十六話 事件の予兆
今はネイルフルフを倒して帰宅中だ。
ん?武器屋?今日はもう遅いからまた今度だそうだ。
早く武器屋に行きたい、一度目に武器屋に行った時は詳しく見れなかったからな。
いつ行けることやら……
と思っていると、一つ気になることがあった
「どうして村にネイルウルフが出てきたんでしょうか?」
あんなのが頻繁に出てきたら村の人は安心して暮らせないから、何か理由があると思っているんだが
「それが俺も少し気になっていてな、普通ネイルウルフは森からでてこないんだ」
毎日村の見回りをしているラウドでも詳しくわからないのか……
てか、森から出ないとかニートかよ!
「群れからはぐれただけじゃ無いんですか?」
日本でも森から動物が出てきたたとかニュースでやってたしな
「群れからはぐれたか……たぶんそれはないと思う、ネイルウルフはいつも集団で行動している、普通は単独では行動しないんだ」
「つまり普通じゃないことが起こった、と言うことですか?」
「ああ、そう言う事だ、だが何が起こったかは俺も分からないんだ」
いつも集団で行動しているネイルウルフが単独で行動していた、何か異常なことが起こった、それの原因はわからない。……俺はそこまで賢くないのでわからない。
でも日本にいたころよりは数倍は賢くなっているんだけどな、自慢じゃないが俺は五教科の中じゃ英語が一番苦手だった、昔の俺なら魔術は覚えれなかった。
少し考えていると眼鏡と赤の蝶ネクタイをつけてる探偵が頭に浮かんできた。
少年探偵団の手も借りたいくらいだ。
「まー、今考えても何も変わらないからな、早く家に帰ろう!俺は母さんの美味い飯が食べたい!」
「いいですね!僕もお腹が減りました、早く帰りましょう!」
母さんの作る飯はお世辞抜きで美味いから早く食べたい!今日の飯は何か楽しみだ!!!
ーーーー
やっと家についた、やっぱり我が家は落ち着く。
家に帰る道中はいろいろあったから少しつかれた、村の人にネイルウルフを倒した事の報告に森で何かが起きているかもしれない事の報告とかですぐには家に帰れなかった。
今日、職業見学をして思った事は
改めて父さんがすごいと思った事だ、男が一番かっこいい時は働いてる時って聞いたことあったけどあれは本当だった
『ライラスのラウドへの評価が少し上がった』
「今日は色々あったな」
確かに色々あった、ネイルフルフと追いかけっこして、倒した。
あ、そんなに色々なかった。
「そうですね、出来れば平和に過ごしたいですが……」
「冒険者になると毎日命懸けで忙しいぞ?」
「その分楽しいに決まっています!」
俺はゲームやアニメの世界に憧れて生きてきた、そんな俺にこんなチャンスが来たんだ、存分に楽しまないと!
「そうだぞ!冒険は危ないがその分楽しい!ダンジョンにある
レアなお宝、モンスターを倒して素材を売って金をてに入れて
上手い飯を食べたり、愉快な仲間と酒を浴びるほど飲んだり、冒険ほど楽しい事はない!」
冒険か、男なら一度は夢に見た事だと思う。
「母さんが飯を作ってる間に冒険者だった時の話をしてやろう!」
「ぜひ聞きたいです!」
本物の冒険家の話はためになりそうだ
父さんの冒険話を聞いていると早く冒険をしてみたいと思った!
色々なダンジョンの話や、強かったモンスターと戦って死にそうになった話に、ネタ抜きで危険な罠に掛かって死にそうになった話、何度も死にそうになった事やレアアイテムを見つけて浮かれてたら死にそうになった話など俺が想像していた事よりも楽しそう?だった……何か死にそうになった事しかない気がするんだけど。
そんな感じで色々な話を聞いていると晩御飯が出来たみたいだ
「あら?懐かしい話をしてるのね」
そう言いつつ母が机に晩御飯を並べている。
今日はパンとスープと焼き魚だ。
パンは村の農業地区の畑で取れた小麦と井戸から汲んできた水で作った母さん自家製のパン。
スープには村の八百屋で買ってきたジャガイモにタマネギを使ったコンソメベースのスープ。
魚は父さんの知り合いの漁師が家に持ってきてくれた白身魚だ。
どれもお店で出しても通用するレベルの美味さだ。
「そうだな。みんなで冒険していた時を思い出す」
「他のみんなは今どうしているのかしら?」
「わからない。みんなと別れたのが5年前だからな」
5年前だと、、、俺が産まれる少し前の話しか……
父さんと母さんは今いくつなんだ?話を聞いてる分には経験豊富だけら30歳ぐらいかな?でも見た目で言うと20代って所か。
「父さんって今いくつですか?」
「俺は今年で28歳だ、母さんは」
「私は今年で29歳になるわよ」
今の俺が5歳だから父さんが23歳、母さんが24歳の時に冒険者を引退したことになるのか。
てか母さんの方が年上なのか、てっきり父さんの方が上だと思ってた。
でも父さんは子供っぽいところが少しあるから二人の年齢に違和感はないな。
ーーーー
晩御飯を食べて終えて風呂に入る、そう、この家には風呂があるのだ!
俺はバリバリの日本人なので風呂に入るのは大好きだ!
この異世界に風呂がある事とこの家に風呂がある事に感謝している。
体を軽く洗って湯船につかる。
「あぁ~」
風呂に入ると体が温まってきて疲れが消えていくのがわかる、やっぱり風呂は最高だな!
ネイルウルフの件は明日、父さんが一人で森に調べに行くらしい、可哀そうだから俺も付いて行ってやろう
ついでにこの世界の事をもっと知りたいし、まあこっちが本命なんだが……これは父さんが知ったら悲しむので口には出して言わないが。
っと、せっかくの風呂なのに考え事していてはもったいない!風呂の時ぐらいは何も考えずにのんびりしよう!
「気持ちよかったー!疲れてるし早く寝よう」
ふかふかのベッド寝転がる、布団もいいがベッドも気持ちいい!
「それにしても今日は色々あったから疲れた、ゆっくり休みたい。」
明日に備えて今日はもう寝よう。
ネイルウルフを倒して一件落着!と思いきや?何やら怪しい雰囲気が!!!
次はもう少し早く投稿できるように頑張ります!