第145話:用語と形
~解析現場~
*取りあえず、今まで集まった定跡を「定跡名」と「属性」に分解することから始めよう。*
*こういうのは基本的に「・」で区切るようにしてたし、まずは「・」を検索して…*
*一旦機械的に分割して、どっちが定跡名なのかは手動で判別していこう。*
*えっと、これは「準・渦」、そしてこれが「U・逆」か。*
*うーん、どうして一貫性を持たせなかったのやら。*
*というか、さっき「準」っていうの使ったが、前に別の文脈で使ったことがある気もする。*
*そういうのも含めて、用語とかを整理し直す必要があるな。*
*「準・波」と「半・波」と「波・埋没」の違いと言われても、*
*多分後で見なおしたら完全に意味不明になること間違いなしだからな。*
*……というと、録音記録の聞き直しが必要か。完全な二度手間だな。*
*まあいい、そもそも初めての分析なのだから、分析方法を探すところも楽しみのうちだ。*
*ついでに、属性と関係の無いものについても再度聞き直して照合しておきますかね。*
*しかし、どれくらい掛かることやら。*
*あとこれの10倍以上もの数の盤面を処理する必要があるからなー。*
~盤面整理~
*さーて、この盤面は?*
*ふむ、「谷」に変化しうる「渦」と、ただの「斧」か。*
*「斧」を揃えて……も「渦」のままか。でも左上が良形変化したから…*
~解析現場~
*うーん、「良形」と「悪形」が分からん。*
*良形は「揃えやすい定跡」なんだろうが、とすると悪形は「揃えにくい定跡」……*
*でも定跡って「揃えやすい形」を集めたもののことじゃなかったのか?*
*本人に聞くのが一番楽なんだろうけど、どうせなら自分の手で法則を見つけ出してみたいものだ。*
*あと、一部の「悪形」は状況次第で「良形」に変化するらしい。*
*「悪形」の端のほうに被さるようにして他の定跡があって、*
*そちらを揃えていると残った部分が「良形」になるということなんだろうが、こちらもよく分からない。*
*取りあえず、今は「5」が良形、「7」が悪形のように、一つ一つ登録しておく他ないか。*
*ああ、あと「7」は「5」に転じることができる、というのも記録しておかねば。*
*…そうだな、こういう情報も一元的に検索できるようにしたほうがいいか?*
*定跡自身の詳細な情報と、別の定跡との関係を表すような「辞書」のようなのは必要かもしれない。*
*いやまあ、まずは登録作業が先ですね。*
*検索処理の改良は後でも十分できる。*