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第40話・大暴走<スタンピード>①

【1月16日10時12分――宮城県支部長、対策本部に到着】


「現状は?」

「依然として、大きな動きはありません」


管理室とは別に設けられた対策本部。

壁一面を占める大型モニターには、魔獣の位置情報が映し出され、山寺ゲートの対策本部、ハンター協会本部、宮城・山形両県庁、さらには首相官邸とも常時接続されていた。


宮城県支部長・鳴尾なるお大輔だいすけは、画面を一瞥すると静かに頷く。


「ハンターの集まり具合は?」

「秋保に近い者から、続々と集合しています」

「鶴谷、そっちはどうだ?」


モニター越しに映る山形支部長――鶴谷つるや宗太郎そうたろうが答える。


『こちらも集まり始めている』

「1100《ひとひとまるまる》まで揃うのを待つ。それでいいか」

『了解』

「よし。それまでに作戦を詰めるぞ」


【同日11時00分――Bランク以上のハンター、対策本部にほぼ集合】


「報告します。現在集合率は90%」

「ありがとう」

『こちらも90%を超えた』

「よし、準備を整え1400《ひとよんまるまる》、作戦を開始する」

『了解』


【同日11時05分――秋保ゲート前】


秋保ゲート前の広場には、約250名のハンターが集められていた。

その前方、簡易的に設置された台の上に、鳴尾が立つ。


「みんな、よく集まってくれた」


ざわついていた空気が、自然と引き締まる。


大暴走スタンピード殲滅作戦の内容は既に共有している通りだ」


鳴尾は一人ひとりの顔を見渡し、続ける。


「何が起こるかわからない。絶対に単独行動はするな。これだけは徹底してもらいたい」


一拍置き、力強く言い切る。


「作戦開始は1400《ひとよんまるまる》。今回参加した全員には、特別ボーナスを約束する」

「「おぉぉ!!!!」」


ハンターたちの士気が跳ね上がる。


「全員、絶対無事に帰ってこい!!以上だ!」


【同日14時00分――大暴走スタンピード殲滅作戦開始】


秋保ゲートが開きハンターが続々と進んで行く。

目的地に近付くにつれ魔獣が増えていく。

洞窟からあふれ出てきた魔獣が徐々に移動してきているようだった。


【同日14時53分――山形チーム、現地到着、戦闘開始】

【同日15時06分――宮城チーム、現地到着、戦闘加入】


岩壁の広場は、瞬く間に魔獣の咆哮と爆音に包まれた。

洞窟の前に群れていたのは、比較的危険度の低い個体ばかりであった。

ハンターたちは手際よく討伐を進め、あっという間に数を減らしていく。


――だが。


洞窟の奥から、次々と魔獣が湧き出してくる。


「おいおい......ゴキブリかこいつら。どんだけ出てくるんだよ」


剣を一閃させて魔獣の群れをなぎ払う尊。

その表情には、隠しきれない苛立ちが滲んでいる。


「尊さん、そんなイライラしないでくださいよ」


神堂も絶え間ない攻撃を繰り出しながら軽口を叩く。


「するなって言う方が無理だろう。この状況はよ」


その時、


『尊、聞こえるか?』


尊のイヤーピースから鳴尾の声が響く。


「鳴尾さんか?」

『あぁ......映像越しでしか分からないが、戦闘開始から一時間が経過したが、現場の感覚として、このまま押し切れるか?』


尊は一瞬、洞窟を見据え――即答した。


「......無理だな。この数と湧き方、消耗戦になった時点で負ける」

『......分かった。作戦を変更する。全体に一時撤退の命令を出す』

「鳴尾さん。最後に、あの洞窟を一度塞いでもいいか??」

『時間稼ぎにはなる.....か......任せる』

「了解」


【同日16時18分――対策本部長より撤退命令】


ハンターたちは、一斉に所属するゲートへ撤退を始める。


「神堂、洞窟を塞ぐぞ」

「塞ぐぞってどうすんですか?」

「入口の上を破壊する。思いっきりな」

「わかりましたよ」


撤退するハンターたちとは逆に、尊と神堂は魔獣を倒しながら洞窟へ向かう。

入口直上に一撃を叩き込み、岩盤が崩れ落ちる。

轟音と共に、洞窟は瓦礫に埋もれた。

残った魔獣を殲滅し、二人もその場を後にする。


【同日17時36分――撤退完了】


「報告いたします。全員撤退完了。軽傷者多数。重傷者はいません」

「......危険度が低かったのが救いだな」

『一先ず全員無事に帰ってきたのならよかったな』


オンライン越しに鳴尾と鶴谷が言葉を交わす。


『鳴尾、どうするつもりだい?』


成宮会長が、静かに口を開いた。


「対策本部を現地近くに移し宮城・山形合同本部とし招集範囲をDランクまで拡大。加えて皆方高校へ後方支援の要請をします」


成宮が、わずかに眉を動かした。


『高校生を使うというのかい?』

「会長、皆方高校の一部の生徒は最早トップレベルの実力を持っています。今は、一人でも多くの手が欲しいところです」

『なるほどね......』

「もう一つ、洞窟内の状況を把握するため偵察隊を出しています」

『塞いだのにドローンじゃないのかい?』

「洞窟内では電波障害がの可能性がありますので......それに偵察のプロですから塞いだ入口から入るのはお手の物でしょう......そして、最悪の事態を考えると、洞窟内に魔獣を生み出す発生源がありそれを撃破しなければ納まらないということになれば、洞窟への突入部隊を考えなければなりません」

『そうなったら精鋭部隊で行くしかないな』

「その場合は諏訪尊を突入部隊の隊長として組む予定です」

『わかった。任せよう』

「対策本部移転開始は明日の0700《まるななまるまる》とします」


【同日18時00分――皆方高校緊急職員会議】


職員室に全教師が集められていた。


「えー、みなさん。朝の報道でご存じかと思いますが県内で大暴走スタンピードが起こりました」


校長・衣笠が重々しく口を開く。


「報道には出ていませんが殲滅作戦が行われ失敗したそうです。次の作戦として後方支援のため本校に要請がかかりました」


ざわめく教師たち。


「これより先生方には生徒たちに連絡をお願いします......まさか、こんなことになるとは思ってもみなかったことで先生方も同様しているかと思います......ですが、ハンター育成校としてこれは宿命ともいえることです。生徒の不安を少しでも和らげながら、対応をお願いします」


こうして、翔馬たちもまた、大暴走スタンピードという現実に、否応なく巻き込まれていくのだった。

この度は読んでいただきありがとうございます。

この作品は、構成、文章を先に考え細かい描写等に関してはAIにて修正しています。

よろしければ感想、評価など書いていただければ今後の参考にさせていただきたいと思います。

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