第57話:多種多様な素材
洞窟探検ってひたすら一人で進めるから単調になりやすいのが難点
第八洞窟を適当に探索中。
広い。
確かにこれは迷いそうだな。
まあ曲がった方向を常に記録するようにしているし、
迷うことはないと思うが。
*油断は禁物ですよ*
確かに。
しかし、奥に行くと人も少ないな。
それぞれの人に別に定位置があるわけでもなく、どうやら適宜探索場所を移動しているようだ。
入口に近いほど人が多く、深くなれば少なくなる。
*現実性を高めるためにこの処理は丁寧に作りましたからね*
こういう目立たないところだけ凝るのはいかがなものか。
*なんせ現実性・合理性を重視していますからね*
まあ凝らないよりはいいか。
~探索~
しかし、さすが洞窟の深部、多種多様な素材が入手できるな。
瀝青炭とか赤鉄鉱とか見たことあるの以外も少ないとはいえ見つけられる。
赤銅鉱・錫鉱石とか皮とかも手に入ったみたいだ。
*銅と錫はともかく皮はそんなに珍しくないんですけどねー*
他にもよく使い道の分からないものもあったりするが、持っていて損はないだろう。多めに持って帰ろう。
*欲張りすぎると強盗に狙われますよー*
おっと、そうだった。二度同じ罠にはかからないぞ。
~数分後~
さて、結構準備のための素材も集まってきたことだし、そろそろ洞窟を出ましょうかね。
*ほう*
曲がった方向の逆を進んでいけばいいだけだから難しくないはず。
……あれ、来た道を戻っているだけのはずなのに素材があるんだが。
素材って再生成されるものなの?
*注:【合理性】*
されないよね。うん、分かってた。
要するにあれだ、迷子か。
……さてどうしよう。
*助言しましょうか?*
……仕方がない、ここは頂いておくか。
*単純な話です*
*出口に近いと人が多い。*
*つまり素材が少ない。*
*だから素材が少ない道を優先的に通れば帰れる確率が上がるのでは。*
なるほど。理にかなってるな。
*【合理性】です。*
~経路探索中~
結構進んでみたが入った場所と違う場所にいる気がするんだが。
*そうですか。*
でも道も広くなってきているし、出口に近そうだとは予想できるが。
*ほう。*
~1分後~
よし、出口に到達だ。
「&&&&:あ、あかさたな君。君も第四洞窟に来たのか。なんか気が合うね。」
「&&&&:僕もちょうど第八洞窟に飽きて第四洞窟に来たとこなんだよねー。」
「%%%%:しばらく第八洞窟は見たくないのでな。」
え?第四洞窟?
*そうです。*
第八洞窟の探検をしていたと思っていたが。
*そうです。*
…なるほど、内部で繋がっていたのか。第八洞窟恐るべし。




