人質を取るなんて流石は姑息な魔族だね」
このままだと本当に王様が殺される。
「次は貴様の命を貰おうか、さらばだ勇気ある愚王よ」
私に興味が消え王様に向かってゆっくりと大剣を掲げた。
エルトリスは顔には出さないが只ならぬ焦燥感でいっぱいだった。
会話で出来るだけ時間を稼ぎたかったけどもう時間が無い。
どれだけ急いでも魔力の使えない私は常人より身体能力が少し高い程度。
全ての方法を模索するが私ではどう頑張っても間に合わない。
そう思った時に私の真横を黄金色の閃光が迸る。
魔力には色がある。
色は様々、シャミルは深淵の様な黒い魔力。
エルトリスを横切った黄金色の閃光は何度も見たことのある魔力、脳裏にひとりの少女がよぎる。
「だめだ! 行くなシャル!!!」
その声はもう少女には届かない。
シャルリアは魔力を最大限まで高め、高速で王様とシャミルの間に割って入る。
シャミルが振りかざした一撃目掛けて剣を構え突撃する。
しかしシャルリアの力では防ぎきれずに吹き飛ばされる。そう、シャルの後ろにいる王様を巻き込んで。
シャルの狙いはそれだった、吹き飛ばされるのを前提に飛び込み、吹き飛ばされる時に王様にぶつかりそのまま一緒に吹き飛ばされる捨て身の作戦だ。
ただこのまま壁にぶつかればほぼ確実に死ぬ。
「ハンソン!!!」
「君はホントにイケメン使いが荒いなッ――!!!」
私の声を聞く前からシャルが飛ばされる場所目掛けて飛び込んだ。
壁にぶつかれば確実に死ぬ、だからこそワンクッション置くことで勢いを和らげる。
ハンソンなら上手く受け止めてくれるはずだ。
下手をすれば死ぬかもしれない事を理解できないシャルじゃない。
それを知っていても実行した、自分の弟子ながら大した勇気だと褒めたたえる。
「やはり人族はどこまでも浅知恵が回るな、逃がすわけがない!」
踏み込んで吹き飛ばされたシャルを追いかけようとするシャミルの前に立ちふさがる。
「私を忘れてるよッ――!」
踏み込んだシャミルに目掛けて前に使っていた安物の剣とは違う剣で斬りかかる。
いつも使っている剣はエルトリスの正体を隠すためのカモフラージュ。
今はエルトリスの愛刀で斬りかかる。
「貴様はどこまでも私の邪魔をする!」
「この前はしてやられたけど今回はそうは行かないよ!」
「その刀、魔装神具か……」
「ご名答、私の愛刀《軍霊刀 ホムラ》!」
魔装神具と聞いて一部の騎士達が話し始める。
「魔装神具って武器自体が魔力を持ってるって言われているあれか⁉」
「あぁ、間違いねぇ! あの刀からは夥しいほど魔力が溢れてる! それになんて業物だ! まさか生きてる内に見れるとは思ってなかったぜ……」
「あれは間違いなく数年前この国を救った時に使っていた武器! 美しい色だ……」
ホムラからは目を奪われるほど綺麗な焔色の魔力があふれ出ている。
魔装神具には二つの能力が備わっている。
一つ、全ての魔装神具に備わっている能力破壊不能。
魔装神具は製作者や素材が何か未だに解明されていない、しかし絶対に壊れない。
二つ、固有の特殊能力。武器によって能力が変わる。
魔力などを糧に能力を使うことが出来る。
魔力が糧ならエルトリスは使えない、しかしホムラの場合は持ち主の嫉妬心を糧にする。
魔力が無く、才能が無く常に嫉妬心を抱いているエルトリスにとって最高に相性の良い刀。
ホムラの固有能力は【魔力断絶】
嫉妬心を糧に物理的に斬れないものを火焔の魔力で斬る力。
魔力に魔法そして気体に液体。
魔法陣をも斬り、飛んできた魔術を根本から斬り、その切れ味と火焔で全てを斬り伏せる。
エルトリスが高速で攻撃を繰り出す。
シャミルも攻撃はするがお互いが攻撃を避け、剣で流して、そして防ぐ。武器の強さだけでは無い、それほどまでに技術が高い。
二人の身体能力はシャミルの方が圧倒的に上回る。
しかしそれを凌駕する技術で捻じ伏せ、魔力で身体強化しているシャミルの魔力そのものを斬り身体強化を無効化。
今は完全にエルトリスの領域、シャミルの鎧や大剣が傷まみれになっていく。
しかしエルトリスも肌に傷跡が多く目立つ。
攻防線の中、攻撃の手を止めずにシャミルが話しかけてくる。
「今の私では少しばかり分が悪いようだ」
「逆に言わしてもらうけど今の私でも倒せないのは結構傷つくよね」
周りから見ればエルトリスの圧勝、しかし当の本人達は理解していた。
シャミルは致命傷以外は全て無視している、一見攻撃を食らい続けてはいるが致命傷に成る攻撃は確実に防いでいた。
今の二人の実力はほぼ互角、お互い相手を倒せないことを理解している。
「時間の無駄だな」
「私もそう思うよ。そこで提案、今回は引いてくれないかな? 本当の用事はどうせ終わってるんでしょ?」
「ほぅ、初めから分かっていたのか」
「なんとなくだけどね」
そこでお互いが攻撃の手を止める。
周りの騎士達はなぜ止まったか理解が追い付かない。
「貴様、もう一度名を名乗れ」
「エルトリス。今はそれだけ、他は捨てたわ」
「エルトリス、魔力が無いんだろう? こちら側に来い、貴様を救ってやる」
シャミルの口から思ってもいなかった言葉が聞こえて一瞬驚くがすぐに立て直す。
「そんなの良いよって言うわけ――」
「こちら側に来れば魔力を与えてやる。相当魔力持ちが妬ましかっただろう? 今まで馬鹿にしてきた奴らに復讐したくはないか?」
「……」
エルトリスは何も言わなかった。
「良く考えておけ。我らは魔王様の御心のままに……」
そう告げた途端、黒く禍々しい瘴気とも呼べる魔力の霧が部屋中をを包み込み視界が遮られる。
エルトリスはその場で軍霊刀で一閃。たちまち黒い魔力の霧が晴れる。
「魔力を与える、それがもし本当なら……」
エルトリスはその先の答えは考えなかった。
もしも、その先の答えを出せば取り返しのつかない事になりそうで怖かったからだ。
エルトリスはそっと深呼吸をした。
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それから三日後
カイロウ家のクーデター、シャミルの襲撃、王様の命を助け、二度目のエーデンス王国を救いエルトリスとシャル、そしてハンソンの三人が盛大に表彰された。
後から聞いた話、街にも暗殺者が現れたが数が少なくすぐに騎士達が対処して軽いけがを負った人が数名だけで済んだらしい。
シャミルに吹き飛ばされた王様とシャルの二人はハンソンが完璧に受け止めてくれたので大事には至っていない。
ハンソンには感謝だがそのハンソンが受け止める際に足を挫いたらしく包帯を巻いていた。
ダウアスと一緒にいた大男はハンソンが飛ばされるのと同時に脳天を蹴飛ばしたらしく気絶していた所を捕縛、起きた時には独房と言うわけだ。
暗殺者の少年は倒れていた所に居なかったので逃亡した可能性が高いとの事。
今はエーデンス王国で指名手配されているがあの子なら普通に逃げ切ってしまいそうだ。
それにギルドマスターや騎士団長から正式入団してと頼まれたり、貴族の何人から求婚されたりパーティーに誘われたりと色々面倒ごとが多かった。
シャルを養子として引き取らせてほしいと言ってきた輩は遠慮せずにボコボコにした。
そして今、私とシャルは宿屋の借りている一室にいる。
「師匠ーお礼金、本当に良かったんですか?」
「この国は何かと不幸な国だからね~私たちにお金渡してたら復興資金無くなっちゃうよ」
「それはそうですけど~」
エルトリスは前にこの国を救った時もお礼金は受け取らなかった。
気づいた時には国を出発していた、そう今回もだ。
「早く準備して出発するよ!」
「ほんとに内緒で出て行くんですか? カンナさんぐらいには顔出した方がいいんじゃないですか?」
「カンナは優しいからね、仕事ほっぽり出して来ちゃうからいいかな。それに別れを言えば寂しくなる、それにまたどこかで会えるよ。一応王様には伝えてるし問題ないよ」
「わかりました! でも次あった時には怒りそうですけどね、黙って出て行った事」
「うげぇ、カンナ怒ると怖いからなぁ~」
「確かにそうですね」
二人でカンナの怒る姿を想像して少し身震いする。
エルトリスは腰に差している愛刀を確認しフード付きの薄めのコートを着て早々に宿を出る。
シャルリアも師匠のマネをして自分の剣を確認する。
それをみたエルトリスはくすっと笑う。
「さぁ、お金もそれなりに溜まったし準備終わったしそろそろ行こうか」
「はい! 師匠!」
宿屋を出て王都の門を通ろうとすると門の側から数人の人影が見えてきた。
一人の女性が走ってこっちまで来た。
「ちょっと! 水臭いじゃない! せめて挨拶ぐらいしてくれても……うっうぅ……ぅうっ!」
話の途中でいきなり泣かれるので慌てて駆け寄る。
「ご、ごめんって! 私が悪かったから泣かないでよカンナ~!」
「だって……だってぇ~……」
カンナを慰めていると他にも何人かが駆け寄ってくる。
ぬいぐるみ好きのジェイソンに老婆のヤッカムさんそれにハンソンもいる。
「ケガするなよ」「気を付けるんじゃぞ!」などの暖かい声をかけて貰う。
ハンソンが近づいて来たので頭に軽くチョップする。
「なんでイケメンの僕だけ⁉」
「あんたでしょ! 今日出ていくの皆に話したの!」
ハンソンは王様に出ていく事話した時隣に居たから絶対にそうだ。
「知ってて言わなかったって後でばれたら殺されるのは僕だぞ⁉ それと、また会おう! そして次合う時は……結婚しよう!」
「うん! 絶対に嫌!」
「ハハッ! 冗談きついよ! 僕を振ったのは君が初めてだ! まぁいい! 僕は諦めない! だから覚えておいてくれよな!」
「一応覚えておくけどたぶん次言ってきてもたぶん答えは同じだよ?」
「あぁ! ありがとう!」
内心「こいつ話きいて無いな」と思いつつも口には出さなかった。
「って、そろそろ泣き止んでよぉーカンナー!」
カンナがしがみついて全然泣き止んでくれない。
「いやだよぉーいかないでよぉ~!」
行かないでと言われて少し困っているとヤッカムさんがカンナの肩に優しく手をおいた。
「これこれ、寂しいのは分かるがそれは言わんと約束したじゃろ?」
「す、すみません……エルトリス、シャルちゃん元気でね、また遊びに来てね?」
「うん、絶対にまた会える、会いに来るからさ。もう泣き止んでよ」
「わかった、わかったよぉー……ぅうう……」
「なんでまた泣くのさぁ――――!!!」
カンナが泣き止んで国を出れたのは数十分後だった。
「さぁ、長い冒険者生活も今日でお終い! 本当の目的地、クロット村に向けて出っ発!」
「「おぉー!!!」」
今回でエルトリス&シャルリアは少しの間ストップです!
次からはまたライラス&フィオラの話をします!
次話の投稿楽しみにしていてください!




