第34話・限界を超える!【戦技祭⑦】
準々決勝、準決勝――
翔馬たちは、ほとんど危なげなく勝ち上がった。
そもそも、主席が二人いる時点で反則級の戦力である。
予想通り、どのチームも正面から政美たちにぶつかることはせず、フラッグを狙ってきた。
だが――
「……甘いな」
フラッグ前に陣取る政美と巧を突破できる者は、一人もいなかった。
挑んでは叩き伏せられ、気づけば勝敗は決していた。
「ふん、楽勝だったな」
準決勝終了後。
昼休憩を挟み、控室へ戻った政美は、椅子にどかりと腰を下ろした。
「俺、正直何もやっていないですけどね」
「気にしない、気にしない」
巧は、笑いながら翔馬の肩を軽く叩く。
「昨日の作戦会議は何だったんだか」
「ただの食事会だね」
そんな軽口を叩き合う中、反対ブロックの結果も出ていた。
真のチームもまた、当然のように勝ち上がっている。
決勝は、翔馬のチーム vs 真のチーム。
そして発表された最終ルールは、
「……1対1の団体戦、か」
「順番はどうする?」
「先鋒、翔馬。中堅、巧。大将は私だ」
巧の問いに政美は迷いなく言い切る。
「あ、やっぱり」
「瑠奈も当然大将で来るだろう」
「俺の相手は真くんですかね?」
「うーん、そうなるかもねー」
翔馬は腕を組み、静かに息を吐いた。
「何か策はあるのか?」
「実戦では、まだやったことないんですけど......」
翔馬は視線を落とし、そして上げる。
「真くん相手にするんだったら、限界、超えた方がいいかなって......」
「ほう......具体的には?」
「それは......」
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『闘技場にお集まりのみなさん、大変お待たせ致しました!只今より、戦技祭・決勝戦を開始します!!』
闘技場が、揺れるほどの歓声に包まれる。
『東ゲートより登場は、 優勝候補大本命!!実力通りの強さで、危なげなく決勝進出!』
政美を先頭に、三人が姿を現す。
『リーダー!三年主席!完全無欠の女帝――伊達政美!』
政美の紹介のアナウンスで一段と盛り上がる。
「人気、相変わらずすごいですね」
「容姿端麗、才色兼備。そりゃそうなるよ」
『二年主席!眼鏡の貴公子――片倉巧!』
「眼鏡の貴公子?」
「あの呼び名、本当にやめてほしいんだけど......」
『交流戦で現れた新星、一年!世渡翔馬』
「うわ……それ、地味に一番恥ずかしいんですけど」
「そのうち慣れるよ」
と言いながら巧は笑っていた。
『続いて西ゲートより登場は、優勝候補の対抗一番手。こちらも危なげなく決勝進出』
黒見を先頭に西ゲートより三人が登場する。
『リーダー!三年次席!精密機械の女傑――黒見瑠奈!』
黒見の紹介アナウンスでも歓声が沸く。
『二年!天才女剣士――神宮寺かぐら』
腰まで届く艶やかな黒髪のポニーテールを揺らし、凛とした佇まいの神宮寺。
『最後は、英雄諏訪尊を父に持つ、一年!諏訪真!』
両チームが闘技場の中央に並び、モニターに対戦表が映しだされる。
【先鋒:世渡翔馬 対 諏訪真】
【中堅:片倉巧 対 神宮寺かぐら】
【大将:伊達政美 対 黒見瑠奈】
「やっぱり真くんか......」
「ホントにあれで行くのかい?」
「はい、もちろん。接近戦じゃ勝てるわけないので俺の今持ってる力を全て使わないと」
「いやぁ、ホントに出来たらすごいよ」
両チームが一度ゲートへ戻る。
『決勝は先に2勝した方のチームが勝利。優勝となります。今回使用される武器は、自前の武器使用可となります。ただし、刃物はカバー必須、弾薬はゴム弾を使用します。そして、決勝は10回ヒット判定を受けた方が敗北となります......それでは、先鋒の選手の入場です!まずは、東ゲートから入場!世渡ぉ翔馬ぁ!』
翔馬が姿を現した瞬間、歓声に混じって、どよめきが走った。
――ショットガンを、二丁手に持っていた。
ゲームでしか使えなかったスタイル。
かつて課外学習で試み、リロードの問題で断念したスタイル。
だが、【WEAPON SHOP 青葉城】で見つけた逸品。
それは、慣性スライド機構と超高速給弾システムを搭載したショットガン。
担任の飛島を伴い購入し、密かに学校で保管していた。
『西ゲートから入場!諏訪ぁ真ぉ!』
真は、左腰に拳銃、右腰に剣を携え登場した。
「翔馬くん、ショットガン二丁はリロードで苦戦してなかった?」
「そうなんだけどね。この銃がそれを実現してくれそうなんだよ」
「なるほど。それじゃあ、本気の翔馬くんと戦えるわけだね」
「そりゃ、これじゃないとサクッと負けちゃうよ」
「楽しみだね」
中央で、向かい合う二人。
翔馬はショットガンを強く握り、静かに息を整える。
『決勝先鋒戦、世渡翔馬対諏訪真!』
一瞬の静寂。
『――始めぇぇ!!』
翔馬と真の戦いの火ぶたが切って落とされた。
この度は読んでいただきありがとうございます。
この作品は、構成、文章を先に考え細かい描写等に関してはAIにて修正しています。
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