第一章 出会い
毎週金曜日18時に投稿していきたい!!!!
気が早いかもですが、感想を書いてもらえるように頑張ります!
春は、人が多い。
京洛産業大学けいらくさんぎょう入学式
それでも、倉橋 青日くらばし せいひは東京にいた頃よりも、息がしやすいと感じていた。
大学の正門前。
入学式の看板の前で足を止め、青日はゆっくりと息を吸い、吐く。
事故の後の約2年で、青日は人込みが苦手になった。
ーーー大丈夫だ。
そう言い聞かせるように、視線を上げ中へ入って行く。
人の波の中に異物が混じっている。
人の形をしていない"何か"
見える。見えてしまう。
ーーーーこの視界に映る世界が変わった。
事故の後、青日は二つのものを失った。
一つは、バスケットボール。
右膝は、もう以前のようには動かない。目が覚めてすぐ医師から言われた言葉だった。
医師は曖昧な言い方をせず、真っすぐ青日に告げた。
幸か不幸か、青日は不確かな期待をせずに済んだ。
もう一つは、平穏な日常。
あの日、カーテンの傍に感じた"存在感"が気のせいではなかったということ。
人、ならざる者が視える日常へと変化した。
平穏で、好きなことへ全力を注ぐ日常は、事故をきっかけに全て失った。
そして、青日は京都を選んだ。
逃げるためではなく、生きる選択で。
視えるようになってから、妖人ならざる者にしつこく付きまとわれることが増えた。
家までついてくる者、悪戯をしかけてくる者、食べようとする者。
色んな妖に関わられてきたが、その妖たちはある一線は超えないことがわかった。
それが、青日が京都を選んだ理由。




