第180話:仮定と切り口
~盤面整理~
さて、一応何回か通して「定跡創成」を狙ってはみたが、これまた扱いづらい。
左端こそ「斧」が連なったような扱いやすい形になったものの、残りは依然として扱いにくい。
というか、どれも定跡として残す意味がなかったので、局地的な整理のみを試みていった結果、
整理・未整理のまだら模様ができてしまっている。
未整理の海に点在する多数の小島、という表現もできるだろう。
ただまあ、海が細くなっている部分は当然の事ながら定跡で近似できるのだから、
そういうのをとっかかりにして少しずつ海を干上がらせていけば良かろう。
泳ぎに疲れたら陸で一休み、ついでに陸の方も整地を進める。
よし、大体の感じがつかめたし、取りあえずは今のとおりにやっていくとしよう。
~解析現場~
*不確実性を取り除く方法について考えつつ、やるべき実装を進めていこう。*
*正直言って一番扱いやすそうなのは、最初に挙げた「盤面の上下左右を正しく取得できるのかどうか」というもの。*
*これについては、正しく取得できてしまえばそれで解決するという面で非常に扱いやすい。*
*取りあえず実装して、それが上手く行くか調べて、挙動がおかしかったら直す。*
*盤面整理中に割り込みうる処理はなんだかんだ色々あるが、100種も200種もあるわけではないし、*
*割り込み全種について、「この状況でも適切に判断できている」という例を確認できれば多分大丈夫だろう。*
*そういう意味では、面倒ではありそうだが、根本的な難しさというものは無さそうだ。*
*ということでこの不確実性は「解決可能」。*
~盤面整理~
今までとは違った切り口での整理だったが、意外と上手くいくものだな。
定跡の知識を活かしつつ、かと言って明示的に固定化した定跡を意識することなく揃えられる。
勿論、今までの方針が通用する大多数の盤面を扱うときには今までどおりにすべきだが、
いざ手詰まりになった時には今回のような方法も案外使える。
さて、十分干上がって来たので、後は通常の盤面と同様に、定跡を取って……
~解析現場~
*次。「そもそも「素早い」=「定跡」なのか」。*
*確かにこれはなんとも言えない。定跡なら素早く揃えられるけど、素早いからといって定跡であるという保証はない。*
*…いや、待てよ、「定跡なら素早く揃えられる」という仮定も確実とは言い切れないのでは?*
*有名な形ではあるけど揃える上で微調整が必要だから、直線上を進むのよりも遅くなってしまう形とかがあるかもしれないし。*
*…うーむ。*