蒼い鷹との出会い
犯罪都市、不夜城。
『ネオシティ』
蒼鷹の戦士と渾名された男は、ネオシティでは畏れられる存在だ。
漆黒の黒髪、蒼い瞳。
男とは思えぬ美貌の麗人。
しかし、その双眸には何の感情も映していない。
『阿修羅』と恐れられ、ネオシティでは一目も二目も置かれている。
威は、転がった死体を見つめて深い溜め息をついた。
半年前から追っていたホシが何者かに殺された。
「ったく。苦労が水の泡だな」
嘆息して呟き、セントラルを抜け、シティ北側から離れた。
特別警察(USPT)北海道支部に戻ると、テレビを見ていた立原が振り返って立ち上がる。
「お疲れさん。現場はどうだった?」
「どうもこうも……酷い有り様ですよ。毎日のように死体ばかり見てるといい加減……」
「はい」
威の言葉を遮るように、立原はコーヒーを入れて威に渡す。
「ごめんね、大変な仕事ばかり押し付けて。俺も捻挫してなきゃ出られたんだけど」
「あ……いや」
コーヒーを受け取って、一口啜る。
立原といると、どうも調子が狂う。
今まで周りにいた大人と、タイプが全然違う。
初めは、年齢が一回りも違う彼が怖かった。
だが、彼はなぜかいつも飄々としている。
「また、シティに行ったのか? ほどほどにしないと命落とすぞ」
汚れた威の服をつまんで言う。
「着替えろ、怪我は?」
「大丈夫です。ほとんど返り血だし……」
威の言葉に、立原が苦笑を深くする。
「あまり過信するなよ? お前は自分が思ってるほど強くないんだからね。いいか、言っとくが、俺より若いくせに先に死ぬのだけは許さないぞ」
「そんなの……。シャワー浴びてきます」
伸びてきた手を避けるように踵を返した威は、浴室に消えた。
威に触れようと宙に浮いた右手を見つめて、立原はその手でぼりぼりと頭を掻いた。
「なんだろうねぇ……。やっぱり、嫌われてんのかな? 俺」
嘆息して、踵を返しテレビの前に座った。
威はシャワーから上がると、リビングに戻る。
立原は野球を見るのが好きだ。どの球団が贔屓なのかは知らないが。
しかし、中継は終わり別の番組に変わっている。
テレビの前で胡座をかいたまま、こくりこくりと舟を漕いでいるのに気付いてテレビを消すと、彼が目を開けて、見ていると呟き威の腕を掴んだ。捕まれて一瞬ぎくりとした威だが、悟られないように、さりげなくその手をほどく。
「風邪ひきますよ?」
「飯、食ったか?」
「え? ……まだですけど」
「うどん作るけど食うか?」
「はぁ……。いただきます……」
「よっしゃ。今、美味いの作るから。こう見えても、結構うどんには自信あるんだよ。実家がうどん屋でさ」
「へぇ……」
「店は弟が継いでてね、結構流行ってる。毎日、行列ができるそうだ」
話しながら、鍋に水を入れて火にかける。
毎日が待機中なので、やろうと思った事は即実行する。
でなければ、何もできない。
途中で出動がかかっても、かまやしないのだ。
そんな立原に苦笑して、威はオフィスに入った。
パソコンの起動画面を立ち上げると、本部からメールが届いており、添付ファイルを開いて確認し、メモリーに保存する。
しばらくして、立原が威を呼びにオフィスに来た。
「出来たよ」
「ああ、はい」
促されてテーブルに着くと、麺つゆの良い匂いが鼻孔をくすぐる。
箸を渡されて、食べ始めると立原が言う。
「美味しい?」
「はい」
「あのさ、それ食べ終わったら出かけるから付き合ってね」
「え? どこへ」
「行けば分かるさ」
訝る威に、立原はニヤリと笑って答えない。
首を傾げつつ、威は食事を続けた。
食事を終え、キッチンで食器を片付けてからリビングに行くと、立原が私服で自室から出てきた。
「お前も私服に着替えて」
言って、立原はニカリと笑った。
なんだろう。
どうも腑に落ちない。
何を企んでいるんだか……。
あの人がああいう顔をする時は、大抵びっくりさせられるのだ。
着替え終えると、立原がノックと同時に部屋のドアを開けた。
「支度できた? それから、ちゃんと武装してね」
そう言ってリビングに戻っていく。
そんな彼に嘆息した威は、銃をホルスターに納めて部屋を出る。
「あの……」
「質問は後々。行くよ、運転よろしくね」
言って、ホンダNSXのキーを威に渡して、先に支部を出ていく。
未だに何を考えているのか掴めない人だが、無意味な行動はしないのは分かっている。威はそっと嘆息し後に続いた。
二人は、駐車場に停めてあるNSXに乗り込む。助手席の立原が、煙草を取り出して火をつける。うまそうに吸い、窓を少し開けて、細い煙を溜め息混じりに吐き出す。
「ちゃんとナビしてくださいよ」
「分かってるよ。とりあえず、東側に向かって頂戴」
立原の台詞に軽い吐息をつき、NSXを発進した。
「この辺から東側ですけど」
「とりあえず、まっすぐ」
目の前の南十九条大橋を渡って、豊平区に入った。
いくつかの信号を通過し、右折して羊ヶ丘通りに入る。
このルートはもしかして……。
「ネオシティですか?」
「うんにゃ、違う。すぐ側だけどね。展望台の方に行ってね」
「あの辺は、翔龍会のアジトですよ?」
「うん、分かってるさ。そこに用があるの」
翔龍会の人間と付き合いがあるのを知っていたが、自分を連れてくるのは初めてだ。
やがて、巨大なバリケードが見えてくる。
それには『NO ENTRY』と大きく書かれ、訪ねる者を威圧し、拒絶していた。
それを車窓越しに見送り、立原は嘆息する。
昔は栄えていた場所だが、今は寂れ閑散としている。
「着きましたよ」
「その辺に停めて」
威は、言われるままに、ビルの脇にNSXを駐車した。
車を降りると、立原はビル入口に立っていた見張りに声を掛ける。
「やぁやぁ、見張りご苦労さん。志賀ちゃん居る?」
「店の方に。あの、そっちのは?」
「ああ、彼ね、俺の連れ」
店には、翔龍会の幹部が数人居た。
今夜は、一般客がいないようだ。
「いらっしゃい」
「やぁ、志賀ちゃん」
気さくに声を掛けて、カウンターに座る。
「いつものね」
「はい。そっちの連れは?」
「後輩。威、キャップ取りなさい」
言われて威が、キャップを脱ぐと酒を飲んでいた幹部達が、口笛を吹いた。
「美人でしょう」
「ですね」
「俺の自慢なんだ。外見もパーフェクトだけど中身もパーフェクトだよ」
「へぇ、いくつ?」
「19。見えないでしょう」
威の代わりに立原が答える。
「見えないですね。実年齢より、ずっと大人に見える」
「そういう君だって」
「どうせ俺はオヤジ臭いですよ」
「相変わらずだなぁ、君は」
その台詞に、男は笑った。
「そっちの彼は、酒じゃない方が良いですね」
「そうね、運転手だし」
当たり障りのない二人の会話を、威は黙って聞いている。
「ところでさ、最近近所の様子どう?」
「シティですか? あそこは変わりませんよ。毎日、どっかこっかで花火が上がってる。それにしても、あんたも大変だな」
『花火』は隠語で、彼らの世界では『抗争』を意味する。
「これでも社会部だからね。この間の人事で文芸部に回されそうになってさあ、参ったよ。この俺に、作家先生のご機嫌取りが出来る訳ないって」
立原の次々と出てくる嘘に、威は舌を巻く。
「この間、ロシアンマフィアが稚内港から上陸したっていうじゃない? 連中はシティに来るかな?」
「来るでしょうね。シティはマフィアのメッカだ」
「麻薬組織追ってるんだけど、MIDって聞いたことない?」
「立原さん」
威が、思わず咎めた。だが、立原は大丈夫だと軽くあしらう。
「MID? 最近、イスラム系マフィアが新しい組織を立ち上げたようだが、それかな?」
「イスラム系? ゴールデンスパイダーかな」
「さぁ? そこまでは。あんた詳しいな」
「俺、勤勉だから」
威は、立原のお喋りから、身分がばれやしないかとヒヤヒヤしていた。
彼は、身分を偽りこの店に出入りしている。
そして、この組織のボス、信楽もまた『志賀』と名乗り立原には身分を明かしていない。
二人が歓談していると、店のドアが開き客が入ってきた。
「いらっしゃい」
入ってきた客に異変を感じた威が、顔を上げ振り返る。
「どうした?」
立原が威に訊いた瞬間、その客が銃を抜いた。
「信楽! お前のクビをもらうっ」
叫んで構えた刹那、その男は真横にぶっ飛んだ。
誰よりも速く動いたのは、威だった。
男は、唇を押さえてゆらりと立ち上がる。
「威、お相手してあげて」
立原の言葉に信楽がぎょっとする。
男の仲間が、たくさん店に押し入ってきた。
「いくらなんでも、一人であんな多勢相手に無理じゃないか?」
「大丈夫。見かけによらず腕がたつから。あ、君達も黙って静観しててね。お巡りさん来た時一緒に引っ張られたくないでしょ?」
翔龍会の幹部に向かって言うと、信楽が言う。
「でも、彼、捕まりますよ?」
「人身御供は一人で十分」
「随分と、後輩思いだな……」
信楽が揶揄したのを、立原はにやりと笑って返した。
威が一歩踏み出すと、連中が身動ぎする。
「なめやがって。俺等を誰だと思ってる」
「知らねぇな」
どこか不遜な態度をとる威に、連中はカッとなる。
「ふざけやがってっ! 俺等を一人で相手しようなんざ百年早ぇんだよ!」
叫んで突っかかってきた男の攻撃を、半身でかわして足を跳ね上げた。
男の体がくるりと回転し、背中から床に落ちる。撃鉄を起こした小さな音を威の耳が捉えた。
踵を返して相手の間合いに入り、引き金を引かせる前に銃を奪い、腕を捻り上げて逆技を仕掛ける。男の体が悲鳴と共に床に叩きつけられ、手首を押えて呻いている。
踵を返した途端、銃弾が威の左頬を掠めた。威は奪った銃で、間髪入れずに相手の眉間を撃ち抜く。
銃声を聞きつけて、信楽の部下達が店に駆け込んでくる。
ストリートギャングを見て、即座に攻撃態勢に入った。
こうなってしまうと、もはや静観どころではない。
あっという間に跳弾の嵐になり、立原は身を翻してカウンターの内側に滑り込んだ。
「おい?」
「頭下げて」
「え?」
頭上を弾丸が飛び、酒瓶がいくつか割れた。
「加勢しなくて良いんすか?」
「君はここに居たほうが良い。連中は君狙いだからね」
「いや、そうじゃなくて、あいつ」
「威は大丈夫だよ。若いけど、百戦練磨だから」
カウンターから、こっそり顔をだして様子を窺う。
跳弾が頭上を掠めて、柱で跳ね返り首を竦めた。
「しかし、あの瞬時に反撃に転ずる判断力……。あんた等、本当にただの記者か?」
「身分を偽っていたのは、お互い様だろ? ボス」
言ってにやりとする立原の笑顔は、どこか子供っぽい。
「あんた、本当は何者?」
「特警」
「やっぱりな。あいつもだろ?」
「そう。なんだ、勘付いてたのかぁ」
「薄々とね。こっちの情報網をなめてもらっちゃ困る。それより、加勢しなくて良いのか」
「生憎とねぇ、俺、捻挫しちゃってるのよ」
「そっちに行ったぞ!」
威の声に顔をあげると、アップで男の顔が。
立原が、反射的に側に落ちていた酒瓶で容赦なく殴りつけると、男は伸びた。
「威、アレ使え!」
立原の声に威が振り返る。
「え?」
「龍脉乱倒拳」
「あれはまずいって……」
「よそ見してんじゃねぇっ!」
殴りかかって来た男の拳を咄嗟にかわした威は、敵の足を跳ね上げ蹴倒し、立原に駆け寄る。
「いいから、使え。このままじゃラチあかねぇぞ。何人か人間の振りしてるけど、人間じゃない。判別は、威、自分で見極めろ」
「どういうことだ、そりゃあ?」
二人の会話に信楽が割って入った。
攻撃を仕掛けられた威は、フロア中央に戻る。
「WZって聞いたことあるか?」
「いや?」
「MIDが新しく出した薬だよ。人間を怪物に変える代物だ」
「おいおい……こんな所で悠長にくっちゃべってる場合じゃねぇぞ」
床を這って、カウンターに入ってきたのは、翔龍会の幹部ハシだ。
「ジャンとリツはどうした?」
「あそこ」
ハシが指差した先にジャンの姿が。
武闘派の彼は、水を得た魚のように生き生きしている。
しかし、いくら殴り倒しても、ダメージがないのか起き上がってくる。
キリがない。
「コンチクショー! うわぁっ?!」
ジャンが叫んだ。
敵の体内から、得体の知れないモノが飛び出した。
立原が、戦況に舌打ちする。
「威っ!」
立原の声に頷いた威は、相手との間合いを切る。
気を高めるように、深呼吸をし右足を引いて構え、右手掌に気を集中した。
そして、瞬速の体捌きで相手の間合いに入り、掌打を顔面に放つと男が吹っ飛び、仲間を巻き込んで昏倒した。
一同は、そのスピードに目を瞠る。
翔龍会のメンバーは戦うのを忘れて、威の動きに見入っていた。
たが、すぐに我に返り、戦闘に加わる。意識を失った敵の体から、咆哮をあげて先程のように体内からナニかが飛び出した。
即座に対応した威が、その化物を倒していく。
仲間の大半をやられ、慄然として逃げ出すストリートギャングを捕まえた威は、自分に引き寄せ、掌を翳す。
微かに発光体が見て取れて、男は驚愕する。
「や、やめてくれ!」
逃げようと藻掻くが、威の手はびくともしない。
「WZをどこで手に入れた?」
「M……MID……」
それを聞いた威は翳した手を下ろし、男の腕を離した。
どさりと尻餅をつき、男は後ずさる。
「はいはい、おしまいですよー」
立原が暢気な口調で言いながら、カウンターから出てきた。
闘っていた翔龍会のメンバーも、相手にとどめを刺して戦闘を終結する。
立原が受令機を耳に装着して、指令部OPに連絡すると、応援で呼んでいた特警処理班が店に入ってきた。
処理班が次々と死体を片付け、立原と威が生きているストリートギャングに手錠をかける。
「あんた、もしかして、今日俺が襲われるの知ってた?」
「ごめん。知ってて利用させて貰った」
「あんたも人が悪いな」
「どうりで……俺を連れてきた訳か」
威が上がる息を抑えて、二人に近づき呟いた。
「それにしても、ここんとこ多くないか? マフィア同士の抗争というより子供同士の抗争のが目立つなぁ」
「最近、どうでもいい噂ばかり目立ってたんですよ。相手を嵌める罠みたいな気がして、なんか引っ掛かって……」
「それで、ここんとこずっとシティを探ってたのかぁ。内緒は嫌だよって言わなかったっけ?」
片眉を吊り上げてみせる立原に、威は肩を竦める。
「ま、いいかぁ……。お前、息上がってんな」
「アレ、凄く疲れるんだよ……」
言って嘆息し、上体を屈めて両手を膝に置き調息するが、目眩を起こしてくずおれた。
「威?!」
立原が、慌てて抱き起こすと、深い寝息が聞こえてくる。
「大丈夫か?」
「ああ、寝てるだけ。こいつ、ずっと徹夜してたから」
「しかし、クリシュナセーナーと渾名される訳だわ。さっきの、すげぇ技だったな」
「クリシュナセーナーとはまた……。クリシュナってのはあれだろ? ヒンズー教の神様の化身だって文献で読んだが。魔物を次々に退治する最強の神様」
「こいつにはぴったりの渾名だろう? シティに巣食う魔物を退治してんだから」
信楽の言葉に、立原は煙草をくわえて笑った。
確かに的を射ている。威ときたら、狙った獲物は絶対逃がさないからな。
だが、やり方が荒っぽく、こっちは冷や冷やしっぱなしだ。
「あのさ、悪いんだけど、こいつアジトで休ませてくれないかな。俺は後処理があるから、彼らと一緒に行くので。よろしく頼むね、じゃ」
立原は、信楽に威を預けて処理班と行ってしまった。
信楽は溜息をつき、威を抱き上げ、カウンターの内側を片付けていたホンに空き部屋があるか訊ねる。
「ありません。アジトのソファに寝かせておけば良いのでは?」
「そうだな」
店の片付けを、年少組とミケに任せて、二人はアジトに上がった。
信楽が威をソファに寝かせると、ホンが毛布を持ってきて掛けてやる。
先にアジトで寛いでいたジャンが、椅子に腰かけたまま威の寝顔を見て呟く。
「キレーな顔して……えれぇ強いんだから、世の中分からんな」
「全く。シューティングテクニックもピカイチだったな。反撃に出んのが速いこと。しかも、正確に急所に当てやがる」
事の一部始終を見ていたハシが言った。
「さて、と。飯食ってくっかな」
「あ、俺も」
リツとジャンもハシと一緒にアジトを出て行き、信楽は奥の自室に入り、ホンは、店の片付けを手伝いにバーへ下りて行った。
小一時間が過ぎた頃、威は目を覚ました。
体を起して辺りを見回す。
「大丈夫ですか?」
ちょっと前に店から上がって来たホンが気づいて声を掛けた。
「俺……?」
「倒れたんですよ、龍脉乱倒拳なんて使うから。あれって、ものすごく体力消耗するものでしょう?」
「あんたも使えるのか?」
「残念ながら使えません。確か、気功武術のひとつでしたか?」
「まぁ……」
立ち上がると、フロアに居た全員に注視されて、威は身動ぎする。
奥から信楽が出てきた。
立原の姿がない。
どうしたのだろう……。
まさか、置き去りにされた?
そう思っていると携帯電話が鳴った。回線を繋ぐと立原だ。
「やぁ、気づいてた? 大丈夫?」
「はい……。あんた、今どこですか?」
「支部だよ。あ、ちゃんとNSX持って帰ってきてね。俺、処理班に送ってもらったからさ。じゃ、そういうことでよろしく」
電話は、あっさりと切られて威は深い溜息をついた。
「どうした?」
訝しんだ信楽が、威に近寄り訊ねるが、きつく睨み返されて肩を竦める。
「何をそんなに力んでる。もっと肩の力抜いたら?」
言って触れようとしたその手は、思いっきり弾かれた。
「触るな。迷惑かけたな……失礼する」
「待てよ。あんた、名前は?」
「……諏鷹威」
言い捨てて、アジトを出て行った。
「おっかねー。ありゃ、相当ひねくれてんな。見た目に騙されたら大怪我しそうだ」
コーヒーを飲んでいたカイが呟いた。
信楽は、弾かれた手を見つめて苦笑する。
特警の諏鷹威、ね。
覚えておこう。
これから長い付き合いになりそうだ。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
本編は完結していてHPでも読めます。
本編を知らなくても、楽しめていたら幸いです。