二十九話 魔術の練習、ようやく開始!?
魔術の練習をするための場所を探していると
村を探し回ったが結局いい所が見つからず、俺の家の庭ですることになった。
なんでかは分からないが、フィオラは村の中央の広場は嫌らしい。気にならないわけではないが、今はそっとしておくほうがいいと思う。あまりその話には触れないようにしよう。
「フィオラは魔術が使えるようになったらまず何がしたいんだ?」
「お母さんにね、見してあげるんだ……」
さっきまでは良くなってきたけど、やっぱり少し元気がないな。
そうだ、良いことを思いついた。ちょっと杖を腰から引き抜いて魔力を込める。
フィオラは魔術が好きだからな、やっぱり魔術を見してあげるのが一番だろう。
「フィオラ、ちょっと見ていてくれ」
「どうしたの?……うぁぁー。すごい!すごいよ!すごいキレイ!」
俺が今使った魔術は風の刃を作る中級風魔術【鎌鼬】と文字どおり、氷の塊を作る中級水魔術【氷塊】の複合魔術
ちょうど今は天気がいいから粉々に散った氷に光が入っていてキラキラと輝いていた。
「ねぇ!ねぇ!今のも魔術なの?僕にもできる?」
「ああ、もちろんだ」
「僕も今のやってみたい!」
「すぐには出来ないけど、ちゃんと練習したらできるようになるはずだ」
「わかった!ちゃんと練習する!」
フィオラが俺の腕を引っ張って走りだす、俺は引っ張られるままに走っていく。家につくまでにそう時間は掛からないだろう。
元気になって良かった。フィオラにはもうあんな顔して欲しくない友達の俺が原因を見つけて解決してやる。
フィオラと一緒に走っていると家が見えてきた、前で扉の前では父さんと母さんが立って話していた。
父さんが村の見回りから帰って来たみたいだ。
もうお昼時か、父さんは午前中は村の見回りをして昼には家に帰ってくる。家の手伝いもする(得意なわけではないが)とても家庭的な父親だ。
日本にいたころの父親は無愛想だったけど家事が得意だったな……。
「あら、ライラスじゃない、もう帰って来たの?」
「はい。母さん遊ぶ場所がないので庭で遊んでもいいですか?」
「いいわよ。フィオラちゃんなら大歓迎だわ!」
おし!場所確保!まぁ母さんなら良いって言ってくれると思ってたけど。
「やったな、フィオラ」
「うん!」
フィオラと喜んでいるとなぜか父さんが泣き始めた。
「そうか、二人とももう仲良くなったのか。ライラスに友達ができるとはな……父さん嬉しいぞ」
「逆になんで出来ないと思ってたんですか」
「だってお前、五歳になるまで年が近い子と遊んだことないだろ?」
「確かにそうですけど……え!?もしかして母さんもそう思っていたんですか?」
「私はそんな事思ってないわよ。ラウドが心配しすぎなだけよ」
さすがラウドと結婚しただけあって母さん肝すわってるなぁー。
「母さんも同じぐらい心配してただろ」
「わ、私はしてませんでした!」
つまり二人とも心配してたのか。母さんは少しツンデレ要素があるようだ。
「じゃあ僕たちは庭で遊んできますね」
「ライラス、押し倒したりするなよ~」
「そんなことしませんよ」
「お前も俺の子だからな、何かしでかしそうになったら父さんが未遂にしてあげ……痛、痛いよ母さん」
「ラウド!ライラスはそんな事するような子じゃありません!」
母さんがラウドの頬を引っ張っている。いいぞもっとやれー。
一連の話を聞いてフィオラが首をかしげている、まぁまだ分からない年だもんな。
ラウドが母さんに絞られている内に庭に行こう。
「俺たちは先に行こうかフィオラ」
「うん!」
ーーーー
「さぁ!フィオラ。場所確保が出来た所で早速魔術の練習だ!」
「はい!」
「返事がちがーう!サーイエッサーだ!」
「さーいえす、さー?」
「すまん、今のは忘れてくれ」
「わ、わかった!」
それから一緒に魔術教本を見ながら初級魔術を一つずつ実演しながら教えていった。
すぐに教えれると思っていたが、現実はそう甘くはなかった。
最初は安全で簡単そうな水魔術のウォーターを教えてみたが、結果から言うとフィオラは文字が読めなかった。
少しは読み書きができるのだが、まだ読書をするのには早かった。
俺が口頭で教えてもいいがそれだと根本的には解決策にはならない。
まずは読み書きからだな。
でもそれだと可哀そうだな、一つだけ教えておいて上げよう。
「フィオラは先に読み書きが出来るようにならないと魔術は出きないな」
「そんな~!魔術が出来るのはもっと先になるの!?」
「心配しなくてもすぐに出来るようになるよ!」
「むぅ~」
あらやだ、フィオラが頬を膨らましてる。可愛い。
「なら最初に一つだけ魔術を教えるよ、風の魔術だ家でも使える魔術だし安全だからな」
「うんうん!」
「俺の言うとおりに唱えてくれ。風の女神よ我に風の恵みを ウィンド」
唱えると小さな風がフィオラに当たった
「ふふ、くすぐったいよ」
「さぁ。フィオラも唱えてみて」
「か、かぜのめがみよ、われにかぜのめぐみを ウィンド」
「え?うわぁっ!」
「ライラス!だ、大丈夫!?」
フィオラが唱えると俺に凄い勢いよく風が来た。後ろ向きに三回ぐらい転がった。
おかしい、普通はうちわで一回扇いだ程度の風のはずなのに、フィオラは人一人吹き飛ばすぐらいの威力だった。
「俺は大丈夫だ、フィオラこそ怪我はないか?」
「ぼ、僕は大丈夫だよ!ライラスこそ怪我とかしてないの!?」
「ああ。なんともないよ」
どうして俺とフィオラでは威力が違うんだろう。
魔力の量、は俺の方が高いしな。
杖もないから一回の魔術に込めれる魔力の量も限られてるしな。
「と、とりあえず今のをもう一回何も無い所に使ってみてくれ」
「な、なんて言うんだっけ?」
あれから二発使ってもらった、が威力は変わらず凄かった。
後から聞いた話によると人にはそれぞれ得意、不得意な魔術があって得意な魔術は消費する魔力の量が減って、威力が上がる、不得意な魔術はたいてい使えないか魔力消費量が上がって、威力が落ちるらしい。
それにしてもフィオラは威力が桁違いだった。
俺は全部平均的だった気がするんだけどな。
まぁ、フィオラには俺の前以外では使わないように言っておいた。
あれをフィオラが家で使ったら家の中が凄い事になるからな。
これからまたすることが増えていくな。
でもどれも嫌だとは思わないな、今からが楽しみだ!
投稿遅くなって申し訳ありません!!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
少しでも面白ければ評価やコメント等、よろしくおねがいします!
次話投稿、お楽しみに!!!




