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第20話・始まった地獄の交流戦【定期交流戦④】

皆方高校から20キロ地点。

ハンタースーツを着用し、各々武器を所持して集合した両校の生徒たち。

事情を知らない者が見れば、明らかに異様な光景だった。


「しっかり寝れたか?」


翔馬の肩に、ぽん、と環太が手を置く。


「......ちょっとかな」

「途中でぶっ倒れるなよ」

「あぁ......頑張ってみるよ」


特設のスタート台に衣笠校長が立つ。


「あーあー、聞こえるかな」


拡声器を通した、緊張感のない声が響く。


「これから20キロ、しっかり頑張ってきてくださいね」


衣笠は、スターターピストルに持ち替え高く掲げた。


「それでは――位置に付いて......よーい」


パーン!


乾いた音が、空気を切り裂いた。


「じゃあ、翔馬。こっから先行くからな!」

「えっ!?ちょっと」

「僕も先行くよ」

「翔馬、ゴールで待ってるぞ」


一瞬の爆発力で、環太と真が人混みを縫うように前方へ消えていく。


「はぁ......俺は、のんびり頑張るか......」


最初のチェックポイントまで10キロ。

だが、その10キロは決して平坦ではない。

山道、急な上り坂、下り坂。

舗装されていない地面に足を取られながら進む。


スタートしてから30分。


「はぁ……っ、はぁ……っ」


膝を突き、肩で息をする翔馬は山の中にいた。

ここはゲートの外。

魔獣が出ないわけではない。

――危険度が低い、というだけだ。


「魔獣を警戒しながら......走るなんて......キツすぎるって......」


そう呟いた、その瞬間だった。

右手の木々の間から、小型の狼型魔獣が飛び出してくる。


(やばい)


気づいた時には、すでに距離はない。

魔獣の鋭い牙が翔馬の喉元に迫った、その瞬間。


バァン!


耳をつんざくような鋭い銃声が山に木霊した。

魔獣は空中で弾かれ、地面に崩れ落ちる。

振り向くと、そこにはライフルを構えた那須の姿があった。


「世渡くん、大丈夫......?」

「あ......ありがとう、那須くん.....すごいね、あのタイミングで」

「ううん、そんなことないよ......たまたま、見えてただけだよ」


二人は顔を見合わせる。


「......やっぱり、俺たち遅いね」

「はは......だね」


苦笑いする翔馬に、那須も少しだけ頬を緩めた。


「じゃあ、一緒に行こう。二人なら、少しはマシかもしれないし」

「うん、行こう」


翔馬と那須は、並んで走り出した。

________________________________

スタートから約50分。

環太と真は、最初のチェックポイントへ到着した。

二人は、給水所にてペットボトルを手に取る。

設置されている大きなモニターには、こう表示されていた。


【残り10キロ/近距離武器所持者 左へ/ 遠距離武器所持者 右へ】


「まだ、半分か」

「さすがにこの格好で10キロは堪えるね」


真がハンタースーツの襟元を緩めて息を吐く。


「そうかー?まだまだ余裕だろ」


水を豪快に飲み干し、涼しい顔をしているのは環太だ。


「....この、体力お化けめ」

「誰がお化けだ」


二人が言葉を交わしている間も、後続の生徒が続々と到着してくる。


「やっぱり翔馬くん、まだだね」

「あいつのことだ、今頃山の中で地面と友達になってるんじゃないか?」

「それ、冗談に聞こえないのが怖いよ」

「だろ?」


環太は空になったボトルをゴミ箱へ放り込むと、真に向き直った。


「俺は、もう行くけど、真は?」

「僕は、もうちょっと息整えてから行くよ」

「わかった、先行ってるからな」


そう言って、環太は再び走り出した。

入れ替わるように、源野と武蔵原が到着する。


「真くん、早いね」

「ちょっと前に来たところだよ」

「犬童くんは?」

「先行ったよ。体力おばけだから」

「......それはすごいね」


源野は周りを見渡す。


「冬矢....那須は、見た?」

「まだ見てないな」

「やっぱりそうか」


源野が苦笑いしていると、隣で黙々と水を飲んでいた武蔵原が動き出した。


「義、俺は先行くぞ」

「えっ!?マジかよ!?」

「あぁ、俺も休憩はいらん」

「あっ、そう」


武蔵原も走り出して行った。


「あいつも体力おばけだな」

「......そうみたいだね」

________________________________

環太達が到着してからさらに20分後。

ようやく翔馬たちがチェックポイントに到着。

そのころには8割ほどの生徒がが通過していた。


「やっと....着いた....」

「もう、一歩も走りたくない....」


地面に座り込み、這うようにして水を飲む二人。


「もう……いっそ失格でよくない?」

「僕も......異議なし......」

「おいおい、何言ってんだお前ら」


背後から聞こえる低い声。


「飛島先生!?」


腕を組んだ飛島が、呆れた顔で立っていた。


「いやぁ、冗談ですよ!冗談!」

「冗談ならいいがな......まだ半分だ、頑張れよ」

「....はい」


飛島がひらひらと手を振ってその場を離れていく。

翔馬は震える脚を叩き立ち上がる。


「よし!行こうか、那須くん」

「そうだね」


二人は顔を見合わせ、無言で頷き、分岐点となる「右ルート」へと足を踏み出した。

この度は読んでいただきありがとうございます。

この作品は、構成、文章を先に考え細かい描写等に関してはAIにて修正しています。

よろしければ感想、評価など書いていただければ今後の参考にさせていただきたいと思います。

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