十五話 職業見学②
《~ライラス目線~》
新たに二つの流派を教えてもらってから武器屋に向かっている途中。
「父さんって武器は何使ってたんですか?やっぱり剣ですか?」
「俺は剣一筋だな!剣ほどリーチと素早さがある武器は他にないからな!刀だと俺には長すぎるし短刀だと早すぎるから俺には剣がちょうどいいんだ」
「そうなんですかなんか父さんらしいですね、僕は何使いましょうか……やっぱり僕も剣でしょうか」
やっぱり俺もリーチとか考えると剣かな?振り回せる槍?それとも魔術の事を考えて杖か?
「ライラスならなんでも使えると思うぞ」
「そうですか?」
「ああ、剣意外でもいけると思うぞ。武器屋についたら少し試してみよう」
少し嬉しいな、もしかしてラウドがただ親バカなだけかもしれないけど。
「そんな事できるんですか?」
「もちろんだ、ここの武器屋は裏に試しても良いように人形や的とか置いてあるんだぞ!すごいだろ!!」
なんでラウドがすごいみたいな感じで言ってんだよ
「"武器屋"がすごいですね!」
「そこは"武器屋"はつけなくてもいいんだぞ」
「事実武器屋がすごいので」
「まぁーどっちでもいいか、早く武器屋にいくぞー」
ーーーー
少しあるいて武器屋に付いた時だった
「武器屋の前だけ人が多くないですか?」
「確かに人が多いな」
「何かあったんでしょうか?」
「ちょっと見てくる」
ラウドは人混みを掻き分けていった
本当に人が多い、走ってったラウドがもう見えない
「一応職業見学中だし追いかけないと」
人混みを掻き分けていくと体にデカイ爪痕があって血が出ている人が倒れていた。
「どうしたんですか父さん!」
いったいどうなってるんだ、森からモンスターでも出てきたのか!?
そう考えているとラウドが倒れていた人と話していた。
「それで、そのモンスターは町の中央に行ったんだな!」
「ああ、早く追いかけて、くれ」
「わかった!誰かこの人をエレカの所へ連れていってやってくれ!」
「わかったぜ!俺たちが連れていく!」
返事したのは周りにいた人達
周りにいた人たちがその人をこの町一番の回復魔術士の元へつれていこうとする。そう俺の母さんの所だ。でも俺は母さんから回復魔術を教えてもらっている。この傷なら俺でも治せるはずだ。
「大丈夫ですよ父さん、僕もこの傷なら治せると思います!」
「そうか!なら頼む!」
「はい!」
母さんから教えてもらっていて正解だったな!やはり回復魔術は覚えていて損はしないな。
「ハイ・ヒール!」
だんだん傷口が塞がる、さすがは中級魔術、初級とは違う。回復の初級魔術は擦り傷や切り傷しか回復しなかった。
「おお!怪我が治った!ありがとう、さすがはエレカさんとラウドさんの子供だ。」
「さすがだなライラス!それで、さっきの話は聞いてたか」
「モンスターが町の中央に行った話ですか?」
「そうだ!一緒に行くぞ!説明はモンスターを探しながらだ!」
「はい!」
いまいち状況が飲み込めていないがだいたいわかった
モンスターが町に出て来て人を襲った、それをたまたま目撃した。今からそれを追いかける感じか!
「さっき聞いた情報によるとたぶんモンスターは
"ネイルウルフ"だ!単体でD級クラス、集団だとC級クラスはあるモンスターだ、ウルフ系のモンスターはいつもはだいたい3~4体の群れで行動している、今回は一体みたいだし群れからはぐれたんだろ、大きい爪が特徴の狼で素早い上に体がでかいから早く退治しないと怪我どころじゃすまないぞ!」
「わかりました!でもD級とかC級とかってなんですか?」
「そうか、ライラスにはまだ言ってなかったな、モンスターの強さを表した階級だ、詳しくはまたあとでだ!今は"ネイルウルフ"の退治が先だ!」
「わかりました!」
町の中央に行くとそこに狼はいた、俺たち日本人が知ってる狼とはサイズが倍近く違う。狼か、ちょっと怖いけど今の俺ならたぶん大丈夫ぶなはずだ。
「いました父さん!」
狼を見た人は瞬く間に悲鳴をあげている。
狼が一人の男性に飛び付こうとした、すかさず杖を腰から引き抜いて中級の土魔術|【土槍】を頭にめがけて放つ。【土槍】は拳サイズの槍のような形をした硬い土を高速で飛ばす魔術で普通の人に当たれば気絶するぐらいの威力だ。
しかしネイルウルフは強い衝撃を受けて少し体制を崩したぐらいで致命傷にはならなかった。
やっぱり人には通じてもモンスターだと別か‥‥
コチラに気付いて、俺に爪を向けたが襲いかからずに逃げた、一瞬逃げる前にラウドを見た気がする。ラウドが自分よりも強いことを本能的にわかったのかもしれない。
「くそ!あいつ逃げやがった!急いで追うぞ!」
一番人が密集してる商業地区の方向に走っていった、このままじゃ怪我人がでる可能性がある、早く見つけて倒さないと!
「いたぞ!」
ネイルウルフが通った所は道が空いているので追いかけやすい
「ライラス、あいつの動きを止めれる作戦とかないか?」
よく分かっていないがD級だしそこまで強いわけじゃないと思う
俺は中級の魔術はだいたい使えるが【土槍】が致命傷にはならなかったし、上級魔術は使えないしな‥‥一体どうするか
「父さんって上級魔術までなら一通り使えるんですよね!」
「使えるぞ!当てるのは下手だけどな」
自信満々に下手とか言うなよ、俺が不安になるぞ。
「アイツを止めれる魔術とかないんですか?」
「あるには、ある、だがここじゃだめだ人が多すぎる、他の人に当たるかもしれない」
いったいどうするか。
魔術じゃダメか中級魔術じゃあ止めれないし上級魔術だと他の人にあたる、周りの事を考えていなかった。
ネイルウルフを人が居ないところに追い込めさえすれば……
そうだ、ここは町の東側の商業地区、ちょうど海の近くだ!砂浜まで追い込めば好きなだけ魔術を使える。
「父さん!海まで追い込めば魔術が使えます、そこまで連れて行きましょう!」
「いい考えだ!でもどうやってだ?アイツは何が目的で走ってるかわからないぞ?」
「たぶんですけどアイツは父さんから逃げたてるんだとおもいます、生き物の本能?見たいなのできっと自分より強い父さんを怖がってるんですよ」
「確かにそれだと納得だ、俺らを見てすぐに逃げたのも戦うと負けると本能的に思ったからか……」
「はい、なのでこの作戦で行けると思います。」
「俺も賛成だ!」
そうと決まれば、作戦結構だ!
ーーーー
町にいきなり現れたネイルウルフを倒すために海に追い込んで倒す作戦を考え、実行中だ。
「父さんはこのままアイツを追いかけていて下さい!僕は回り道して海に誘導します」
「わかった!」
自分にしてはいい考えだ
海にさえ連れていけば他の人にかまわず好きなだけ魔術を使える、アイツは足が早いから剣術だと倒すのは難しいからな
父さんはこのまま東側に追い込んでいるはずだから俺はその他の道を先回りして誘導する。
しかし、何で町に出てきたんだろう?父さんは群れからはぐれたと言っていたがそれなら仲間が探しにくるんじゃないか?
なにか嫌な予感がする。
そう考えているとネイルウルフが必死に父さんから逃げてきた
もちろん海の方向意外には行かせない、ネイルウルフには可哀想だが魔術で道を塞ぐ
使う魔術は中級土魔術
「【土壁】!」
土で壁を作る魔術でサイズは魔力で調整できる。
道が全て塞がるように調整する、いきなり現れた壁をみてネイルウルフが方向転換した、作戦は順調だ。
このまま行けば無事に海に誘導できるだろう。
壁を崩してはやく父さんと合流してアイツを追いかけないと。
「よくやったライラス、このまま行けば海まで追い込める」
ネイルフルフを倒したら武器屋でどんな武器を試しに使ってみようかな、全部試しに使ってみたいな。
そんな事を考えているとあと少しで海につく、ようやくネイルウルフを倒せる。
やっと海についた
「ここなら他の人はいないので範囲の大きい魔術を使っても大丈夫です!」
「おう!俺のかっこいい所を見とけよ!」
そう言いながら父さんは走って逃げているネイルフルフに手のひらを向け、詠唱を始めた。
「【火炎の柱】!」
フレイムピラーは火属性の上級魔術で火の柱を地面から出す魔術だ。
父さんがフレイムピラーと言うとさっきネイルフルフがいた所から太い火の柱が出てきた、少し経つと火の柱が消えた
火の柱が出たのは5秒ぐらいか……
ネイルフルフは原型はとどめてはいたが黒くなっていた。
「黒焦げですね」
流石は上級魔術、今のネイルフルフを見るだけで上級魔術の威力がわかるな。
「だいたい獣系モンスターは火が弱点だ、獣系でも火耐性を持っているものもいるがな、ネイルフルフは特に火が弱点なんだ」
モンスターには弱点と耐性があるのか、覚えておこう。
「これで解決だな、早く戻ってみんなに報告だ!それにまだ武器屋に行けてないからな!」
これで解決か、今日は疲れた、はやく帰って飯食って寝たい。
「さあ!帰るぞー」
「はい」
最後まで読んでいただきありがとうございます!
次も楽しみにしていてください!