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第1話

「ライク!ライク・バクス居るか!」

 城内にその声が響き渡るより先に、名を呼ばれた本人が姿を現した。

 その男は、金色の髪で、身の丈程の柄の先に、球体の付いている杖を持ち、立派な身なりをしている。

「何だい?バルタル・ブール。」

 ライクは冷静な声で、自分の名を呼んだ女性に訊ねた。

 −バルタルは全身を蒼の服を着ており、やはり身の丈程もある杖を持っていた。−

 バルタルは顔を赤くしながら言った。

「ライク!大変なんだ!!地上からの連絡で、奴が甦ったらしい!」

「本当か!?」 先程まで冷静だったライクの顔つきが変わった。

−バルタルが言っている“奴”とは、太古、地上の運命を180°変えてしまった最悪の精霊、いや、悪魔のことだ。−

「其れで、例の少年に異常は?」

「今のところは、しかし、何れ反応が見られるかと…。」

「…よし、早急に皆を集めてくれ、会議を行う…」

「承知!」

 バルタルが急いで走り去って行く。その時、ライクは確信していた。“例の少年”が、世界にまた困惑を招くことを…。




 広々した部屋に、バルタルが急いでかき集めた男女6人が、顔を突き合わせて話していた。

「それは本当か、ライク!」

 席を立ち、ライクからの報告に唖然とする男をしり目にもう一人の男は、状況を把握したのか静かにしている。

「確かに“奴”が目覚めたのはやべぇってのは分かるけど、何で“例の少年”まで気にする必要がある?」

「バカだな、コイツ…」

「んだとぉ!?」 質問の内容に呆れ、男が溜め息をつく、そして話始めた。

「そんなことは分かりきっている事だろう。“例の少年”は“奴”から生み出された分身とは知らないわけだ。しかも、“奴”と同じくらい協力な力を持っているんだ。“例の少年”がその事を知ったら絶望し、力が暴発するだろう…。」

「つまり地上が…てことか?」

 男は出で表現し、口が開いたままになってしまった。

「そういうことだ。先程、神・グランバセーニュ様のお力を借りて予知したのだが、“例の少年”が友人と共に“奴”を倒しに行くそうだ…」

「なんだって!?」

「何故、その様なことに…!」

 静まり返った室内の空気を動かしたのは、例の通り、ライクだった。

「地上の王の一人が使者を出し、依頼したのだ…しかし、諦めるのはまだ早い、予知の時までにまだ時間はある。そこで、皆にやってもらいたい事がある。」

「それは?」

 一人の女性が訊ねると、また静まり返った。ライクにゆっくりと口を開き、答え始めた。

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