第176話:構造と衝突
~盤面整理~
さーて次の盤面。
こいつは「直角」「椅子」「斧」だな。
右端に引っかかる構造が出来ているし、定跡は最後までとっておくべきだな。
初手で「椅子」など揃えようものなら、後で結局右端の整理に巻き込まれて半分くらい吹き飛んでもおかしくない。
まあ不安ではあるが、視界に余裕があるうちに、「椅子」の構造も利用して出来る限り右側を整えておいて、
中央の綺麗なところは最後のつじつま合わせに使うのがよかろう。
……それにしても、またI字が多いな。逆探索の手数でも増やしたのだろうか。
~解析現場~
*どう考えても盤面が毎回5秒で揃っているはずはないし、*
*何より「開始時刻」は至って正常に出力されている。*
*……要するに、二種類の記録に間違って同じ識別番号を割り振ってしまった、というところだろう。*
*もう片方の1001番の内容も容易に想像がつく。どうせ5秒毎の自動保存だろう。*
*言われてみれば、ずっと昔、まだ識別番号が2桁しかなかった頃に、*
*絶対に他と衝突しないように、と「自動保存」の識別番号を1001にしてたような気もする。*
*そんなことが記憶のはるか彼方に飛んでいった後、識別番号を自分で割り振るのが面倒になって、*
*取りあえず記録できそうなありとあらゆるものに自動的に識別番号を振るように設定して、*
*それ以降に追加されたものにもその都度勝手に連番で振るようにした結果、*
*奇しくも「盤面整理終了」に識別番号1001が付いてしまった。*
*まあそんなところだろう。*
*…取りあえず、「整理終了」の識別番号を変えておくか。*
~盤面整理~
なんだかんだ面倒だったが、なんとか右側はまとまってきた。
左はそれなりにすぐに終わりそうだし、そもそも定跡が数多く見えるし、あとは問題なかろう。
…まあ、「椅子」が分解されているせいでちょっと面倒ではあるが、
「椅子」を先に揃えて、揃った中央部と壁に挟まれた窮屈な中で右端を揃えるよりは楽だろう。
さーてあと少し。
~解析現場~
*「整理終了」の識別番号を削除。そんでもって「新しく追加した変数に連番を振る」。*
*これで一応将来の衝突は回避されるわけだ。*
*……んで、今まで何してたんだっけ。*
~調べる~
*ああそうだ、解析を進める上で役立ちそうな情報はないかってことを調べていて、*
*識別番号の衝突に気づいたから修正してたんだった。*
*……待てよ、そう言えばこっちの、時刻の方の記録って別枠扱いだったよな。*
*今まで見落としてきた情報があるかもしれない。調べよう。*