第173話:偽物と学問
~盤面整理~
よし、下側は終わった。
上の方は……うむ、微妙に悪形っぽさが残るが気にする必要はなかろう。
もう後は勢いで揃えて………終了。
なかなか苦戦したが、結果的に安定して揃えられたわけだし、
過去の他の例と比べればまだ良いほうだろう。
さてさて、次の盤面だ。
えーとまず「斧」が二つ見える。左下は……なんだろうか。
~解析現場~
*……しかし、光っているかどうかが重要ということが分かったとは言っても、*
*それによって作業が楽になるわけではないんだよなー。*
*今までは「定跡」ってなんとなく頻出する巨大集合体のことだと思っていたが、*
*所変われば定跡変わる、となると、そこまで大きくなくても数多くの組み合わせが発生しうるからな。*
*そもそも、余りにも巨大だったら定跡かどうかの判定が難しくなるはずだ。*
*30個も40個もくっついていたとすれば、中央がL字だろうがI字だろうが同じようなものに見えるだろうし。*
*…そう考えると、定跡というのは予想していたよりずっと小さなものなのかもしれない。*
*そうなると予想以上に見つけにくくなるのは確実。*
*うーむ、これまた解析が難航しそうだ。*
~盤面整理~
うーむ、これまた面倒な盤面を引いたな。
「斧」だと思ったら刃が光ってないから偽物だったし。
しかし、「偽物」って、形だけ似ていて全く役に立たないから、
まさに「偽物」の名にふさわしい存在だよな。
まあ、そんな愚痴を言っていても始まらない、取りあえずはできる範囲で整理していこう。
右上が扱いやすそうな感じだから、さっきの盤面よりはいくらか楽ができるだろう。
~解析現場~
*さーて、何をとっかかりとして進めていこうか。*
*……というか、この定跡解析、当初の予想より遥かに難しいな。*
*最初の頃はすぐに終わると思っていたが、知れば知るほどどんどんとその難しさが分かってくる。*
*………そもそも、学問っていうものがそういうものなのかもしれない。*
*まあ、そんな愚痴を言っていても始まらない、取りあえずはできる範囲で研究していこう。*
*なんか扱いやすい定跡とかないかね。*
~盤面整理~
右上はすぐに終わったからいいのだが、そこからどうも進みにくいな。
無駄にI字が多いし、逃げ道も少なく、取り敢えず全体的に扱いづらい。
I字は1本だけなら問題ないんだが、それがあちこちに散らばっていたり、
一つの場所に大量に凝集していたりすれば話は別だ。
…うーむ、前回の盤面とはまた別の意味で面倒な盤面だな。