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第17話

パッ!でた!でましたよ! でお馴染みの某芸人に何気なくはまっている、この物語の作者・深海瑠璃でございます。なぜ今回はこんなに早いのかというとですね…後書きに延ばします。本編読んでから後書き来てくださいね!では、このまま読んでいただけたら幸いです。

「ライク! ファスト! 早く先に行って!」

 叫んだのはバルタル、幾万もの魔物が襲い来る中、ベルバーが前線で敵を散らし道を作る、その後ろでバルタルが広範囲の術を使い消滅させる。他にも小・中精霊達が敵を叩く。

 シュートゥはといえば、離れたところで皆の援護と回復に撤していた。

「すまない」

「ありがとう!」

 イガードとファストが戦場を離れ、ベルバーが作ってくれた道を走り、先にある塔を目指す。

「ファスト、分かっているな」

 ライクは走りながら後ろから付いてくるファストに声をかける。

 ファストは、それにはっきりと答えを返した。もう城での女々しさはない。

「はい。今回の任務は敵の殲滅せんめつ及び兵器の破壊を第一とし、人質の回収はその次…ですね」

「そうだ、君には酷かもしれないが彼もそれを望んでいた」

 ライクが言った彼、に僅かに反応したファストだが、一瞬ためらいはしたものの先ほど度同じ口調で話し続ける。

「…迷いはないです。さぁ、急ぎましょう」

「ああ」

 二人は走る、塔の最上階を目指して。


 そもそも、なぜこのようなことが起きたのかというと…

 イガードを除く五人で会議を行なってから二日後、再び同じメンバーが集められた。

  天空城の会議室

 奥から、ライクとファスト、バルタル、ベルバーとシュートゥで向かい合って座っている。いつもならライクはバルタルと向かい合わせになるはず、この時点で、いつもと違うといことが全員わかったらしく、緊張な面持ちでライクが口を開くのを待つ。ただ、ファストだけが下を俯く。

 前回の議題はイガードが捕われたことについての今後の対応について、今回は。

「今回の議題は二つ。一つは反精界派について、これはルイにも深く係わっている。そしてもう一つは、イガードの件だ。これは私からではなく、ファスト・レイアーに話してもらう。以上」

 最後の言葉に、発言者のライク、指名されたファストを抜いた三人が驚きの表情を隠せない、なぜなら、会議を進めていくにあたり、議題を提供するのは最高責任者であるライクの役割である。

 たとえ他の者が情報提供者だとしても、ライクが全てを聞き、伝えることになっている。

 今回のようなことは五人がこの役職に就いて初めてだった。

「では、反精界派のことから話そう」

 そう言うとライクは全てを話し始めた、情報提供者が自分の親からだということも含め、手紙の内容を全て。

「それって…間違いねぇのか?」

 話し終えたライクにベルバーは半信半疑で聞いてみた。少しためらったのは、ライクの実の父からの情報だと知ったからだろう。

 ライクの家庭の事情は全員知っている、それは、彼がこの地位に就く時に自ら打ち明けたからだ。『自分の母は既に消滅し、父は生きているが反精界派。私はいずれ父を私の手で捕まえ、裁く。その時は力を貸してほしい』と。

「ああ、昨日部下を確認のため送ってみたが、報告は

「事実」

だそうだ。しかし、必ずやつらを捕まえる。逃がしはしない」

 あの頃の決意は今になっても変わらないようだ、彼はただ前を見据え、顔色一つ変えずに話した。

「この件に関しては以上だ、他に質問がある者はいるか?」

 すっ、とバルタルの手が挙がる。

「いつ取り締まりに行くの? イガードのこともあるのよ」

 『イガード』というフレーズを言われた同時に、ファストが反応した。

 ライクはそれを目の端で見ていたにも関わらず、ファストに何も言わず、バルタルの問いに答える。

「イガードを助けるのと同時に彼らを取り締まる」

「一体どうやって?」

 さらにバルタルが追求する。

「それにはまず、ファストからの報告を聞いてからのほうが早い、ファスト」

 ライクに指名を受け、何も言わずに立ち上がる。そして。

「まず皆さんに謝ります…ごめんなさい」

 いきなり頭を下げるファスト、当たり前だが、彼女とライク以外の者は

「何が?」

という顔をしている。

 顔を上げたファストは三人の疑問の視線と、ライクからの冷たい視線を感じつつ、俯いたまま話を続けた。

「私は…ライクからの指示がないまま、イガードに会いに行きました」

 ファストの謝罪の内容に誰一人、怒鳴ることはなかったのだが、内容が内容だけにただ驚きの表情を見せる。

「会いにって…あの塔にですか?」

 シュートゥはやさしい声で訊ねた、しかしファストまだ俯いていた。

「はい…」

 暗く沈む声、顔は垂れ下がった髪が掛かり表情がうかがえないが、その声で深く反省していることが分かる。

 しかしライクは

「その時の様子を詳しく教えてくれるか?」

 まるで尋問である。

 びく、と反応したファストを見てベルバーはまてまて、と言う。

「そんな冷たくしなくてもいいんじゃないか? ファストも反省しているようだし」

「優しくする必要はない、ファストもこうなることをわかっていて行動に移したはず、まぁ、情報が得られてこちらとしては嬉しいかぎりだがな」

 いつもと違い、何かを焦っている様子のライクは冷たい言葉を並べる。

 やはり少しは父親のことが心配なのだろう、縁が切れても自分の親に変わりはないのだから。

「まぁ、いいや。ファスト、話してくれるか?」

 やりきれないかんじで頭を掻きながら、イガードに会った時のことを話してもらえるようにファストを促す。

「はい…」

 ファストは、イガードが何をしていたのか、何が起きどうなったのか、全てを話した。



 話しおわった後、誰も発言を直ぐにはしなかった。

 立ち尽くしたままのファストをバルタルが優しく座るように言う、ファストは逆らうこともなくゆっくりと座った。

 やはり口を開いたのはライクだった。

「大体分かったと思うが、イガードは今深手を負い動けぬ状況、つまり内側から奴らを崩すのは不可能となった。それと、先ほど言ったように反精界派の者の殆どは同じ塔に居る」

「待てよ! 話の流れからいって近日中に塔に襲撃するつもりだろ?」

「そうだが?」

 ライクの言葉を遮り抗議したベルバーだったが、相手は冷静に話続けている。それを見ていたシュートゥも疑問を投げ掛けるが、尚も冷静な表情を崩さずに受け答える。

「そんなことをしてはイガードの身が危ないのではないですか?」

「分かっている」

「ふざけんな! 仲間を見捨てる気か!」

 ライクの考えが理解できないとベルバーは更に怒り、机を両手で強く叩き立ち上がる。

「…本人からはもう了承を得ている」

 そう言うとライクはジャケットの内ポケットから紙を一枚取出し、わざわざベルバーの下まで歩いていき渡した。

 ベルバーは絶句した。紙にはイガードの筆跡でこう書かれていた。

『自分に構わず、襲撃しろ。そうなれば、自分は必ず人質になる。しかしその時は自分と共に敵を斬れ』

 シュートゥも立ち上がり、固まったままのベルバーの手元を覗き込む。そして、両手で口を押さえる。

「それが彼の意思だ。私は彼の決意を無駄にはしたくない」

 自分の手を強く握りしめ話すライクの姿は、先程までの冷静な彼は消え、ただ仲間を心配する一人の男になっていた。

 誰だってこんな言葉は聞きたくなかった、こんな結末は望んでいなかった。だから、少しでも変えるために前に進む。

「よっしゃ、やってやろうじゃん!」

 ベルバーが手に持っていた紙を握り潰す。

「ええ」

 シュートゥは彼の言葉に力強く頷いた。

「もちろん敵は残らず殺る」

 立ち上がり据わった目でいうバルタル。

「そしてイガードは…」

 次の言葉にためらうファスト、代わりに言ったのは

「助けだすさ」

 いつもの優しいライクの声だった。

「では決行は明朝、それまでに各隊の体制を整えておけ」

「「了解!」」

 ライクの命令に異論をとなえる者はもう誰も居ない、もう五人の気持ちは同じものになったのだから。




さて、前書きの続きを…今回の投稿が早いのは、先にこの話を書いてから気付いたのです。これでは話が繋がらない!ということに。それで急遽、前話を書いたんですね…ほとんどムリヤリ。いいのかな?こんな暴露して(´Д`;

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