設定4 魔言
アンジェリアの手記(五十三話時点)から抜粋。
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1-0,魔力
1,魔素
2,自然界
3,魔石
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3-0,魔言
1,魔力に命令を下す言葉のこと。
魔術を構成しているパーツの1つであり、真名と組み合わせて1つのセットになっているものがほとんどだが、中には真名を持たない魔言も存在する。真名に関しては次の項。
2,魔術を詠唱する際に、実際に発音される音のこと。
通常の人間には複数の音が複雑に混じった雑音のように聞こえるらしいが、先天的にこれを聞き取れる人間が一定数存在しており、私もその1人。この能力は魔人であれば4割、呪人であれば1割程度が先天的に所有しており、ある程度遺伝も確認されているが、ユタのように両親共に聞き取れているのに聞き取れない子が生まれることもある。
先天的に聞き取れないからといって生涯聞き取れないままというわけでもないらしく、例えば先天的に聞き取る能力を持っていないレニーでも「リチ・クニード」は聞き分けられると言っており、ある程度訓練を施すことで後天的にも獲得できるらしい。
しかし精度はかなり劣るらしく、「リチ・クニード」は「リチ・クニード」としか聞き取れず、「リチ」と「クニード」に分離することはできないらしい。そのため「リチ・クニード」と「リチ・ダン」に「リチ」という共通点を見つけられないようだ。訓練によって更に上達するものなのかは不明。
変形詠唱と呼ばれる技術が存在しており、短縮詠唱と欺騙詠唱という2種類に分けられる。
前者は「発水」と唱えてエル・クニードを発現させるような技術。魔言の聞き取りができない人間でも習得しやすいため、生活魔術のような万人が使うような魔術では確立されていることが多く、また戦闘魔術でも結構な数がある。
後者は「リチ・ダン」や「発火」と唱えてエル・クニードを発現させるような技術。魔言を聞き取れる人間を欺くために存在する技術であり、存在は一般に知られているものの習得方法は秘匿されている。しかし短縮詠唱と同じ方法でも習得することが可能らしい。特に職業軍人や高貴な生まれの方々が好むらしいが、平民の冒険者である私には関係無いだろう。
この他に無詠唱と呼ばれる技術も存在しており、ティナのファーストゾエロやロニーに空蹴がこれに当たる。詠唱を全く行なわずに発現させる技術であり、短縮詠唱とは全く異なる技術であるようだ。
魔力を直接扱う関係上、危険な魔言も複数存在し、中には禁忌とされているものもある。不慣れな人間が不安定な魔言を扱うのは特に危険。
1,真名
1,魔言の本来の意味。
未発見のものも多く、その場合は「仮名」と呼ばれる暫定的なものが与えられる。基本的に魔言とは魔言という音、真名という意味の2つで1セットになっているが、真名を持たない魔言というものも中には存在している。
2,魔術を発現させる際、魔言と同時に唱える必要のあるもう1つのパーツ。魔言が空気に音を乗せるのに対し、こちらは魔力に意味を乗せる形となる。
エル・クニードと詠唱しただけでは水は発生せず、エル・クニードと詠唱して初めて発現することになる。エル・クニードと詠唱した場合は火が発現するか、不発現となる。この事から優先権は魔言ではなく真名にあるようだ。
魔力による会話術と同じ技術だと思っていたが、カクは真名の聞き取りこそできるものの魔力による会話術(≠魔術による会話術)は使えないため、どうやら微妙に異なったものらしい。
魔言の聞き取り同様、先天的にこの能力を持つ人間がいる。魔言の聞き取りとは全く別の能力であり、例えばユタは魔言は聞き取れないが真名は聞き取れる。
こちらも遺伝性のようだが魔言の聞き取り以上に希少らしく、あまり情報がない。また後天的に真名の聞き取り能力を獲得した人物も現時点では確認できていない。魔言の聞き取りと違い、完全に生まれつきの能力なのかもしれない。
魔言によってはある程度の改変が可能。例えばクニードであれば「放出」が1の真名であり「放て」と唱えるのが一般的だが、「現われよ」「出よ」と2の真名を改変しても発現し、また実際に発現する魔術が若干異なる。
真名の改変に関しては聞き取り能力が無くても可能。ただしその自由度はかなり落ちるらしく、聞き取れないにも関わらず改変しようとする魔術師を私は知らない。改変された魔術を人に教える事も可能。
こちらは無詠唱のみ確認しており、短縮詠唱や欺騙詠唱は確認していない。
サン曰く魔導ギルドの技術上級員となるためには必須能力であるらしい。
2,属性詞
魔術には属性詞を付与することができ、その属性詞に則った挙動を示す。付与しなかった場合はゼロに似た挙動を示すが、ゼロと全く同一のものが発現するわけではなく、また挙動も不安定になる。
そのため基本的には属性詞は必須と考えた方が良い。
属性詞は基本属性詞と複合属性詞、特殊属性詞、そして例外属性詞の4種類が存在する。過去には装飾属性詞という分類もあったらしいが詳細不明。また例外属性詞に関しても情報が少なすぎるため、別ページにまとめること。
基本属性詞はほぼ全てで魔石が発見されており、最も一般的な属性詞郡。現象型と物質型に分けられる。
複合属性詞は基本属性詞を2つ組み合わせた属性詞。重現象型と重物質型、そして複合型と分けられる。
特殊属性詞は魔石の存在していない属性詞。現象型と物質型に分けられるようだが、未分類のものも多い。
・基本属性詞
リチ、エル、ウィーニ、エレス、ドイにゼロを加えた6つの魔言のこと。一般に属性詞と言った場合はこれらのことを指すが、特に細かく指定する場合では基本属性詞と呼び分ける。
ゼロ以外の基本属性詞はそれぞれ独自の色を持ち、その色の魔石は色魔石と呼ばれる。色魔石があるから基本属性詞なのか、基本属性詞だから色魔石があるのかは不明。
リチ、ドイ、ゼロを含んだ魔術は現象魔術と呼ばれ、エル、ウィーニ、エレスの場合は物質魔術と呼ばれることもある。私の場合物質魔術に含まれるエル、ウィーニ、エレスはどれも得意であり、逆に現象魔術に含まれるリチとドイはやや苦手な辺り、その魔術がどちらに含まれるかは考慮しておいたほうが良いかもしれない。
この区分で考えるならカクは現象魔術が、レニーと私は物質魔術が得意ということになる。確かにその通りではあるものの、もう1つの魔術が全く扱えないというわけでもなく、あくまで傾向程度に留めておいた方がいいだろう。
・リチ
専用の魔石が存在しており、赤魔石と呼ばれる。私的には赤というより緋の方が近い。
真名は「火」。主な効果は火の発現。シュやプートと合わせると熱を生む効果が強くなり、魔力配分によっては熱のみを作ることが出来るようになる。
リチを用いた魔術は現象魔術と呼ばれており、実際私の目にも物質に変換しているようには見えない。熱(というか振動)を起こしている……と考えれば熱系の発現は理解できるが、火系の発現はどう理解したらいいのやら。火とは物質の酸化現象の事だったはず。
残念ながら私はあまり向いていないらしく、熱を生むのは問題ないが、火そのものを発現させる際には多量の魔力を消費する。火弾や火球と呼ばれる魔術も発現率がかなり低い。おそらくは理解度の問題なんだろう。
やはりというべきか、リチの魔術は固定化された物が多く、市販されているスクロールや魔具にはリチが含まれていることが多い。苦手な部類ではあるが、生活魔術くらいなら私だって人並みには使える。
基本属性詞の中では不安定な魔言。魔力暴走を引き起こしやすく、私も何度か暴走させている。
ヒト属を筆頭とする生物の、火の利用に関しての考察は別のページに引っ越した。もうここには書かないこと。
魔力を絶っても燃え移った火は消えないことを覚えておくこと。寝る前はちゃんと発水等で消しておくこと。
・エル
専用の魔石が存在しており、青魔石と呼ばれる。青というほど青っぽくはなく、どっちかといえば水色。
真名は「水」。主な効果は水の発現。プートやゾエロと合わせると加湿のような効果が生まれる他、物質系に合わせるとそれを液状化させるような効果もあるらしい。
エルを用いた魔術は物質魔術と呼ばれ、実際私の目には魔力、というか魔素を水に変換しているように映っている。
エルによって生成される水は、自然界に存在している水とはやや違うものであるらしい。魔術水とでも呼び分けようか?
セレンから最初に教わった魔言の1つであり、日常生活でも呼び水等としてよく使っていたせいか、妙に魔力を消費しない。発現失敗もここ最近は全くないため、特に安心して使える魔言の1つ。リチよりは原理を理解できているせいかもしれない。
魔力を絶つと水は消えることをよく覚えておくこと。基本的には普通の水を使ったほうが良い。
基本属性詞の中では安定的な魔言。とはいえ魔力暴走を引き起こさないわけではない。
・ウィーニ
専用の魔石が存在しており、空魔石と呼ばれる。色がついているというよりかは、むしろ脱色しているような印象を受ける。他の魔石よりも透明度がかなり高い。
真名は「風」。主な効果は風の発現。ガイやゾエロと合わせると振動を吸収ような効果が生まれる他、プートと合わせた場合には腐食させるかのような挙動を取ることがある。
物質魔術に属するが、水中で使った場合には気泡が生じるわけではなく水流が発生する辺り、実は現象魔術なのではないかと疑っている。単に水中で蒸発しているだけなのかもしれないが……あるいは現象魔術と物質魔術というのはそこまで厳密ではないのかもしれない。
ユタが好んで使っていた魔言であり、間近で見ていたせいか、魔術を使おうとすると最初に浮かぶのはウィーニを含んだ魔術であることが多い。エルと同様に消費魔力はかなり小さく、発現失敗もダンやクニードであれば全くない。
ただしプートなんかと合わせた場合に発現率が極端に落ちる。もしかしたら実は向いていないのかもしれない。謎。
基本属性詞の中では不安定な魔言。魔力暴走を引き起こしやすく、私も何度か暴走させている。
・エレス
専用の魔石が存在しており、緑魔石と呼ばれる。かなり暗い色であり、深緑と呼んだほうが良いと思う。魔石の中では最も透明度が低い。
真名は「土」。主な効果は土の発現。付属する魔言に応じて発現する粒の大きさが変わるようだが、基本的には大きくなる方に変化するため、砂を作り出すことはできない。エルとは真逆、固形化させるような効果もあるらしい。
魔素をそのまま物質に変換しており、文句なしで物質魔術。
普段はあまり使わないものの、実は消費魔力はそこまで大きくはない。しかしこれを使うくらいならウィニェルやリズを使ってしまう。どうにも私はエレスの硬度調整が苦手らしく、土壁よりも氷壁の方が耐久性に優れている。
基本属性詞の中では非常に安定的な魔言。エレスが魔力暴走を引き起こす事はほとんどないが、レズド等一部魔言との相性は悪く、魔言の不発現を引き起こしやすい。
・ドイ
専用の魔石が存在しており、黄魔石と呼ばれる。魔石自体が緑っぽいせいか、黄色ってよりも黄緑が近い気がする。
真名は「雷」。主な効果は電気の発現。食らうと魔力の制御が難しくなるが、単に生理的なものなのか、あるいはドイによるものなのかは不明。今後試す予定もない。
現象魔術に属しており、私には電気を生み出す原理がさっぱり分からない。当然ながら発現率はかなり低く、一部の術式でしかまともに使えない。
掃除の時に使うと埃が取れて便利。静電気?
基本属性詞の中では最も不安定な魔言。魔力暴走を引き起こしやすく、その被害規模も大きくなりやすいらしい。過去に何度か災害を引き起こしている。特にレズド等性質系の魔言を加えないと暴走しやすいらしい。
ドイっぽい魔術を使う魔物は気性が激しいことが多いらしい。アニメキャラの区分か何か?
・ゼロ
専用の魔石が存在していないが、基本属性詞としてカウントされているため、もしかすると魔石とは全てがゼロの色魔石なのかもしれない。
真名は「魔力」。主な効果と呼べるようなものがなく、迷ったらゼロにしておけば大体なんとかなる。ゼロ・クニードは自身の魔力を放出する効果だが、別に当たっても何も感じないし、何の効果もない。魔力を感知出来る人への嫌がらせには使えるかもしれない。結構眩しい。
現象魔術に属しているが、魔素をそのまま魔力として使っているように見える。つまりは物質魔術でも良いとは思うんだけど、区分としては現象魔術だ。唯一の無変換と呼ぶべきなのかもしれない。
古くは装飾属性詞と呼んでいたらしいが、装飾詞との関係性は不明。
極めて安定的な魔言。基本的にゼロは暴走を起こすことはないと言われているが、実際のところどうなのかは分からない。相性の悪い魔言も存在していないらしい。
・複合属性詞
ウィニェルやエルィニなど、ゼロ以外の基本属性詞のうち2つを組み合わせたものの総称。複合詞とも。現象系だけ、物質系だけで混ぜ合わせたほうが発現率がいいらしいが、実感はない。
3属性以上の複合属性詞は確認されていない。一度試しに詠唱してみたことがあるが、発現には至らなかった。莫大な魔力、精密な操作、それでいてマルチタスクな人間なら出来ないこともないかもしれないが、現状の私には不可能。
2属性によるものは現時点では20種類存在しているが、私も全てを使いこなせるわけではない。基本的に安定性は高いものの、用いた基本属性詞によってある程度変動する。例えばドイを混ぜると暴走しやすくなったり、エレスを混ぜると暴走しにくくなったりする。
基本属性詞による足し算である複合属性詞は、基本的には物理っぽい挙動を示すものの、結構な割合でとんでも空想科学なものもある。ある程度ゲーム脳に侵された現代人なら使うことは容易いかもしれない。風+水=氷とかめちゃくちゃゲームっぽい。
ウィニェルとエルィニはウィーニとエルの順を入れ替えただけの複合属性詞であり、似通った挙動を示すものの異なる点も多々ある。前者であればウィーニが、後者であればエルが先になるためと考えられる。この事から魔術そのものと同様、同じ魔言を用いたとしても順によって性質が変わることが確認できる。
また複合属性詞は特殊属性詞に類似する魔言が多いらしく、複合属性詞から特殊属性詞を発見する試みも行なわれているとかなんとか。
実際私も「ウィニェルよりもリズの方が氷を作るのに向いている」と言われたことがある。該当する特殊属性詞が扱える人間にとって、複合属性詞とは効率の悪い旧技術といった扱いなのかもしれない。
ウィニェルであればウィーニ+エルの複合属性詞であり真名は氷となるわけだが、エル・クニードにプート・エレスやゲシュ・ウィーニでも氷を作り出すことは可能。もしリズが未発見であったとしても代用する手段が存在している辺り、複合属性詞とは単に術数を1つ節約できる程度の存在なのかもしれない。
一部の特殊属性詞は基本属性詞との間で複合属性詞を作ることが確認されている。現時点では「特属詞による複合詞」と書かれていたため、単に複合属性詞と呼んだ場合にはやはり特殊属性詞由来のものは含まないようだ。
数が多いためそれぞれの詳細は別ページにて。
・特殊属性詞
まだまだ未開拓な魔言群。専用の色魔石は存在しておらず、属性詞としての挙動を取り、それ以上分割できない魔言のこと。特属詞と略されることも。
例えばウィニェルはウィーニとエルに分割できるため特殊属性詞ではなく複合属性詞となり、エルは分割できないものの魔石が発見されているため基本属性詞となる。何故ゼロが基本属性詞なのかは不明。
私が知っている魔言は現状4つしかなく、そのうち発現させられるものは2つ。更に実際に使っているものとなると1つだけになる。
複合属性詞とよく似た挙動を取る魔言が存在しており、リズであればウィニェルが、デヌスであればエレセルがこれに当たる。特に後者はエレセルという複合属性詞を元に発見された魔言であるらしい。
一見すると既に似た複合属性詞を扱えるならば、例えばウィニェルを扱えるならばリズを習得する必要性は薄く見え、実際どちらもクニードと合わせれば氷を発現させる。
しかしゾエロと合わせた場合ではウィニェルが体表の摩擦を減少させるような挙動を取るのに対し、リズはゾエロ境界から熱を奪う挙動になるなど、明確な違いも存在している。
このように差異が存在することから、使わなくとも使えるようにはなっておいたほうがいいと思われる。
また全てが複合属性詞と似ているわけではなく、無関係に思われる魔言も存在している。不明1などはその筆頭。
属性詞っぽい魔言は一度全て特殊属性詞に分類し、色魔石が存在するものだけを基本属性詞に分類し直したのかもしれない。ゼロがなぜ基本属性詞になるのかは……やはり魔石とは全てがゼロの色魔石なのかもしれない。
特殊属性詞のうちいくつかは複合属性詞が確認されている。上の考察が正しければ、リズやデヌスが基本属性詞として扱われる日も近いのかもしれない。私達が水魔石や緑魔石と呼んでるものは、案外リズやデヌスのものだったりして。
・リズ
特殊属性詞の中では最も研究が進んでいる魔言であり、元は冷蔵庫なんかの魔道具に使われてた熱流と呼ばれる魔法陣を再編したうちの1つ。実際に"うちの1つ"とあったので他にもあるらしい。
類似複合属性詞はウィニェル。真名は「氷」。主な効果はそのまま氷の発現であり、一見すると物質系に属するかと思われるが、氷を発現させずに直接熱を奪う効果も多く、未区分魔言の1つになっている。乾燥してる場所でも使える辺り、空気中の水分量は関係無いらしい。
他の属性詞とはかなり性質の違う魔言のように思われる。というのも普通魔術は一時的に何かを生み出す(リチであれば熱、エルであれば水分子?)挙動を取るのに対し、リズ(と不明1)だけは完全に失わせる挙動を取れるため。ウィーニも音を完全に消しているわけでなく、一時的に保持しているだけ。変に構築した場合は解除時に爆音が発生する。
奪われた熱がどこに行くのかはさっぱり分からない。ウィニェルの場合は魔術を解除すれば失われていた熱は戻ってくるのに対し、リズは完全に失われてしまう。
私の知らない他の魔言にも同様の挙動を取るものがあるのかもしれないし、特殊属性詞が本当に"特殊"なのかもしれないが、少なくともリズはルール違反を犯している。
リチとの複合属性詞リクイズは熱を奪う火を発現させる。元ゲーマーとしては"冷たい火"と言われても簡単にイメージできてしまい、発現させられた。見た目は普通の火と変わらない。
逆の複合属性詞リズィックは常温で溶けない氷を発現させる。こっちは使い道が不明。触れても冷たくは感じないが、熱伝導率が極端に小さいだけなのかもしれない。
ウィーニとの複合属性詞ウィニィズは周囲の気体から熱を奪う。リズ単体で発現させた場合と違い、ある程度指向性を加えることができるようになるものの、ウィニィズ・クニードよりもプート・リズ・フィールの方が融通が利くため、今の所出番はない。もちろん、フィールを使いこなせればの話だが。
逆の複合属性詞リズィニは不発現を繰り返しているため不明。ウィニィズがある以上リズィニも発現させられるはずだが。
・デヌス
特殊属性詞の中ではかなり古くから知られている割にあんまり活用されていない残念魔言。
類似複合属性詞はエレセル。真名は「泥」。主な効果は泥の発現であり、物質系に属している。
ぶっちゃけエレス・クニードにゲシュ・エルやプート・エルの形を取ったほうが色々と使いやすいため、少なくとも戦闘時には全く出番がない。では生活魔術として使えるのかと言われれば、またそれも難しい。
サンは魔導ギルド所属時代にこれを研究していたらしい。そのサン自身が「使い道が分からない」って言ってたので多分本当にダメな魔言なんだろう。私としてはいくつかの搦手に使えないこともないとは思うが、エレスの方が扱いやすいのは確かだ。
安定性はピカイチでほぼ魔力暴走を引き起こさないらしい。すごいね。エレスも暴走しないけどね。
特に記述はされていなかったが、サンによると複合属性詞が複数確認されているとのこと。ゼロ同様魔石の見つかってない基本属性詞と考えても良さそうだが、何か問題があるのだろうか。
・ドゥーチ
特殊属性詞の中では結構新しい。発見者はユストリア・フェノン・マーザーとイルナディン・マーザー・フェノン。名前からは男女の兄弟もしくは夫婦と思われるが、詳しい人物像は不明。どちらにせよロニーと同世代くらいの少し古い人間に思える。
類似複合属性詞は存在せず、敢えて挙げるならプート・ウィーニや~タイナに似た挙動を取る。真名は判明しておらず「歩み」の仮名を割り振られている。主な効果は腐食や風化であり、現象系に属しているらしい。
属性詞であることから座標現象詞のタイナと違いめちゃくちゃ使いやすそうではあるが、誤爆が怖そうな術でもある。
複合属性詞と違い単体の魔言であり原理を知らないため、残念ながら私は全く発現させられない。そもそも現象魔術自体があまり得意ではないため、詳しく知っても発現させられない可能性がある。
元はサンから聞いたものだが、サークィンで見つけた本の方が詳しかった。エレイメンという人間を調べてみるのも面白いかもしれない。
・アガニ
リズと同時期に発見された比較的古い魔言。発見者はメルナディン・ユーム・ミースト。エレイメンによる書物からのみの情報と1つの視点である点に注意。
類似複合属性詞はリテルス。真名は判明しておらず、仮名として「熱源」が割り振られている。主な効果は「高温・高粘度の流体」の発現らしいが、「溶岩」が真名でない辺りリテルスとは違う物質らしい。
リテルス、アガニは共に私が扱えない魔言であるため直接観察によるものではないものの、アガニの方がより高温であるらしく、またリテルスはプートと合わせた際に不発現を引き起こすものの、アガニの場合は引き起こさないらしい。
リテルス同様ダンとの相性が悪いらしく、遠距離攻撃としては用いることができないらしい。溶岩砲とかめちゃくちゃ強そうに聞こえるのだが残念だ。生活魔法に用いることも難しい魔言であり、戦闘にも使いづらいとなれば、研究があまり進んでいないのも頷ける。
・不明1(クワイタ)
サークィンの本に載っていた不明の魔言。魔言自体は秘匿されているものの、その概要は載っていた。
デヌス以上の古株であり、以前は装飾属性詞に含まれていた魔言。装飾属性詞という言葉自体は400年くらい前になくなったらしい。由来は不明。
ドイ以上に不安定な魔言であるらしく、研究はほとんど進んでいない。竜の壁と呼ばれる大地を作り出した大災害の原因にもなったという噂があるらしい。
当然ながら真名は不明。「消せ」と唱えることが多いらしいが、これすらも暴走の危険を孕んでいる。類似複合属性は確認されていない。
魔言自体の挙動は「失わせる」「リズに似ている」と書かれていた。リズは熱を失わせる魔言でもあるが、こちらは何を失わせるのかは詳しく書かれていなかった。例えば物質そのものを消してしまうだったり、そういった魔言なのかもしれない。もしそうであれば、発生地点の物質を粉砕する魔力暴走よりも恐ろしい魔言の可能性もある。そりゃ禁忌とされても仕方ないね。
何者かによる手書きで「クワイタ」と書かれていた。ただの落書きかもしれないが、魔言の可能性もある。怖いから唱えはしないけど、覚えておいて損はないかもしれない。クワイタという響きに覚えがあるのは何故だろう?
・不明2
サークィンの本に載っていた不明の魔言。魔言自体は秘匿されているものの、その概要は載っていた。
デヌス以上の古株であり、以前は装飾属性詞に含まれ……概ね不明1と似た魔言であるらしい。
ただし魔言自体の性質はかなり違うものであるらしく、仮名として「創れ」が当てられている。不明1が消す魔言、不明2が創る魔言……混沌と創造だろうか。
不明1も同様だが魔力供給を終了させても魔術が蒸発しない、つまりは魔法のような魔術になるらしい。この魔言も非常に不安定であるらしく、禁忌とされている魔言の1つ。
こちらには特に落書きはされていなかった。
・不明3
サークィンの本に載っていた不明の魔言。傷みが強く読み取れなかったものの、あまり長い魔言ではなさそう。
類似複合属性詞はドイィニ。真名は不明であり、仮名として「力」が割り振られている。主な効果は金属を引きつける性質の付与とあったので、おそらくは『磁力』かなんかだと思われる。
ドイィニ、つまりドイ+ウィーニの類似特殊属性詞ということもあってか、非常に不安定らしい。残念ながら私はドイィニ自体も扱えないので、実際にどんな魔術になるかを現状詳しく書くことは出来ない。
『磁力 iez pyscho dw jiryok. Jiryok iez haurom dw ... deq Romnis joug-ez jiryok. Jiryok iez deuzen dw arfoun 日本語 iez maund bows nemmue Deq 磁場, 電流, deQ.
こちらの言葉での磁力をしらないため、日本語でかいている。よみかたは"じりょく"または"jiryok"。早めに貝つけること。』
3,現象詞
属性詞に出てくる現象系や現象魔術といったワードとは別の概念。
大まかに分けて2つのグループに分けられる。
1つはクニードやダン、ゾエロといった発現のさせ方を設定するっぽい方の魔言。もう1つはウニドやウズド、レズドといった性質を設定するっぽい方の魔言。
私の中で分けているだけで、一般的には合わせて1つの現象詞と呼んでいるが、どうにも1つ目の方を付けないと魔術の発現率がガクッと下がるので、多分微妙に違うと思う。
属性詞ではない魔言のほとんどはこれ。どんなものかと一律に説明することは難しい。新しい魔言も比較的多く、今は使われていない魔言も結構ある。
必要だと感じた魔言のみを記す。
・クニード
現象詞としては前者に当たる魔言であり、ダンにも似た性質を持つ魔言。
真名は「発生」であるが自由度が非常に高く、めちゃくちゃ雑に真名をいじっても基本的には発現させられる。
例えば「溢れよ」「現れよ」「出でよ」「流れよ」……なんとなく「発生」させるっぽい真名なら大体対応してくれる柔軟性の凄いやつ。
発現位置もかなり自由が利き、大体体表から1mまでの距離であれば好きな位置を選ぶことができるし、発現させた後からある程度動かすことも可能。ただし離せば離すほど消費魔力が増えるし、発現させたもの自体をテレキネシスのように動かすことは単体ではできない。
固くしたり、柔らかくしたり、小さくしたり、大きくしたり、流量を増やしたり、逆に減らしたり……とにかくクニードはなんでもできるし、離しすぎなければ消費魔力はかなり小さい。いわゆる生活魔術のほとんどはこれを用いる。
・ダン
現象詞としては前者に当たる魔言であり、発射に特化させたようなクニードといった印象。つまりクニード系。
真名はその通り「発射」であるがこちらも自由度は高く、「撃て」「穿て」「放て」「貫け」……なんとなく「発射」っぽい真名なら大体対応してくれる。
クニードとの違いは発射後の消費魔力であり、距離を離しても消費魔力は常に一律。しかし距離が離れるにつれ維持が難しくなるため、魔力さえあれば良いという話でもない。
形状に関する自由度はクニード並に高く、発射速度もクニードと違いいじることが出来るが、発現位置は体表から約7cmとほぼ固定されているし、発射速度を0にすることはできない。そのため完全にクニードの上位互換って感じではない。
レズド・クニードであれば発現後の位置や勢いの調整が可能だが、ダンの場合は魔術を維持し続けるか蒸発させるかくらいしか受け付けないため、ボールを投げる感覚に近い。発現前には回転速度等を細かく設定できるものの弾道自体を直接指定することはできない。
クニードよりも優れた発生速度や多岐に渡る設定項目から、魔術師はほぼ全員がこれをメインにしているらしい。実際、私の使う攻撃魔術のほとんどもこれだ。
その割には比較的新しい魔言であるらしく、レアという人物によって見出されたとか。発見以前の魔術師はガドゥートという魔言をよく用いたらしい。
なお何かにぶつかるなどして静止した場合、維持を意識していないと蒸発してしまう。別の物体へ移された運動エネルギー自体は消えない。発現時には反動が返ってくるため、ゾエロなしで強く練り上げるのは危険。
・シュ
現象詞としては前者に当たる魔言であり、若干ガイっぽさもあり、恐らくはクニード系だろうが性質は少し異なる。これもレアの魔言の1つ。
真名は「放出」であるが比較的自由度が高く、「撃て」「放て」「溢れろ」「現れよ」……ダンやクニードで適用できる真名は概ねこちらでも対応してくれている。しかし「穿て」など一部は不発現になる。
最も特徴的なのはその発現速度であり、クニードやダンとは比べ物にならないほど早い。ダンやクニードと違い、発現直後から蒸発し続ける。そのため遠距離攻撃には全く向かず、生活魔術としてもクニードほどは用いられない。
形状等の自由度も2つほど高くなく、発現位置も体表から約1cm程度と固定されている。
その発現速度から近接魔術師や戦士が好んで使うらしく、ロニーの使う空蹴もクニードではなくシュ。私も練習こそしているが、日常生活でもよく使っているクニードよりは安定せず、またクニードほど設定できる項目も多くないため、使いこなせているとは言い切れない。
一部の属性詞はクニードとシュで大きく効果を変えることがある。例えばシュ・リチは熱を生むが、リチ・クニードでは火を生む等。ついでにシュは術式の頭に持ってこないと何故か発現しなくなる。目立ちたがり屋なのかはともかく、クニード系とするにはやや特異な点。
・ガドゥート
現象詞としては前者に当たる魔言であり、今はほとんど使われていない魔言。ダンで触れたため例外的に記述する。ダンとシュが無い時代では、戦闘向けのクニードという評価で落ち着いていたらしい。
真名は「伸びろ」に限定され、変化させられない。エルの場合はある一点から水を生成し続けるような挙動になるが、生成された水は術の設定に応じて一方向へと直進し、何かにぶつかると蒸発する。
発現速度はクニードよりやや遅く、ダンやシュとは比べるまでもない。発射速度はダンよりも遅いものの、クニードよりはかなり速い。シュとはほとんど同じに見える。射程距離はクニードやシュを大きく引き離すものの、ダンには大敗している。
ガドゥート自体、ある程度流れを操る魔言であるらしく、シュ・レズドやレズド・クニードに似た魔言でもある。レズドとの相性は非常によく、術式の操作性だけで考えた場合は未だにガドゥートの方が上らしい。
しかし消費魔力がかなり大きいらしく、魔術師が魔術を見せたがらないというのはこの魔術のせいかもね、とロニーが言っていた。
クニードによく似た挙動を取るが、魔力の維持を終了した際は新しい水から消えていく。水鉄砲……いや、威力を考えると放水砲が近いかもしれない。
前述の通り、操作性だけは未だに最高の術式であるため、催し物などでは未だに使われることもあるらしい。とはいえシュ・レズドとレズド・クニード、そしてレズド・ダンがある現在では戦闘用には用いられていない。
ロニーはガドゥートを実際に使っていた世代だが、サンはそうではないらしい。2人の年齢差を再認識することになった。
・プート
現象詞としては前者に当たる魔言だが、単体での発現率が低いことから後者の可能性も結構ある。恐らくはクニード系だが、シュとプートとガイの3つはシュ系とした方が良いかもしれない。
本来の真名は「変化」だが合わせる属性詞によって大きく変化する。例えばプート・リチでは「熱せ」、エルでは「溶かせ」が基本となり、自由度はあまり高くない。
組み合わせた属性詞により大きく変化してしまう魔言であるため、一律の説明は難しい。
リチでは加熱または炎上、エルでは加湿または液状化、ウィーニでは腐食、エレスでは固形化または結晶化、ドイでは魔力暴走、ウィニェルでは摩擦力の減少、リズでは減熱、デヌスでは流体化を引き起こす。
いまいち法則性が掴めないものの、おそらくは属性詞に応じて2つの効果を選択できると思われるため、知られていないだけでウィーニ等はもう1つあるのかもしれない。
シュ同様術式の頭に持ってこないと発現しなくなる。シュとプートを同時に扱う場合ではシュ・プートの形を取ることになるが、発現率は下がる。基本的には別々に分けシト等で接続した方が良い。
・ゾエロ
現象詞としては前者に当たる魔言であり、体表全体からシュを発現させるような魔言。
真名は「纏身」であり、自由度は高くない。基本的には「纏われ」で運用するのが正解で、それ以外の真名で作り変えようとしても大体低スペックな残念魔術が生まれることになってしまう。
自身の体表全体を魔力で覆い、その魔力を他の魔言に応じたものに変換させる効果がある。シュ同様クニードとは効果の違う属性詞が多いため、属性詞はクニード系とゾエロ系でそれぞれ書き直すべきかもしれない。
体表全体をと書いたが、実際には体内の魔力も変質させているらしく、例えばゼロやドイ系のゾエロでは身体能力がかなり上がる。闘気の使えない私にとっては生命線とも言える。
慣れれば鎧や武器といったものすらも、自身の体の一部としてゾエロで一緒に包むことができる。ドイ・ゾエロかドイ・トウは使えるようになると掃除が捗る。
フィール・ゾエロの形を取ることで空間そのものに作用させることも可能。その場合は強化というよりかは変性させるような挙動を取る。
例えばリチ・フィール・ゾエロであればその空間内の熱を増加させるが、リチ・ゾエロの場合は体温を維持する魔術になるなど、やや特殊な変化もある。
フィール・ゾエロの形を取っても他者に掛けることはできない。厳密には他者ではなく魔力の濃度が高いモノ全般だが、単に魔力が濃いだけであれば相応の魔力を用いれば領域を上書きすることができる。
魔力を持った生物の場合、その生物自体から魔力が生み出されるためか完全な上書きができず、掛けることは非常に難しく、効果の維持なんて全く考えられない結果になってしまう。同じ魔力ならゾエロを掛け合えるかもと昔ロニー辺りから聞いたことがあるが、ここらへんの話だったのかもしれない。
魔石に対しても掛けることはできない。少なくとも私の魔力量・操作精度ではできない。
・ガイ
現象詞としては前者に当たる魔言であり、体表の一部にゾエロを発現させるような魔言。設定要素はゾエロ系。レアの魔言の1つ。
真名は「硬化」であり、自由度は高くない。基本的には「覆え」もしくは「防げ」と唱える事が多く、発生速度はシュに並ぶ。
瞬間的な防御性能としてはゾエロを圧倒するものの、消費魔力が大きすぎるせいか、性能の割に使う人がほとんど居ない。そして残念ながら私もあんまり使えない。だから詳しいことは分からない。
属性詞は基本的にはクニード系になるが、異なるものもかなり多く、どちらかといえばシュに近い。
比較的新しい魔言であり、レアという人物によって見出されたらしい。
・トウ
現象詞としては前者に当たる魔言であり、得物にシュやゾエロを発現させるような魔言。つまりゾエロ系と思いきや、むしろクニード系の方が近い。レアの魔言の1つ。
真名は「刃身」。ガイと違い自由度がかなり高いらしく、「裂け」「覆え」「砥げ」「放て」「溢れよ」……もうなんでもござれだと言っていた。ゾエロ系のクニード枠なのかもしれない。
自由度の高さの割にパッとしない効果が多く、ウィーニ以外は戦闘向けにはあまり使われない。ドイ・トウによる箒の性能アップはあまりに有名。
唯一ウィーニだけは振りが早くなったり、風切り音が鳴らなくなったりと便利な効果があるらしく、たまに使ってる人を見る。ついでにプートと合わせると化学反応でも起きるのか、一転して戦闘向けになる。
・レズド
現象詞としては後者に当たる魔言であり、流れを操るような魔言。
真名は「拡散」であるが、広げるだけでなく集束させるようなことも可能。自由度は後者にしてはかなり高め。
後者だとは言ったものの、レズド単体での発現率はかなり高く、後者としては珍しくかなり細かく操作できるため、どちらかと分ける事自体が良くないのかもしれない。
生の魔素そのものの変化は難しいらしく、基本的には魔術に変換された魔力を操るために使う。例えば既に放った魔術の弾道をいじったり、これから放つ魔術の挙動を設定したり。頑張ればジグザグ魔球も投げられるけど、消費魔力がとんでもなかったので二度とやらないと思う。
ウズド・ウニドと音が似ていてたまに間違えそうになるが、間違えてもまっすぐ飛んでくれるので問題はない。
・ウニド
現象詞としては後者に当たる魔言であり、プート・エレスやプート・リズに似た魔言。
真名は「凝固」。自由度はかなり低く、ズビオと被ってることもありあまり出番がない。硬度自体はこちらの方が上であるため、使い所が全く無いわけでもないが、大体の場合ズビオで事足りる。
レズド・ウズドと音が似ていてたまに間違えそうになるが、間違えても固くなるだけなので大丈夫。
・ウズド
現象詞としては後者に当たる魔言であり、爆発する魔言。
真名はその通り「爆発」であるが、なぜ氷が爆発するのかとか考え始めると発現しなくなっちゃうので考えないことにする。自由度はかなり低く、ほとんど変化させられない。
レズド・ウニドと音が似ていてたまに間違えそうになる。クニードやシュでも問答無用で爆発するので特に気を付けたい。
特にシュと合わせた場合では蒸発時に爆発する挙動を取るため要注意。ダールの学校では数年に一度、これで指を無くす子が出るらしい。サンのような魔法療術師は食いっぱぐれない。
・ズビオ
現象詞としては後者に当たる魔言であり、圧縮する魔言。
真名はその通り「圧縮」であり、他に説明のしようがない。なぜ水が氷にならないのかとか、気圧を上げるんだから水蒸気になるんじゃないのかとか、そこらへんを考え始めると発現しなくなっちゃうので考えないことにする。自由度はやっぱり高くない。
消費魔力はウニドの半分程度とかなり軽く、しかし挙動はほとんど同じ。硬度を目的にした防御術として使う場合のみ、ウニドの方が適している……ことがある。ぶっちゃけウニドの上位互換だと思ってる。おそらくウニドは廃れていく途中の魔言なんだろう。
・キュビオ
現象詞としては後者に当たる魔言。
正しい真名は「吸収」だが自由度が非常に高く、3種類の真名を持っているとも言われる。
1つ目の真名はそのまま吸収であり、付近の魔力を吸い集め、術式によっては集めた魔力をそのまま用いることができる。アルアとの違いは既に発現させた魔術にも対応する点だが、対象魔術の術式を正確に理解していなければ発現しない。
2つ目は消失。吸い集めるまでの挙動は同じだが、集めた魔力をそのまま霧散させてしまう。この際魔素がどこに行くかは全くの不明だが、完全に消失してしまう。
3つ目は転移。被術者の流した魔力を用い、別の魔術に再利用することが可能な術式。1つ目に似るが正確に術式を知る必要がなく、代わりに接触する必要がある。他魔言との最大の違いは主導権が被術者にある点であり、被術者が魔力供給を断つことで魔術が終了される。
どの真名でもある程度流れを操る魔言であるらしいが、レズドが自身の魔術に作用するのに対し、キュビオは魔素全体に効果を及ぼすのが最大の相違点。この対象には魔素が含まれている物質そのものも含まれるらしく、実質的にほとんど全ての物質、なんなら現象にすら対応している。
例えば音を殺すために使うならウィーニやレズドよりも断然こっちの方が相性が良い。ただしレズドに比べて消費魔力がかなり大きく、また制御も難しい。私はこれで魔力暴走を何度も引き起こしている。
1人以上の魔力を用いることができる魔言であるため、複数人で1つの魔術を発現させるといった使用方法もあるらしい。
4,座標現象詞
座標を指定しなきゃ発現させられない現象詞のこと。比較的新しい魔言群であるらしく、全てジステルダという人物によって見出されている。
座標とかいう難しいワードが出てきたせいで難しそうな魔言だと思ってたけど、慣れれば案外簡単だった。
ただ座標を指定するためにはゼロ・クニードではなく生の魔力を広げる必要があり、またここに含まれる魔言の全てが途轍もない消費魔力になっているせいで、使える人はかなり少ないらしい。
幸い私は魔力が多いし、魔力視によって正確に自身の領域を確認できるため、相性が良いのかもしれない。
このグループは滅多に不発現を起こさず、その代わりか魔力暴走を引き起こしやすい。
・フィール
真名は「領域」。指定座標を中心に広範囲に魔術を発現させる魔言。エル・フィールでは発現させられないため、どちらかといえば後者のグループに属していると思われるが、ダンと合わせると魔力暴走を引き起こす。プート・エル・フィールの形では発現させられる。
魔術を発現させる前に予め自身の領域を広げておく必要がある。私の練度では広げた領域全てを指定するのみだが、練度が上がれば領域の一部分のみに発現させることもできるとか。
割と新しい魔言らしく、今まで読んだ録石にはほとんど言及されておらず、図書館でも記述されている書は1冊しか見つけられなかった。詳細に記述されていたものの、1つの視点からの情報であるため、情報不足としておく。
・レンズ
真名は「空間」。魔力の発現位置の基点を自分自身から指定座標へと変化させる魔言。前者を助けるための魔言と考えたらいいかもしれない。
レンズ・クニードとすると位置指定がめちゃくちゃ難しくなり、集中しないとすぐ変なところに出てきたりする。
レンズ・ダンとすると発射方向の指定が難しくなり、自爆してしまうことがある。というかした。
フィール同様『魔法への道3:高等魔言とその実例』に載っていた魔言。『魔法への道2』も読んでみたい。
・リニズ
真名は不明。仮名として「移せ」が割り振られている。他の座標現象詞と違い、座標を二点指定する必要があるらしく、読んだ限りにはなるが恐らくは転移系の魔言。
ただ座標指定のための領域拡張ってめちゃくちゃ魔力使うのに、それで無理やり二点を指定したとして、その短い距離をワープできたからといってどうするんだろうか。
自身の前後を指定して、正面から飛んでくるものを後ろにワープさせたり……いや、素直に土壁とか使ったほうが良いような。
もしかすると魔道具なんかで使えばいい感じになるのかもしれないけども、魔道具に領域を拡張させるってどういうことなのか私にはさっぱり分からない。
・ソルド
真名は「現象」。現象詞に現象があるという奇跡の魔言。真名こそ書いてあったものの一切の説明が省かれていたので詳しいことは不明。
当然ながらジステルダシリーズ。消費魔力がとんでもなさそうだし、下手に暴走させるのもマズイので詠唱したことはない。
現象魔術に現象の真名を持つ現象詞をつけたら……一体何が起こるんだろうか。頭が痛くなりそうだ。いや、頭の頭痛が痛くなる、か?
・タイナ
真名は「時間」。指定座標を中心に一帯の時間を急速に進める魔言。
時間とあるが進めることはできても戻すことはできないらしく、この世界でも時間は一方通行なのかもしれない。仮名は「進め」だったらしい。
座標現象詞の中では発現させるまでに最も時間が掛かる上、療術として使う場合は座標の指定だけでなく魔力の同調も必要となる。
療術以外に使おうとしても、発動までの時間のせいで攻撃用としては全く使うことができない。
多分塩とか作るのに便利だと思う。いやリチで蒸発させた方が早いかも。
ジステルダシリーズの中ではかなり初期に見つかったものらしく、発見から100年以上経っているらしい。ジステルダって人はまだ生きているんだろうか。
・不明4
音、真名共に不明。効果はフィールに近いらしいが、基準点が変わると書いてあった。むしろそれしか書いてなかったとも言える。
何これ。
5,関係詞
デルア、アルア、シト、ゲシュの4つだけ。性質的にはプートもこちらに入りそうな気もする。
デルアとアルアのグループ、シトとゲシュのグループの2つに分けられる。もしプートを入れる場合では後者だろうか。
どれも術式の頭に持ってくる必要があり、優先度はデルア=アルア>ゲシュ=シトとなっている。デルアとアルアは同時に使わないし、ゲシュとシトも同時には使わないため、本来どちらが上なのかは不明。
前者のグループは真名が見つかっておらず、後者のグループは真名を持たないようだ。
・デルア
「混ぜて」「混ざり」といった真名を付与する必要があるため、恐らくは真名が見つかっていないだけ。つまりは仮名。
その通り自らの魔力と他の魔力を混ぜ合わせて魔術を発現させる際に使う魔言。
療術くらいでしか私は使っていないが、これを付与してあげれば自身の消費魔力がかなり減る。
その一方で発現までの時間は大きく伸びるため、戦闘中に使うのは難しい。もし使いこなせるようになれば、ダンジョン内では魔力をほとんど気にすることなく魔術を使えるようになるはず。
・アルア
「その」の真名を付与する必要があるものの、やはり仮名であるらしい。
自らの魔力を一切使わず、他の魔力だけを用いて魔術を発現させる際に使う魔言。
私はほぼ使えない魔言だが、使いこなせれば魔力消費をほとんど無しで魔術を発現させられることになる。発現までの時間はデルアよりも短い。
魔道具由来の魔言。
・シト
「これを」といった真名を付与すると消費魔力が減るものの、無くても発現する真名無し魔言。
指定した対象に対して効果を及ぼす魔言だが、基本的にはシトと言わずとも触ってさえいれば同じ効果を発現させられるため、熱すぎて触れないものなんかに対して使う魔言。
・ゲシュ
「これを」といった真名を付与すると消費魔力が減るものの、無くても発現する真名無し魔言。
シトとほとんど変わらないものの、こちらは対象先が自身の魔術と限定されており、またゲシュ以下の魔術を個別に解除することができる。
例えばエル・ダン、ゲシュ・プート・エレスで氷弾を放ち、途中でプート・エレスのみを解除して水に戻す……といった感じで使える。
またエル・クニードに対してプート・リチ・クニードをすると表面から蒸発するが、ゲシュ・プート・リチであれば一度に全体が蒸発するため、自らの発現させた魔術への干渉力を上げるためにも使える。これはシトも同様。
上手く使えば魔術の幅がぐっと広がる。私のお気に入り。
6,力詞
魔言の性質を変更させるもの。現在発見されているのは6系統。
このグループは真名を持たない。
複合属性詞のように他の魔言と接続させることができ、その方が魔力の操作が減るため楽。しかし細かな操作を受け付けないという欠点も生まれるため、マニュアルかオートマみたいなもんかもしれない。
・アロ、イロ、イレロ
弱体詞とも呼ばれる。それぞれ「劣る」「より劣る」「微弱に」といった真名を付与すると効率的。
エル・クニードをエル・アロ・クニードとすると発現する水の量と勢いが少なくなる。
魔術は弱める際にも消費量が爆発的に伸びていくため、あえて弱めたい場合はこちらを使ったほうが良い。
戦闘にはさっぱり用いられない魔言だが、生活魔術や魔道具なんかでよく使われている。弱火にしたい時はゲシュ・アロと唱えよう。
・ニズ、セブ、セベル
多量詞とも呼ばれる。それぞれ「多く」「より多く」「大量に」といった真名を付与すると効率的。
エル・クニードをエル・ニズクニードとすると発現する水の量が増える。ニズエル・クニードやニズ・エル・クニード、エル・ニズ・クニードでも同様。
クニード自体で制御するよりも、こちらの魔言を付与した方が消費魔力は減ることが多い。しかし術数が増えて制御自体が難しくなる。魔力に余裕がある場面ではわざわざ使う必要もないかもしれない。
・ニズニ、ニゼブ、ニゼベル
広量詞とも呼ばれる。それぞれ「広く」「より広く」「広大に」といった真名を付与すると効率的。
エル・クニードをエル・ニズニ・クニードとすると水の発生地点が広がることになる。
以下同文。
・イゲ、ニグ、ニゲル
力量詞とも呼ばれる。それぞれ「強く」「より強く」「強力に」といった真名を付与すると効率的。
エル・クニードをエル・ニグ・クニードとすると勢いよく水が流れるような魔言。
以下同文。
・ゲイゲ、ゲニグ、ゲニゲル
硬量詞とも呼ばれる。それぞれ「硬く」「より硬く」「堅牢に」といった真名を付与すると効率的。
エル・クニードをエル・ゲイゲ・クニードとすると、特に何も変わらない。
リズ・ダンをリズ・ゲイゲ・ダンとすると貫通力が上がる代わりにやや砕けやすくなる。ウニドと似た魔言だが、ウニドの場合は砕けづらくもなる辺り、若干違うことが分かる。
以下同文。
・ログ、ジト、ジテル
長量詞とも呼ばれる。それぞれ「長く」「より長く」「長大に」といった真名を付与すると効率的。
クニードなどと合わせると魔力を切った後でもしばらく持続する魔術となる。便利そうに聞こえるけど、魔力送り続けとけばいい話。
「長さ」を指定できる魔言自体が少なく、相性が悪いのか不発現が多い。使い所はあまりない。
7,数詞
魔言の性質を変化させるもの。力詞とそう大きくは変わらない。
このグループは真名を付与する必要が全くない。
・リュ、ヴ、ラ、ティ、キュ、プ、ア、ヴェ、テ
それぞれ2、3……10の意味になる。もっと大きな数字もあるけど大体ここまで。
数字は呪人語、魔人語共にそれぞれオウ、アラ、イヴ、ラーハ、ロウ、ララ、リヴ、サム、ソウ、サラと発音するため、普段使われる言葉と魔言との間に共通点は恐らくない。
エル・リュ・クニードでは水が2本流れることになり、リュ・エル・クニードでは2倍の水が流れることになる。その性質上シュのような魔言に使うことはできない。
2のリュであれば消費魔力は2倍、3のヴであれば3倍になるが、4のラであれば5倍になり、ティまでいくと8倍近くになる。そのためあんまり大きな数字は使えないし、魔術を連続発現させた方が絶対に良い。
4-0,生活魔術
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書籍
・シロクヮーナ・エレイメン『魔術のルーツ』
・シロクヮーナ・エレイメン『魔導』
・ハイペスト・ブーチャ・シングライド『魔法への道:外魔力と相対魔力』
・ハイペスト・ブーチャ・シングライド『魔法への道3:高等魔言とその実例』
録石
・魔導ギルド『魔術初級書。魔力の制御と魔言、魔術の構築について』
・魔導ギルド『魔術中級書。理と発展的術式』
・ハイペスト『魔言の危険性』
・不明『竜殺しのノジミ』
・不明『飽くなき知識欲』
・不明『北部帝国の真実』
・不明『魔術と魔法。その概念』
・不明『伝説と現実』
・不明『生存』
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メモ
録石は著者不明のものが多いため、本のがいいかも。
魔術上級書は魔導ギルドの中級員以上しか読めないらしいからそのうち入会も考えとく。
頻出する人物……エレイメン、シングライド、ジステルダ、レア。




