二十二話 森の調査!戦闘編
《~ラウド視点~》
森の調査に来たが、まさかA級モンスター『ジャイアントトロール』に出くわすとは思って居なかった。
トロール種は素早く、再生能力が高いモンスターだ。
普通のトロールはC級モンスター。
ジャイアントトロールはトロールの上位種で普通のトロールより力も体格も大きいが俊敏性が落ちる。
上位種とはモンスターの名前の前に体の部位や武器、職種などが前についているモンスターだ。
上位種の中でも武器や体の部位の名前が付いているモンスターは体の部位が異常発達している動物などに付けられてる。
職種はナイト、ソルジャー、ジャイアント、ガーディアン etc.
名前に職種が付いているモンスターは職種によってステータスが大きく変化する。
例えを二つ上げると
ネイルウルフは『狼』と言う動物の名前の前に爪と来ているので、爪が異常発達した狼がネイルウルフと言うモンスターになった。
今回の『ジャイアントトロール』はトロールと言うモンスターの前に巨人が付いたので体が大きく、力が強く、敏捷性が下がる。
と言う事だ。
今はジャイアントトロールの攻撃を、村で一番仲が良いライゼンと共に防いでいるところだ。
ライゼンはラウドと同じ元冒険者で階級はB級だそうだ。
ライゼンを疑っているわけではないがB級冒険者以上なら結構知っているつもりだがライゼンと言う名前は聞いたことがなかった。
ライゼンは主に使っている武器は弓だ。弓士だが一対一で階級が一つ上のモンスターと戦っているので防戦一方になっている、得意の弓が使えていない。
どんな人でも戦いの時にメインウェポンだけで戦うのは危険すぎる。メインが使えなくなった時の為に第二の武器を持っているものだ。
ライゼンの第二の武器は短剣と魔術を使う魔剣士だ。
魔剣士とは剣類(剣、短剣、大剣、双剣など)を使いつつ魔術も使える人の事だ。
因みに武器と魔術を使う人は魔+武器名で呼ばれることが多い
そしてライゼンは魔弓士と魔剣士の両方を兼ね備えている。
それと、ライゼンが短剣を使っている理由はただ取り回しがいいからだけではなく、ライゼンが使っている短剣に秘密がある。ライゼンの使っている短剣はダンジョンで取れた魔力付与された武器で手に持っているだけで筋力と敏捷性が上がる【身体能力強化】がエンチャントされている。そのおかげで短剣でもジャイアントトロールの強く、重たい攻撃もギリギリだがしっかりと受け流せている。
今している戦い方は、片方が攻撃を防ぐか受け流して、その時に出来た隙をついて攻撃、片方がピンチになったらそのサポート
と言った感じで戦ってはいるのだが……
「くそっ!何度斬ってもすぐに回復されてはきりがないな」
ジャイアントトロールは高い自然治癒力がある上に皮膚がすごく固いので踏み込んで斬っても剣が上手く入らない。
今日はライラスにカッコいいところを見せたいが為に魔力と体力を使いすぎてしまった。くそ!なんでE級のモンスターに【紫電一閃】やユニークスキルの【即席魔力付与】なんか使ってしまったんだ。
【即席魔力付与】は魔力を多く使うし【紫電一閃】は体力と集中力を結構消耗する上に集中力が高くなければ使えない。撃ててあと一回ぐらいだ‥‥‥失態だったな。
ライゼンが居なかったら結構やばかった。
そんな事を考えている時ですらジャイアントトロールは攻撃を止めてくれない。今も連続でしてくる攻撃をを受け流している。
「ラウド!前衛を一人で任せても大丈夫か?」
「大丈夫だ!後ろからの援護頼りにしてるからな!」
「任せろ!」
ライゼンが準備するまでの間に攻撃を防ぎながら攻撃するのもいいができるだけ体力は使いたくない。
中級土魔術の【土壁】と上級土魔術【土槍】の複合魔術!【土壁牢獄】
複合魔術とは二つの魔術を同時に発動する魔術の事で、土の壁を出すだけの魔術と土の槍を飛ばす魔術の二つを複合することで新しい魔術が生まれる。
それが【土壁牢獄】
土の壁を出し全方位を囲み、さらにその壁から土槍を出して相手をとらえる拘束系の魔術だ。
しかしA級のモンスターしかもジャイアントトロールみたいなパワー型には数秒が限界。
だが数秒あればライゼンの移動には十分間に合う。
ライゼンが少し離れた木の上に飛び乗った。それと同時に【土壁牢獄】が破られた。壁が崩れ落ちて中から体にいくつかの穴が開き血が垂れ流れているジャイアントトロールが出てきた。
しかしすぐに回復しようとしている。
その時ライゼンはすでに弓を構えていた。
「腕が鈍っていないといいんだ……がっ!」
ライゼンは二本の矢を同時に撃った。
二本の矢は常識では考えられないような軌道にのって飛んでいった。ライゼンのいる木の場所からはラウドがジャイアントトロールと重なっていて普通の弓士ならラウドに『邪魔だからどいてくれ!』と言うか、自分が移動するかのどちらかを選ぶだろう。
だがライゼンは普通の弓士ではない。ライゼンが同時に飛ばした二本の矢はラウドの右と左の両側を一本づつ通過してジャイアントトロールの両目に直撃した。まるで矢がラウドを避けた様に……。
両目を射抜かれたジャイアントトロールは先ほどの【土壁牢獄】で開けられた穴よりも先に矢で射抜かれた目を回復しようとする。いくら自然治癒が早くても回復するには順番が必要だ。なにより傷が多すぎる。
ジャイアントトロールが完全回復するのを待つほどラウドは馬鹿じゃない。
このチャンスは逃さない。
技神流 才人の型
「【連撃乱斬】!」
【連激乱斬】は最短で敵を攻撃する技で同じ部位を連続で攻撃する事で威力が上がっていく技だ。今回は隙が大きかったので胴体を七回連続で攻撃ができた。
さすがのジャイアントトロールも目の自然治癒が間に合わないようで、腹の肉がえぐれたままになっている。
しかし致命傷にはならず、このままではまた回復されてしまう。さらに追い打ちをかける。
ジャイアントトロールの固い皮膚では効きにくい魔術でも深い傷口の上からの魔術は効く。
上級風魔術 【風刃】と中級風魔術 【旋風】の複合魔術。
「【風刃旋風】!」
【風刃旋風】高い威力の風刃を旋風を高速で回転させる複合魔術だ。
風刃の刃はとても鋭いが範囲が極端に狭く手の平を至近距離に持って行かないと当てれないので遠くから攻撃出来る魔術の中では余り使われない魔術だ。
体内や傷口には放つと壮大な威力を誇る。
自然治癒力が高いジャイアントトロールでもライゼンが放った矢で目が潰れていて体に【土壁牢獄】で開けられた穴、更に剣術と魔術で腹をえぐられてはもう動くこともできない。
しかし念には念を入れておかないと、A級モンスターだ何して来るか分からないからな。
「【紫電一閃】!」
剣先が一瞬光るとジャイアントトロールの首が『ゴトリ』と音を立てて地面に転がった。
「終わったか」とライゼンが木から飛び降りて来た。
「ああ」
と言いつつラウドは火魔術を使ってジャイアントトロールを焼いた。
「必要か?」
「たまにだけど四肢を切り離しても動く奴とかいるからな。念には念を入れておかないと」
「さすがはA級冒険者だな、でもなんで最後の首を落とした技を最初から使わなかったんだ?」
「紫電一閃の事か……あれは結構条件が必要でな。まぁ、あまり使い勝手は良くないって感じだ」
それにしてもライラスの奴遅いな。
それとなんでジャイアントトロールがいたかも気になる。
「今回は助かったラウド。それと早く子供達と合流しないと!」
「そうだな。早く戻ろう、少しだけ胸騒ぎがする。心配だ!」
最後まで読んで頂きありがとうございます!
評価や感想など書いてくれると作者は感激の舞いを踊りますよ!(笑)
ラウドの心配は杞憂に終わるのか!?
はたまた心配が的中するのか!?
次話も楽しみにしていてください!!!




