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第26話・交流戦閉幕【定期交流戦⑩】

「ほら、あと少しだよ!」

「ほら、足を動かす!」


真と源野に左右から叱咤され、翔馬と冬矢は折れそうな足を必死に前に出した。


「......もう、動かないって......」

「もう、無理......」


走るというより、もはや歩くに等しい速度。

それでも2人は止まらなかった。

他の6人も、自然とその歩調に合わせる。

誰一人、先に行こうとはしなかった。


「お、見えたぞ......校門!」


環太の声に翔馬は顔を上げると、まだ小さいが、確かにゴール地点である正門が見えてきた。

その間も、他の生徒たちは8人を抜き去り、次々とゴールテープを切っていく。

それでも――構わなかった。

ゆっくり、確実に、8人で進み続けた結果。


「......やったぁ......」


8人全員でゴールラインを越えた時、時計の針はスタートから4時間7分を指していた。

翔馬と冬矢は、その場に大の字になって崩れ落ちた。


「......もう、1ミリも動かない......」

「僕も......」

「ちょっと!ここで寝たら他の人の邪魔になるでしょ!」


絢に呆れ顔で注意され、渋々起き上がる2人。

校内へ移動し、一階の受付所へ。

そこでは既に多くの生徒が列を作り、終了受付を行っていた。

疲労は色濃く残っている。

それでも、誰の顔にも笑顔が浮かんでいた。


制限時間の5時間を迎え、両校の全生徒がゴール。

その30分後、体育館には心地よい疲労感を漂わせた生徒たちが集結していた。


「えー、静かに、最後に衣笠校長先生より総評をいただく」


衣笠が壇上へ上がる。


「みなさん、お疲れ様でした。全員が無事ゴールできたことを、大変うれしく思います。チェックポイントで実力を発揮できた人、悔しい思いをした人、それぞれいるでしょう。しかし、この経験は必ず今後のハンター人生の糧になるはずです」


その言葉を聞きながら――

体育館の中で、飛島だけが心の中で呟いた。


(最初はただ面白がって考えてたくせに、こういうもっともらしい理由だけは本当に上手いんだよな、あの人)


「特に、最後のチェックポイントの大型機械魔獣に対し、両校の生徒が手を取り合って共闘した姿は非常に印象的でした......それでは、2045年度の定期交流戦を閉会といたします。東鳳学園の皆さん、どうか気を付けてお帰りください」


その言葉とともに、交流戦は幕を閉じた。

________________________________

「当日中に東京へ帰るなんて、大変だね」


正門前では、夕闇が迫る中、両校の生徒たちが名残惜しそうに別れの挨拶を交わしていた。


「翔馬くん、せっかく仲良くなれたのに......」

「ホントだよ」

「今度、東京に遊びに行くから、その時は案内してよ」

「えっ!?......いいけど、新幹線代とか結構かかるよ?」

「いや、お金の心配はしなくていいんだよね......ははは」

「???」


冬矢が首を傾げていると、遠くから飛んでくる源野の声。


「冬矢ー、行くぞー」

「うん!じゃあ、またね、翔馬くん」

「冬矢も元気で!」


東鳳学園の生徒を乗せたバスが、ゆっくりと動き出す。

翔馬たちは、そのテールランプが見えなくなるまで、何度も何度も手を振り続けていた。

________________________________

「みなさん、揃いましたか」


とある一室。


「それでは......乾杯!」

「「乾杯」」


集まっていたのは、皆方高校の教師陣だった。


「本当は東鳳学園の先生方も一緒に打ち上げ出来たら良かったのですが、お帰りになってるので仕方ないですね。こればっかりは開催校の特権ですね」


準備から運営までを担った教師たちの表情には、安堵が浮かんでいた。

和やかな歓談の時間がしばらく続いた後。


「さて......そろそろ交流戦の振り返りといきましょうか」


衣笠の一言で、部屋の空気がピリッと張り詰める。

責任者の男性教師がタブレットを操作し、モニターにデータが映し出された。


「まず、皆方高校1位が3年伊達(だて)政美まさみ。総合でも1位となっています」

「さすが、ですね。まだ男社会のハンターの中でこうして女性が力を付けているのは嬉しい限りです」

「 続いて2位は、2年の片倉かたくらこうです。総合順位は4位となっています」

「片倉くんも2年生でこの順位は立派ですね。それに3年生のみなさん順位が上位で素晴らしい」

「はい、単独で大型機械魔獣を相手にした者は、上位に来てます」

「あの大型魔獣には騙された生徒が結構いましたね」

「はい、大きさだけで言えば危険度Aですが実際はBいくかどうかというところ」

「見た目で判断してはダメというのが今回の裏目的だったんですけどね」

「はい......次ですが総合順位としては下位になりますが注目すべき生徒が一人」


モニターに映し出されたデータ。


「ほう、世渡くんですか」

「校長、ご存じで?」

「ええ、さすが飛島先生の生徒ですね」


衣笠はニヤリと笑いながら飛島を見る。


「どうも」

「この世渡翔馬という生徒。最初の10キロは下位の成績ですが......チェックポイント②と③の射撃精度・反応速度は、全校生徒の中で唯一無二の数値を叩き出しています。特に③の10秒台という記録。Aランクハンターでも上位層なら出せるだろうというレベル。1年生でこれは......さすがに末恐ろしい」

「......ホントですね。ですが、これは11月が楽しみになりますね」


11月に行われるのは【戦技祭】と呼ばれる全学年が参加する実技試験である。


「以上で振り返りを終了いたします」

「はい、ありがとうございます......ではみなさん、休み明けからも生徒の指導よろしくお願いします」


こうして、定期交流戦は――

本当の意味で、幕を下ろしたのだった。

この度は読んでいただきありがとうございます。

この作品は、構成、文章を先に考え細かい描写等に関してはAIにて修正しています。

よろしければ感想、評価など書いていただければ今後の参考にさせていただきたいと思います。

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