第18話・地獄の発表!【定期交流戦②】
定期交流戦まで、約2週間――。
「さて......今年は、どうしましょうかねぇ」
校長室。
イスに腰掛け、雑誌をぱらぱらとめくりながら、終始ニコニコしている男が一人。
皆方高校校長、衣笠である。
「校長......あまり生徒をいじめないでくださいよ」
向かいに立つ飛島が、呆れたように言う。
「おやおや、飛島先生。私がいつ、生徒をいじめたというんです? 人聞きが悪いですねぇ」
「いやいや、私が高二の時のこと忘れたとは言わせませんよ」
「........覚えてませんねぇ」
「いや、その間、絶対覚えてるでしょ」
「トッシー、もう10年以上も前の話ですよ? まだ気にしてるんですか」
「おい、トッシー言うな!」
校長室にいるのは衣笠と飛島の二人だけ。
飛島の高二の時の担任こそが衣笠であり、こうして二人きりになると、自然と当時の距離感に戻ってしまう。
衣笠はどこか楽しそうに笑い、再び雑誌へと目を落とした。
「......あ、これなんかいいんじゃないですかね」
衣笠は雑誌を持ち上げ、飛島の方へと向ける。
「えっ?これですか?」
「ええ、これをちょっとアレンジすれば......面白いことになりそうですね」
(これは、過去最悪の競技になりそうだな)
飛島は内心でそう確信した。
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定期交流戦前日の夕方。
皆方高校、東鳳学園の生徒が体育館に集められた。
「翔馬......前日に集められたな」
「........何も言うなって」
翔馬たち一年二組は、以前飛島から言われた言葉を思い浮かべていた。
――『前日に言われたら、めんどくさいことになる』と。
「あぁ、静かに」
教育指導担当の教師が前に出て、校長から話があると告げる。
続いて、衣笠が壇上へと上がった。
生徒たちの視線が一斉に集まる中――
校長の第一声は。
「今年の定期交流戦の競技は【マラソン】です!」
(........マラソン?)
この場にいる全員の思考が、完全に一致した。
「それでは説明に入ります」
プロジェクターに、巨大な文字で詳細が映し出される。
・全長20キロ
・服装はハンタースーツ、使用武器は各自所持
・全員同時スタートの個人戦
・生徒同士の攻撃・妨害行為は禁止(発覚次第即失格)
・各チェックポイントでミッションをクリアし、次へ進む
・各チェックポイントに時間制限なし
・全体の時間制限・5時間
「以上簡単な説明です。あとは各担任の先生に説明してますので詳細、質問は担任の先生に聞いてください」
そう言い残し、衣笠はあっさりと壇上を降りた。
「なんだよ。マラソンっていうかハーフマラソン?、案外普通だったな」
「ホントだね......でも、ミッションってのが気になるけどね」
環太と真は軽く話していたが、翔馬だけは顔色が悪い。
「おい、翔馬大丈夫か?」
「大丈夫なわけないだろ........20キロだぞ。俺、体力ないのに......しかも、武器持ってだぞ」
「........どんまい」
周囲は移動を始め、体育館はざわつき始める。
翔馬は、人一倍暗い表情のまま、重い足取りで体育館を後にした。
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教室に戻ると、そこは交流戦の話題で騒然としていた。
だが、翔馬だけはマラソンの文字が頭から離れず、完全に上の空だった。
「はい、静かに」
教壇に立った飛島が、申し訳なさそうに頭をかく。
「いやぁ........みんな、正直すまん」
「ホントですよ」
「前言ったの、完全にフラグじゃないですか」
生徒たちから遠慮のない声が飛ぶ。
「ホント、スマンって........じゃあ、まずは、詳細を説明しようか」
・チェックポイントは全部で4カ所
・チェックポイント①まで10キロ、ノンストップ走行
・チェックポイント①はミッション無し。ここから二手に分岐(近距離武器または遠距離武器を所持してる方に進む)
・チェックポイント②(12.5キロ地点)所持武器による実技試験。
・チェックポイント③(15キロ地点)機械魔獣との戦闘。
・チェックポイント④(17.5キロ地点)ここより合流。大型機械魔獣との戦闘
・各チェックポイント合格点を取るま通過できない
「以上だが質問ある人は?」
「はい」
真が手を挙げる。
「はい、諏訪」
「チェックポイント③の機械魔獣、④の大型機械魔獣は一人で戦う想定ですか?」
「そこは自由だ」
「........協力してもいい、と?」
「あぁ、一人でも、二人以上でも構わない。ただ、成績は完全に個人で評価されるからな」
真は小さく頷いた。
「なるほど......さすがに機械とは言え大型機械魔獣を一人で戦おうとは思えませんね」
「他に何かあるか?......無さそうかな」
飛島は一息ついて、続けた。
「このあと、東鳳学園との交流会があるから移動するようにな」
飛島の説明が終わり教室がざわつき始める中――
翔馬だけは、依然として机に視線を落としたままだった。
この度は読んでいただきありがとうございます。
この作品は、構成、文章を先に考え細かい描写等に関してはAIにて修正しています。
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