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十六話 ロニーの剣術2

 目の前の岩を砕くための魔術、イメージはウォーターカッター。細く、速く、鋭く……見えた!


エル・クニード(水よ、穿て)!!」


 私の手から水が勢い良く放たれる。


そして岩を……岩の表面を少し削った……。


「すごいねアン。真名の書き換えももう出来るんだ」

「あれ、真名書き換えてた?どうやったんだろ?……むー、壊せないよこんなの」

「魔術で生成だけじゃなくて硬度も上げてるからね……それでも闘気を使えば簡単に、壊せてしまうんだ」


 喋りながら足を持ち上げ、岩を踏み抜く。粉々に砕かれた岩の破片が撒き散る。

 必死にイメージした私のウォーターカッターなんて意味がなかった。砂を混ぜたら……追加(ゲシュ)で土入れたらいけたか?いや、多分無理だな。なんかすげえ粉々になってるし、さすがに同じようにはいかないだろ。


「……うわー凄い。これが闘気?」

「うん、闘気は肉体を強化する魔術のようなものなんだ」

「魔術ってことは、パパの闘気を私に掛ける事は出来るの?」

「いや、人それぞれ魔力の質が違うから出来ないんだよ。全く同じ質を持った人同士なら出来るかもしれないけど……親子でも全然違っちゃうから、基本的には出来ないって考えていいだろうね」


 ……双子とかならいけるのかな?いやどうだろ。虹彩認識とかはちゃんと見分けるって言うしな。魔力もそんな感じで全然違うのかも。

 にしても闘気ヤバくね?化け物じみた動きはこれが原因だったのか。でも自分専用魔術か……闘気極振り姫プレイとかはさすがに出来ないのね。今ならネカマじゃなくてガチ女なのに……!


「剣を教えて欲しいって言ったよね。僕のは我流だけどいいのかい?」

「うん。使えればなんでもいい」

「正直だねぇ……アハハ」


 我流、か。そのうちちゃんとしたのは習うとして、今は使えればいい。と言うか、前に見た魔術で剣を作ったアレが使いたい。金属を常に持ち運ぶだなんて重くて辛そうだからそれがいい。鎧も闘気があればなんとかなりそうだし。


「我流と言っても、勿論1から全てがオリジナルって訳じゃない。ミナム(南陸)というのをベースに、色々な流派の物を混ぜてるんだ。南陸は棒術と魔術を合わせた元でね。今は一般的には槍術とされてる――」


 南陸と言うのは初耳だ。南国の方の剣術かな?なんつって。とか思ってたら解説始まったぞ。

 元々ただの棒術だったものを、昔の偉い人が「棒の先端の闘気を尖らせたらもっと強いんじゃね?」って思って出来た物らしい。それで時代が進むにつれ、徐々に槍術として発達したとかなんとか。話聞く限りだと槍ってより斧槍だな。ゴテゴテした鎧と斧槍を組み合わせた重戦士とかロマンだよね。現実じゃ絶対したくねーけどさ。


 まぁとにかくだ。その魔槍術とでも呼べば良いのか?はあくまで対人用だった。冒険者であるロニーは魔物を相手にしている。人より遥かに大きい奴も居るわけで、そうなると先端だけじゃ刃のサイズが足りなくなったと。じゃあその刃を伸ばせばいいんじゃね?って考えて伸ばした結果、槍ってより剣になっちまったから一応は剣術だと思うよ(笑)みたいな事らしい。適当だなおい。

 でも実戦で磨いた技術って言えば良さが分かるな。しかも本人から直伝されるとか。俺……私の人生始まったな!……いや、女なんだよな。この世界だとそこら辺の認識どうなんだろう。やっぱりゴリラ戦士みたいなのは嫌われるんだろうか。男の体だったら気にせずムキムキ目指したのに。はぁ。


「このくらいかな?じゃあ本題に戻ろうか。闘気による攻撃と防御は見せたよね。ミナムはこれに加えて棒の先端に闘気の刃を形成するわけだけど」


 人差し指を立てる。そしてその先に……濃密な魔力が集まるのが見えた。


「闘気と言うのは原則自分の体にしか発生させられない。ミナムの極意は、棒を自分の体の一部として認識することにあるんだ。もちろんいきなりやれって言われて出来るものでもないよね。だからまずは、こんな風に自分の指を棒として刃を形成することから始めよう」


 魔術の次は剣術……棒術?槍術?なんだか分からんが、これも大変そうだ。

1回の更新の目安が2000文字です。今回はそれに達していないので、おまけ分になりますが後ほどあげます。

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