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第8話

ダメな作品なのに遅れていてすみません・゜・(>_<)・゜・毎日、電車の中で作成してきた作品です。お時間がありましたら、さらっと読んでやってくださいm(_ _)m

トルニクスに扮したイガードはブルニアルスと共にこの通路に入ってきた、ブルニアルスがあの御方、ルイに会わないかと言って来たのだ。

 その通路は暗かった。自分では目を開けているつもりでも本当に自分は目を開けているのか疑ってしまうくらい通路の中は闇が満ちていた。

 目では見えないけれど、通路の様子はなんとなく肌で感じ取れた。一緒に入ってきたブルニアルスが前を歩いていることはわかる、他にも、通路の両端には自分達とはちがう気配があった。身動きもせず、呼吸もしない、彼らは銅像かもしれないし、生者ではないのかもしれない。

周りの気配を気にしながら歩いていると、前に居るであろうブルニアルスが話し掛けてきた。

「怖いかい?」

「いっいえ」

横に向いていた顔を自分が思う前に向け、反射的に返した返事は急に問われたためか裏返ってしまった。

「そろそろ君も目が慣れて来てないかい?」

 言われてみれば、最初、この通路に入った時は見えなかったブルニアルスの背中も、通路の本来の姿も見えてきていた。

 肌で感じ取っていた通路の様子の大半は合っていた。ブルニアルスは自分の前に居るし、通路の両端には確かに自分達とは違う者がいた。以前は同類であっただろう白骨。所々に傷を残し、生者の者に無言の警告をしているように思えた。おまけに、彼らの間を数匹の鼠が駆け回る。

 息を呑むような光景。この身になっても、この状況には馴れない。瞳孔は開いたまま冷や汗がどっと吹き出す。

「あの御方はお優しいから大丈夫だよ。僕も最初は怖かったけどあの御方は初対面の僕にすっごく優しかった」

自分を見失っていた時、彼が友達と話すような感覚で話し始めた。通路の中は薄暗いため表情までは確認出来ないが、声は弾んでいた。ルイの話の中には何度も優しかったという単語があった。

「けど、あの御方は変わってしまった。生きている者を簡単に殺してしまうような残虐な方になってしまった。僕は昔の優しかったあの御方に戻したい・・・」

 彼の言葉は本当なのか、嘘なのかわからない。確かなのはブルニアルスが本当にルイのことを信じているということだ。


 どれくらい歩いただろう、ずっと歩き続けていたイガードの足はパンパンになってしまっている。

急にブルニアルスが止まり、手の中に光を作り出した。

「ここだよ」

 光は始め、小さかったが段々と大きくなっていった、周りの闇を飲み込んでいった。光はある程度の大きさになると、四方八方散々に弾け飛んでいった。

 弾け飛んでいった光はあたかも決められていたかのように周囲に止まり、光は灯りとなって自分達の周りを照らした。

 目の前には扉が立ちふさがっていた。高さは約十メートル、横幅は約五メートルは優にある。色は暗い色ばかりが使われており、紺色やら深緑やら色々な色が入り交じった色だ。

 扉には威圧感があった。目の前に立ちふさがる巨大な扉を見て軽いなどと思う人はいないと思うが、そういうわけではなく、何故だかそう感じるのだ。

「僕が付いていけるのはここまで。この先はあの子と行くんだ」

 ブルニアルスがゆっくりと指を差す。その先にはあの扉があった。けれど、よく目をこらして見ると女の子がいた。先程まではいなかったはずの場所に女の子がいる。

 チャリン 鈴が鳴った。

「はじめまして、由比那と申します。お見知りおきを・・・」

 彼女は一礼していた。顔を上げた彼女の首には大玉の鈴が付いた黒の首輪をしていた。

「トルニクス様、どうぞこちらに・・・」

 ゴ・・・ゴゴッ 扉が重々しい音を鳴らしながら開いてゆく。扉から先は外の明かりを無視し、闇しか分からない。中には入っていく彼女の手には蝋燭が一本。扉の向こうの闇を必死に照らしだそうとしている。光のお陰で彼女の顔がはっきり見える。前に見たことのある顔、そう、仲間の中の──。

 聞くところによると、彼女は扉の先の案内人だという。他のことは何も分からない。第一彼女は自分の両親の顔も知らず、ここにくる前はどこに住んでいたのかかも分からない。いわいる、記憶喪失というものだ。

「あっはい。では、行ってきますブルニアルス様」

 ざっ

「・・・いってらっしゃい、『雷精霊のイガード』君」

 イガードが扉の向こうに行き、扉が閉まる直前に言い放った。

 イガードはその言葉で罠だと感付いた。けれど、もう遅い。 ガコン 扉はまた閉ざされた。柄にもなく敵の罠にはまり、閉まった扉を見上げる。扉はもう開くことがないように感じられた。

「ルイ様がお待ちしております・・・」

 その言葉と同時に、廊下の中に明かりが灯った。中は白で統一され、太い大きな柱が建てられている。


 あれから少し歩いたところで、由比那の足が止まった。ゆっくりとこちらに振り返る。

「どうしたのですか?」

 イガードの問いに由比那は目を潤ませながら・・・、

「ごめんなさい・・・!」

 パチン! 指をならした。その音は広いこの廊下に響き渡った。

実はこの作品には本編があるのですが、投稿していませんでした。なので、遅くなりましたが今回投稿させていきます。良かったらそちらも見ていただけたら幸いです。今後も時間を見つけては執筆活動を続けていきますので、よろしくおねがいいたします。

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