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第19話

こんにちわ、またもや勉強が嫌になってきた作者です。貸借対照表意味わかんねぇ!損益計算書って何!?意味が分かる人には分かりますかね?多分。こんな作者が書いている作品。このまま読んでいただけたら幸いです。

 塔の階段を駆け上がるライクとファスト、それに二人の遣いの者。

 階段は上れど上れど終わりが見えず、襲いくる魔物も倒せど倒せど向かってくる。

「ハァ!」

  ドォオン

「三本…ふふ」

  シュシュシュ ガガガ

 ライクが魔法で先制攻撃を撃つと、それに続いてライクの遣いの者が矢を放ち追い打ちをかける。

「はぁ、はぁ、くそっ!」

  ザンッ

「やっ!」

  ドッ

 ファストが剣で次々と魔物を切り捨て、遣いの者が槍で止めを刺す。今回はたまたま四人全員が違う攻撃タイプだったからこそ、このようなうまい連携ができたと言えるだろう。

 四人が通った場所は一筋の道になり、道の両側にはすでに冷たい固まりとなってしまった魔物達。

「はぁ、やっと…頂上か…」

 目の前に居る魔物の軍勢の隙間から見えたのは突き当たりと思われる場所、木製のドアが見える。しかしその前には人が立っている。

「門番ってところか?」 息の上がっているファストとは対照的に、ライクは普段と変わらず普通に話す。

「ふん、誰であっても私の行く手を阻むものは死、あるのみ!」

「ファスト様! キャラが変わってるから!」

 ファストの変化に遣いの者が声をかける。いつもの元気なファストではなく、目の据わっている怖いファストになっている。

楼焔ろうえん、人間いつもまでも普通のままじゃいられないのよ…」

 ライクの遣いが楼焔と呼ばれたファストの遣いに近付き、さらりと言う。

「えぇ!? じゃあ僕の優しいファスト様は何処にいったの、普電ふでん!」

 気の弱そうな楼焔はその言葉に慌てふためく、普電と呼ばれたライクの遣いはにっこりとほほえんで一言。

「消えたわ…」

「えぇ!!? どうしよう、僕こんなファスト様とこれからうまくやっていけるか不安だよ…」

 人の言葉に流されやすい彼は更に混乱し、槍の命中率が下がってきた。

「大丈夫よ…」

 普電から彼の耳元に顔を近付けて続けた。

「いざとなったらあんたを殺して私が新しいファスト様の部下になるわ…」

 思いがけない一言、更に手元が狂い、槍は宙を突く。ライクは楼焔の異変に気付きとっついている小精霊の二人に目を向けるが、あえて何も言わずに様子を見る。

「そ、そそんなことしてもむ無駄だよ。きき君にはライク様がいいるじゃないか」

 焦っているのがバレバレである。

「お二方は私のものよ、私は二人の部下になるの…」

 とても楽しそうに話す普電の声に不安は募るばかり。だが、一応抵抗してみる楼焔。

「む無理だって、体がもも保たないよ」

「…そうね、じゃあ双子の妹にファスト様の部下をやってもらうわ」

 今度は呟いたその言葉に楼焔は魔物を突く手を止めて後ろを振り返る、普電は読めない表情で立っていた。

 双子の妹がいたなどとは初耳である、楼焔は目を丸くしてきいてきた。

「え? 双子だったの!?」

  バシュン

 矢を一つ放ち、相手を馬鹿にしたような顔で答えた。

「ふっ、んなわけないじゃない…」

 してやられました。

 二人の様子を見ていたライクだったが、あまりにも長いため一応怒ることにした。

「二人とも何してる! 攻撃に集中しろ!」

「「はいっ!」」

 二人はその声に体を飛び上がらせ、楼焔は不安になりながらも、普電は今後を楽しみながら攻撃を再開した。



「…部屋の外が騒がしくなってきたわね」

 ガリガリとナイフで床を彫りながら女は言った。

「そうか…」

 椅子にもたれかかったまま窓の外を眺めていた老人が呟く。

「あんた達はこのままここに居るのか?」

 椅子に縛り付けられている男が二人に聞いた。

 女はそっけなく、

「私はこれが終わったら居なくなる」 老人は未だ窓の外を見ながら、

「私は居るよ、息子に合わねばな…」

 一度は机に置いていた煙管を再び口にくわえ、白い煙を吐く。途端に床を彫る音が止まった。

「…イガード、動くんじゃないよ」

 女がその場に立ち上がり、手を組み忠告をした。

「動くもなにも、あんたの術で身動きがとれない」

「だから言ったんだよ、一度かけた術を解いて、お前に別の術をかけてやるんだから…」

 そう言って女は呟くように唱えだした。

「別の術って……これは!」

 まだ術がかかっている身体で相手のほうを見ようとする。

 唯一、自由の利く首を向けると女が描いていた印が目に飛び込み、目を見開く。

 その印は女が得意とする術の印だった。二重の円の中に星が描かれ、二重の円の間には文字が刻まれている。

  シュン

 いきなりイガードを縛る術が解かれ体勢を崩す、だがそこにすぐ新しい術をかけられた。

  キンッ

「ぐっ…!」

「あんまり抵抗するなよ? お前もわかっているはずだ、この術は拒めば拒むほど痛みは増す」

 痛みに顔が引きつった

「つっ…! だからって…簡単に俺…の身体を……やるわけないだろう…」

 自分が自分ではなくなるそんな中途半端な感覚、イガードは気持ち悪く感じていた。だが心に反して、身体は耐え切れず、心を手放す。

「…がっ!」

 強張っていた身体は力が抜け、イガードは動かぬ人形になってしまった。

「…じゃあ私は行くわ、検討を祈るわ…イガード」

 女は手を解き、そう言ってこの部屋、いや塔からいなくなった。

「……はい、史遠様…」

 イガードは俯いたまま顔をにやつかせて言った。



 先頭で魔物を斬っていたファストの動きが止まった、大きく見開かれた目はドアの前に立つ人に釘付けになっていた。

「子供…?」

 扉の前に立っている人はまだ少年だった。珍しい二股の槍を扱い、人間でも魔族でもないその姿、その少年にファストは見覚えがあった。

「あいつ…!」

 足に力を込め、目の前に残っている数体の魔物を切り刻み少年に襲い掛かる。

  ギィン

 互いの武器がぶつかった。

「ぐっ…やっぱりあんた…あの時の…!」

 ファストは自分より少し背の低い少年に怒りを露にした。

「どうも、お久しぶりですね。前にお会いしたのは確か…イガードさんと僕が一対一で戦っていた時でしたっけ?」

 ファストが力一杯押しているのに対し、少年にはまだ余裕があるように見える。

「ファスト!」

「ファスト様!」

「ファスト様…」

 三人が叫ぶ、それはファストが一人でいきなり走りだし、魔物を全て葬り去り、少年に飛び掛かったから。

 そんな三人の言葉に耳を向けず、ファストは少年に言葉を吐き捨てる。

「うっさいわね…あんましゃべってると舌噛んで死ぬわよ…」

「…忠告ありがとうございます」

 依然顔色一つ変えずにファストと対峙する少年は、確かにあの時イガードに勝った少年だった。しかし、何か違和感を感じるその表情。

「僕の名前をお教えしていませんでしたね、僕の名前はブルニアルス。聖魚人族です、以後お見知りおきを…」

 にっこりと微笑んだ少年、その態度に無性に腹がたったファストは完全に切れた。

「あんたに以後なんてないわ! あんたは私が今ここで倒す!」

 彼女の本気の言葉に少年は苦笑いをした。

「あなたにできます? イガードさんより弱いくせして…ねぇ、イガードさん」

  ガチャ

「イガー…ド?」

 少年の真後ろのドアから現れたのは紛れもなく、イガードだった。彼の姿を見てファストの剣を握る手が緩んだ。

最後に。。。電卓辛い!!

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