第21話・近距離武器試験は、球速170キロ!!【定期交流戦⑤】
翔馬たちがチェックポイント①に到着したころ、環太は12.5キロ地点のチェックポイント②へ到着した。
そこには、無骨なコンクリート造りの大きな建物が建っていた。
「えっと、ここでは何をやれば......?」
首を傾げながら建物の中へ入る。
内部には、透明な強化ガラスで仕切られた小部屋がいくつも並んでいた。
その奥の壁には自由自在に位置を変える五つの射出口が不気味に口を開けていた。
先行している生徒たちが、そこから射出される特殊なゴムボールを必死に武器で迎撃している。
「なんじゃこりゃ......」
思わず声が漏れる。
「新しく到着した生徒ですね」
振り向くと、担当らしき女性教師が立っていた。
「ここで何をするんですか?」
「見ての通り、あの穴からボールがランダムで発射されますのでそれを、切ってもらいます」
教師は続ける。
「ボールの中心には核があります。10球中7球、その核を正確に切れれば合格です」
「ただ、切るだけじゃダメってことか」
「ええ。掠っただけでは成功判定になりません。目安としては、6:4以上で切断できていれば成功とします」
「よし、やってやる!」
「あともう一点。待機者がいない場合は続けて挑戦して構いませんが、待ちが出た場合は10球ごとに交代してください。守らなければ即失格です」
「了解です!」
空いている部屋に入る環太。
『武器を構えてください。開始5秒前』
「えっ?もう」
環太は、武器を構える。
『4,3,2,1、スタート』
その瞬間。
――ドンッ!!
空気を切り裂く衝撃音と共に、ボールが球速170キロで射出された。
「へっ!?」
反応すらできず、ボールは環太の真横を通り過ぎ、後ろの壁にめり込むような音を立てて跳ね返る。
驚愕する間もなく、次の一撃。また一撃。
「は、速い......っていうか速すぎだろー!?」
必死に剣を振るい、一球は切れた。
だが、核までは届かない。
結果、最初のテストは10球中、わずか2球の成功に終わった。
「む、難しい......というか見えないんですけど......」
環太は、呆然としたまま部屋を出る。
「んー、どうすればいいんだ?」
その直後、次の生徒の試験が始まった。
それを見て環太は、ふと違和感に気づく。
(あれっ?俺の時より遅くないか?)
環太は怪訝に思い、先程の女性教師に声をかけた。
「すみません」
「どうしました?」
「あの、俺の時と次の人の球速が違う気がするんですけど......」
「あらっ、気づいちゃいました?」
教師は軽く笑う。
「生徒の能力をAIが判断して、球速を調整しています。でも安心してください、失敗が続けば徐々に球速は落ちていきますから、諦めなければ誰でもいつかは合格できますよ」
「なるほど......」
腕を組む環太。
(とにかく、回数こなして目を慣らすしかねぇか)
と思ったその時
「犬童」
「うわっ....!?」
音もなく隣に立っていたのは、武蔵原だった。
「武蔵原、驚かせるなよ」
「悪い......ここは何をするんだ?」
「ここでな......」
環太は、今の説明をそのまま武蔵原に伝える。
「ふむ、切ればいいだけだな」
武蔵原は淡々と答え、空いた部屋へと入っていく。
結果は――10球中3球。
彼もまた、170キロを超える超高速の洗礼を受け、無言で部屋から出てきた。
「速いな」
「でも、俺の最初より1球多かったぞ」
「そうか?」
二人は互いにライバル心を燃やしながら、交代で何度も部屋へ入る。
回数を重ねるごとに成功数は増えていくが、合格ラインの7球の壁が、あと一歩のところで届かない。
気づけば待機者も増え、試験の間隔が空く。
チェックポイント到着から、すでに15分が経過した。
「あぁ、もう、あと1球なのに!!」
思い通りにいかない苛立ちに吠える環太。
「なに、吠えてるのさ。環太くん」
「おう、真......源野も。今着いたのか?」
「そうだよ......でここでは何するの?」
説明を終えると、真は軽く頷いた。
「ふーん......次、空いたから僕行くね」
空いた部屋に入る真。
『武器を構えてください。スタートまで5秒前,4,3,2,1、スタート』
射出口から放たれゴムボール。
それに対し、真は一切の無駄がない最小限の軌道で剣を振るった。
スパスパと、流れるようにボールが真っ二つに割れていく。
結果は10球中9球だった。
「マジで......」
環太は言葉を失った。
続いて入った源野も、10 球中8球という高スコアを叩き出し、一発で合格を決めた。
「環太くん、先行くよ」
「あ、ああ」
「慶次、俺も先行くぞ」
「あぁ」
二人は涼しい顔で、サクッと次のチェックポイントへ向かっていった。
二人が去った後、環太と武蔵原は顔を見合わせる。
「あの二人の球速、俺たちの最初の球速より速かったと思うんだけど......」
「ああ」
力任せではない、研ぎ澄まされた技術の差。
環太は改めて、真という男のレベルの高さを思い知らされた。
それから約10分後、二人はようやく合格をもぎ取り、次のチェックポイントへ向かうのだった。
この度は読んでいただきありがとうございます。
この作品は、構成、文章を先に考え細かい描写等に関してはAIにて修正しています。
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