第25話・最後のチェックポイントは8人で......【定期交流戦⑨】
スタートから約3時間。
翔馬たちは足を引きずりながら最後のチェックポイントに辿り着いた。
「やっと......最後のチェックポイントだ......」
「ホント、よくここまで来たよね......」
見上げるようにそびえる、巨大な闘技場の壁。
だが、二人の表情は晴れない。
「......ここ大型魔獣との戦闘だよね」
「......そうだね」
「......俺たちだけじゃ、ちょっとキツくない?」
「......前衛、欲しいよね」
「だよね......」
絶望に近い溜息を吐きながら、二人は闘技場のゲートを潜った。
その時――。
「おう、遅かったな!待ちくたびれたぞ!」
場内に響いた、聞き覚えのある声。
「環太!?なんでここに?」
「義人くんも!?」
そこには、すでに到着していた環太、真、源野、武蔵原の四人が並んでいた。
「お前らを待ってたんだよ」
環太が白い歯を見せて笑う。
「ありがとう......」
「ていうか、あれ見たらな。お前らいないと無理だと思ってさ」
環太が親指で示した先。
先行して戦っている生徒たちの相手の熊型の大型機械魔獣。
かつて戦ったグレートコディアックを二回り以上も上回る巨体。
推定危険度Aにも届こうかという代物だ。
「......あれはキツそうだね」
「一応ルールを聞いたらここに関しては最大10人まで共闘できるんだと」
「だから、私たちも混ぜてもらうよー」
そう言って現れたのは絢と真央。
「全員で8人。これで最後のチェックポイント、クリアしようぜ」
「「おう」」
環太の掛け声で全員が力強く応えた。
「ところでさ、翔馬たちここまで何をやったんだ?」
「えっ!?何が?」
「いや、さっきまでここにいた連中が言ってたんだよ。『ヤバい一年生スナイパーがいる』『化け物みたいなタイムを出した奴らがいる』ってな。お前らのことだろ?」
「えっ!?そんな噂立ってるの?」」
翔馬が目を丸くする。
「その話は後にして対策を立てるよ」
真が翔馬たちの話を遮り全員を見渡した。
「作戦は、翔馬くんと那須くんは後方支援。初手で目を狙って」
「「了解」」
「僕と源野くん、市ノ瀬さん、愛宕さんは動き回って避けながら攻撃。ヒット&アウェイで行こう」
「「了解」」
「環太くんと武蔵原くんは隙を見て渾身の一撃を」
「「了解」」
直前の戦闘が終わり、翔馬たちの番が来る。
「よっしゃ!サクッと終わらせようぜー!」
環太が拳を鳴らす。
「なんか環太がリーダーっぽくなってない?」
「まぁまぁ、これぐらい元気な人いた方がムードも良くなるんだから」
「環太くんは、それぐらいしかできないんだからこれぐらいでいいのよ」
「絢さん、それは犬童さんに失礼ですよ」
「なんか扱いひどくない??」
泣き顔の環太。
「いいチームだな」
「ホントだね」
源野と冬矢が思わず笑う。
『戦闘開始まで10秒前』
8人が闘技場の中央へと立つ。
静寂を切り裂くように、アナウンスが響き渡った。
「打ち合わせ通りで」
「「了解」」
全員が武器を構えた。
『5秒前,4,3,2,1、戦闘開始』
巨大な門が開き、熊型大型機械魔獣が咆哮と共に姿を現す。
――その瞬間。
バンッ! バンッ!
翔馬と冬矢の銃が同時に火を噴いた。
二発の弾丸が、寸分の狂いなく両眼を撃ち抜く。
「確実に目を狙うって......ヤバすぎだろ」
「翔馬くんはともかく、那須くんも相当な実力だね」
魔獣が怯み、腹部が大きく晒される。
「今だ!」
環太と武蔵原が左右から重厚な一撃を叩き込む。
真と源野も、風を切り裂くような速度で顔面に連撃を加えるが、魔獣が激昂の咆哮を上げた。
「「ッ……!?」」
大気を震わせる衝撃波。
真と源野が堪らず吹き飛ばされ、地面に膝をつく。
そこへ、魔獣の丸太の太さのような巨大な前足が、振り下ろされた。
ドォォォォン!!
「慶次、ナイスパワー」
「早く、動け。重すぎる」
それを防いだのは、武蔵原が構えた巨大な盾だった。
真と源野は、再び動き出す。
魔獣は狂ったように暴れ回り、周囲を薙ぎ払おうと口を大きく開く。
二度目の咆哮が来る――そう全員が身構えた、その刹那。
――パァン!!
環太が叫ぶより早く、二筋の閃光が魔獣の口内へと飛び込んだ。
翔馬と冬矢、二人の弾丸が、喉の奥にある脆弱な回路を直撃する。
「ガ、ギギ……ッ!!」
魔獣が悶絶し、大きく仰け反った。
「今だ!!」
真の号令で、全員が動いた。
腹部、頭部、脚部、首――
8人分の攻撃が、完璧な連携で叩き込まれる。
次の瞬間、巨体がゆっくり崩れ落ちた。
『戦闘終了。合格です』
「よっしゃー!」
環太は、両手を突き上げる。
翔馬と冬矢、真と源野は自然とハイタッチを交わした。
「……ふぅ。これで、終わりだね」
翔馬が安堵の溜息を吐いた、その時。
「さあ、ゴールまで......走ろうか」
真が爽やかな笑顔で告げた。
「「……えっ!?」」
翔馬と冬矢の顔が、瞬時に青ざめる。
「そうだ、ここ、ゴールじゃ......なかった....」
「もう走れないよ....」
その場にヘナヘナと座り込む二人。
「ほら、行くよ。翔馬くん」
「冬矢、行くぞ」
真と源野が、容赦なく引っ張り上げる。
「最後はみんなでゴールしよ」
絢は眩しい笑顔で翔馬に言った。
「......うぅ......分かったよ。行こうか......」
こうして翔馬たちは、8人全員で最後の道を走り出した。
交流戦の終わりは、もうすぐそこまで来ていた。
この度は読んでいただきありがとうございます。
この作品は、構成、文章を先に考え細かい描写等に関してはAIにて修正しています。
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