第30話:初製錬
金属の設定がついに生かされる!
本当はこっちを主として話が展開するはずだったのだが…
*仮説を立てて、その通りに進んで行ったらおかしなことになった。*
*よって仮説は間違っている。*
*…と言う証明法を、人は「背理法」と呼びます。*
*数学において、とても役に立つ証明法です。*
*正確には「否定の導入」と言いますが。*
*ちなみに、背理法とは、「仮説の否定を仮定すると矛盾が生じる時、仮説は成り立つ」と言う証明法です。*
どっちでもいいわ。
*いや、「否定の導入」と「背理法」は、厳密には異なる概念で、二重否定の除去が認められない場合には背理法が認められない論理体系であっても*
黙れ。
*はい。*
*さて、話を元に戻しましょう。*
「元」って何だよ。
*つまり、私が言いたいのは*
どうせ私の理論が間違っているって言いたいんでしょ。
*要はそういうこと*
じゃあさっさとそう言え
まあ、いいや。
不愉快な石板のことは忘れておこう。
ロタネブいるし、話を進められる。
*まあ石板を解かなくても結構進められるんで*
…じゃあ何でこんなに時間かけた。
*あなたの期待に応えるためです*
どういうことだよ。
*話の展開上、別にそこまで重要でもない石板のためにロタネブを待っていたあなたの期待を裏切れるはずがない*
おい!今までの努力を無駄にさせる気かよ!
*努力が報われない、現実とはそういうものです*
………これは、ひどい。
まあいい、(*いいの?*)まだ進めていないものは沢山ある。
まずは鍛冶屋のところに行こう。
*2行しか台詞が出て来ず、存在が忘れ去られそうになっていた役職、鍛冶屋。*
前回は炭がなくて断られたが、今は第五洞窟で拾った炭がある。
鉱石は色々あるから楽しみだ。
「鍛冶屋:おっ、来たか。」
「鍛冶屋:どれを製錬するん?」
赤鉄鉱でも使うか。
「鍛冶屋:赤鉄鉱か。だったら炭がないと。瀝青炭割って炭作るか? はい:いいえ」
久々に選択肢が出たな。
じゃあ「はい」で。
そういえば瀝青炭と炭ってどこが違うんだ?
*1還量に分けられているものを「炭」、そうでないものを「瀝青炭」という風に便宜的に呼んでいます*
「鍛冶屋:どの大きさの瀝青炭を使うん?」
小だね。ちなみに大きさってどういう風に分けられてるの?
*籠球の球の大きさが「大」、その半分の体積が「中」、中の半分の体積が「小」です*
「鍛冶屋:よし、じゃあ割るか。」
「鍛冶屋:ちょっと待っててくれ。」
ほいほい。
「鍛冶屋:終わったよ。15個出来た。ちょっと上手く出来なかったな。」
上手く出来なかったって?
*運が良ければ17個ぐらいできるんですけどね*
運が悪いのが私だ。
*知ってます*
「鍛冶屋:炭できたし、赤鉄鉱の製錬やるか。大きさは?」
さっきの会話の流れを覚えている。ロタネブとは大違いだ。
*こういう行動に対処するのは非常に大変。*
大きさは「大」で。
「鍛冶屋:赤鉄鉱大と炭2個か。」
「鍛冶屋:じゃあ、半日ぐらい待っていてくれ。」
……ですよねー