第165話:表と大木
~盤面整理~
はい終了。
僅かに遠回りになってしまったが、まあ別によかろう。
大失敗したわけではないし、多少の無駄は仕方がない。
さて次だ次。
えーと、これはどう取ろうか。
中央に「波」、それを挟むような形で二つの「斧」…
…いや、左にあるのは「直角」だな。一見「斧」に見えるが。
~解析現場~
*さて、表も出力したし、次は…*
*……次は、何するんだっけ。*
*うむ、思い出せない。調べよう。*
~検索中~
*さて、私は今まで何をしていたんだっけ。*
*…ああ、そうか、解析表が完成して、それが見づらいから修正していたわけか。*
*ということで、新たに組み直した出力機構を追加して、もう一度対応表を出力。*
~出力中~
*……あれ、妙に時間がかかるな。何か間違えたかな?*
~盤面整理~
他に有用な定跡も見当たらないし、ここは「波」、「直角」、「斧」決め打ちでいいだろう。
扱いやすい「斧」は最後まで残しておいて、
「波」を崩している間に「直角」の方も「斧」っぽい形に変化してくれればなお良い。
左右に離れているから、二つの良形が干渉しあって面倒なことになるなんてことも比較的考えにくい。
まずは盤の端の細かなところを揃えていくか。
うーん、こういう、定跡にならない細かい領域に対してなんか名前付けたいな。どうしよう。
~解析現場~
*うむ、やはりこの遅さはおかしい。*
*確実に何かが間違っている。*
*…よし、とりあえずこの処理を中断させて、問題点を探すとしよう。*
*と、その前に、どのあたりで何が起こっているのかを調べないとな。*
*えーっと、検索機構には異常はないはずだから……*
~盤面整理~
よし、「波」が半分くらい崩れたところで「直角」を「斧」に変化させる。
…待てよ、ここから「波」の裏側に回るにはこちらの「斧」を「直角」に戻すのが手っ取り早い。
そうすると、そこから「波」が崩せて、今戻した「直角」を再度「斧」にできるけれど、
上ではなく下から戻すことで「斧」が一つ分右に移動する。
ここで裏側に回ることで、残った「波」の端の部分も揃う。
そしてそこにはもう一つの「斧」。これを「直角」に変化させて……
そうすれば更に一段崩せて、「直角」を上から戻すことで一つ左に移動。
あとはこれを繰り返せばいいのか。
…これは、なかなか面白いものが見つかったな。
まるで斧が両側から波を挟んで、少しずつ削っていくようだ。
波というより、もはや大木を切り倒しているかのようだ。