第174話:逃げ・候補
~解析現場~
*…さーて、いよいよ分からなくなってきた。とりあえず何をしよう。*
*候補を挙げてみるか。*
*候補1:本人に訊きに行く*
*長所:確実に進展が出るし、色々おもしろい情報が得られそう*
*短所:せっかくここまでやったのだから独力で解いてみたい*
*候補2:自力で頑張って解く*
*長所:ここまで時間を掛けたのだしせっかくなら*
*短所:流石に難しすぎるか?*
*候補3:投げ出して物語の続きでも考えてみる*
*長所:定跡解析などという現実逃避ではなく、長期的に見て必要なことをやる方が良い*
*短所:なんかやりたくない。*
*というより、今までどういう設定をしていったのか、どんなふうに話を進めていたか、今となっては全く記憶になく、*
*それを一からやり直してまとめ直し、違和感の無いように話を続けていくのは非常に面倒くさそうである。*
*とは言っても、実際にやってみたわけではないので、やってみたら案外楽にできた、という可能性もあるわけだが。*
~盤面整理~
I字もそれなりに片付いてはきたけれど、もう少し凝集を解いていかないとやりにくいな。
まあいい、まずは上半分を簡単な定跡で揃えておいて、
下部はIを逃がしながら寄せていけば何とかなるだろう。
…とは言っても、左下がちょっと不穏な形なんだよなー。
ちょうど定跡の抜け道をIが塞いでいるし、先に別方面からIを崩して定跡として処理するべきか、
それとも定跡にとらわれず普通に揃えていくべきか。
まあ、そんなことを言っても始まらないので、とりあえずできるところからやっていこう。
~解析現場~
*候補4:……あとなんかあるかね。*
*取りあえずは他に思いつかないので、残る3つの中から考えていくとしよう。*
*…うーん、本当は候補3をやっていくことが必要なんだよなー。*
*いつまでも同じことを調べていって、しかも停滞しているというのは性分に合わない。*
*そういう意味では、候補3、または候補3と候補1の組み合わせというのが理想的なんだろうけど、*
*最近はもっぱら定跡解析しかしていないせいで、過去にどんなふうにやっていたかという感覚が全く取り戻せない。*
*とはいえ、今までやってきたことといえば「実際に解き明かすための準備をする」と言ったぐらいのもので、*
*どちらに転んでも今までやったことのない作業であることには変わらないという気もする。*
*……うーむ、どうしていったらいいものか。*