十三話 ライラス初めての散歩
ようやく、五歳になったライラス、今日は剣術の稽古を休んで町の散歩をすることになった!
《~ライラス視点~》
「皆さん こんにちは 私の名前はライラス・クリウスです。ただ今散歩をしています。まずは町の中央に行ってみたいと思います。」
一人で話しつつ町の中央に向かう。
何か悲しいな。
俺の家は村の丘の上にあるから歩いていくと村が一望できるんだよな。
「景色が綺麗で空気がうまい!」
近くに森があるから空気がうまいのか!日本は何かと車や工場が多いからな。
少し歩いてから村の中央に到着だ!
しかし村の中央に来たのは良いけどまず何をするかなんだよな
特に決めてないし……
「そうだ!興味本意で武器屋にでも行くか!」
剣術があるんだし武器屋ぐらいあるだろ
村を少し眺めながら歩いて行く。
「どこだよ武器屋」
武器屋が見つからない、もしかしてこの村にはないのか!?
おいおい冗談だろ、某人気RPGゲームのド◯クエだと最初の村にはだいたい武器屋があるのに、まあ
"木の棒"とか"おなべのふた"とかしか売ってないけどな。
「あ、普通にあった」
ド◯クエの話ししてたら武器屋見つけた!
「おおー!」
おお!すげー!本物の剣とか盾とかある!
前世では剣とか盾とか持ってダンジョンとかに行ってみたいとか思ってたんだよ!!!
俺もいつかダンジョンに行ってみたいな!
いやでも、冒険者は命掛けだしな、まぁ将来の事は後々考えよう。
しかし値段を見ても分からない。
この世界のお金の事はよく分からないので今度父さんにでも聞いてみるか。
他にもいろいろな店に行ってみよう!
少し歩きながら町を回っていると良い店を見つけた。
「本屋だ!」
俺は日本にいた頃は読書が趣味の1つだったからな!本には興味がある!
この世界の文字はだいたいわかったけど世間でも通用するのだろうか…そう考えつつ本屋の外にある棚を見てみる。
「あ、これ普通に文字読める!」
今見ている本は"スキルについて"と言う名前の本だ。
スキルって言ったらゲームによくあるスキルポイントとか
スキルツリーとかと同じ感じか?
「どんなスキルがあるんだろう…」
今度父さんにお金といっしょに聞いてみよう!
店のなかに入って店長に本を読んでいいか聞いてみよう!
「こんにちは すみません店の外にある本を読んでもいいですか?」
「おお、これは小さいお客さんだ!お父さんかあ母さんはどうしたんだい?一人できたのかい?」
「一人で来ました、父と母は家にいます。」
「じゃあ、お使いにでも来たのかい?」
「いえ、ただ本を見にきただけです!」
この人ずっと疑問形だな、そんなに5歳児が一人で本屋に来るのが珍しいのか?"クレヨンし◯ちゃん"知らねーのかよ。
そうだ、知らないんだった…ここ異世界だわ。
「ん?もしかして君、ラウドさん家の息子さんかい?」
「そうですが、父を知っているんですか?」
「当たり前だよ!この村でラウドさんを知らない人はいないんだから!」
「そうなんですか?」
あれ?父さんそんな有名人だっけ?
「ああ、あの人はこの村をモンスターから守ってくれてその上見回りまでしてくれてる良い人で、酔っ払いのケンカから
村の護衛までなんでもしてくれる人だよ」
そうだ確かそのお礼にあのお高そうな屋敷に住まわせてもらってるんだっけか、まさにwinwinな関係だな!
「そうだ。何のようで来たんだい?」
「表の棚にある本を読みたいんですけど、だめですか?」
「ラウドさんの子供が頼んできたんだ断れるわけがないよ!さあさあ!どんどん読みなさい!」
「ありがとうございます!」
「そうだ、今度ラウドさんに用があるから伝えておいてくれないかい?」
「わかりました、父に伝えておきます」
おし!これで"スキルについて"の本が読めるぞ!
さあ!ページを開いて読んでみようまずは1ページ目だ。
1ページ一行目:スキルとは冒険すれば勝手につく。
うん、読んでも分からんわ、書いてることがわからんわ
スキルは冒険すれば勝手につくってどういう意味だよ!
次のページだ!おお!ためになりそうな事書いてる!
この調子、とはいかなかった、コイツ書くの下手だわ。
全部読んで二つわかったことがある。いや、二つしかわからんかったわ。
①スキルの階級は 初級 中級 上級 の3つ
②スキルは色々なことをした経験上覚えるらしい。
例えば料理をすればするほど料理スキルは高くなってくる
でもスキルはやっぱりセンスがいるらしくて料理スキルがまったく上がらない人がいたりする。
うん、つまりスキルは努力しても上がらない人がいる事はわかった。以上
だめだわこの本、作った人センスないわ、この本の作者
あるかしらないが、製作スキル0だわ。
そろそろ遅いし帰るか。
「ありがとうございました、本屋のおじさん!」
「あいよ!また来てくれ!」
「わかりました、また来ます」
いやー全くためにならなかった。
あの本作ったやつに会ってみたいよ、どんな顔してんだか
そう考えていると家についた。
「ただ今戻りました!」
「あら!お帰りなさいライラス!どうだった?楽しかった?」
「はい、楽しかったですよ!母さん」
「良かったわ!さあご飯にしましょうすぐに作るわ」
「父さんはどこにいますか?」
「お父さんなら庭にいるわよ」
「わかりました、ありがとうございます。」
父さんはいつも剣術の稽古してるきがする。
「父さん、今日本屋に行った時に本屋のおじさんに今度用があるって言ってましたよ」
「本屋のおじさん?ああ、ワイドさんの事か、わかったありがとう、ライラス」
「はい」
「それより散歩は楽しかったか?」
「ええ!楽しかったですよ!ご飯の時に話しますね!」
「わかった、楽しみに待ってるよ!」
ご飯の時に今日の出来事を話したら凄いことがわかった。
「"スキルについて"の本書いたの俺だぞ?」
「え?」
「だからあれ書いたの俺だって!俺もうダンジョンに潜れないんだし今の仕事と掛け持ちして色んな仕事してるんだよ」
「そうだったんですか!」
「ああ、そうだ凄いだろ!!」
母さんを見てみると、やれやれって顔してる。
今日の思いで。
あの下手くそな本を書いたのは父さんでした。
母さんがあきれてました。
本屋のおじさんの名前はワイドでした、ショーでも開きそう。
以上!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
次話も楽しみにしていてください。