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第14話・鬼首間欠泉

夏休みに入って数日。

鳴子ゲートへ向かう車中、緊張した面持ちで窓の外を見続ける翔馬と真。

その二人とは逆に、運転席の尊と助手席の環太は、まるで遊園地に向かう子どものようなテンションの高さ。

なぜなら、車内に流れているのは Honey☆Ripple の最新アルバムだったからだ。


「尊さん、最高っす」

「ハッハッハ、やっぱハニリプ最高だよな!」


(……尊さん、こんなに好きだったんだ。以前好きとは言っていたが、ここまでとは........)


翔馬は、盛り上がる二人を横目に心の中でツッコんだ。

そんな温度差の激しい車内のまま、鳴子温泉を抜けゲートへと向かう。

ゲートに到着し車を降りる四人、夏だとは思えないほど空気がひやりと冷えていた。


「尊さん、一緒に行くハンターの方ってどなたですか?」


翔馬の問いに尊が答えようとした時。


「尊さん、やっと来ましたね」

「遅いっすよ」


まるで待ち構えていたかのように二人の男が現れた。

Aランクハンターの神堂龍平と霧島きりしま隼人はやと

神堂が、翔馬たちの方へ近づく。


神堂は身長180センチ程で中肉中背の体つきだが、服の上からでも分かる筋肉の締まり具合は、鍛え抜かれたハンターの身体だった。

茶髪を後ろへ撫でつけたオールバックだが、ところどころ髪先が跳ね上がっている。

目つきは鋭いが、後輩を見る目は柔らかかった。


「君たち、元気になって良かったな」

「神堂さん、俺たちのこと覚えててくれてるんですか?」

「あぁ、課外学習でグレートコディアックに遭遇する高校生なんて前代未聞だからな」

「は、はは........その節は大変お世話になりました」


隣の霧島は、フードをかぶったまま微笑む。


「真くん、見ない間に背伸びたねぇ」

「霧島さん、お久しぶりです」


霧島隼人は、神堂と同じくSランクに近いと言われているAランクハンター。

霧島はハンタースーツの上に黒いフード付きパーカーを重ね着し常にフードを被っていることからどこか周囲から孤立しているように見えるが協調性は高い。

主要武器はスナイパーライフルだ。


尊、神堂、霧島を見て翔馬は腕を組んだ。


「うーん」

「翔馬、どうした?」

「環太は気になんないのか?」

「何が?」

「SランクとほぼSランク二人が動くミッションって普通に考えたらヤバくない?」

「........確かに!?」


環太は顔色を変える。


「間欠泉確認って言うけどホントは何かあるんじゃないかな?」

「........何かって?」

「危険度Aの魔獣が大量に出始めてるとか........」

「........ありそう」


二人は顔を見合わせ青ざめる。


「二人とも行くぞー」

「「は、はい」」


尊に声を掛けられた二人は不安になりながらゲート内に踏み込む。

しかし、進むうちにその不安は杞憂に終わる。


「翔馬、全然出てこないんだけど」

「うん、そうね」


魔獣が全然出てこなかったのだ。


「あの三人がいるから出てこないとか?」

「つまり魔獣って、人間の強さを感じれるってことになよね?」

「そうなるよな........」

「なに、二人でコソコソ話してんのさ」


真が割り込む。


「真よ」

「な、何?そんな真面目な顔して」

「何で魔獣出てこないんだよ」

「あぁ、お金もらえないからね」

「そうそう........って違う!?」

「えっ??違うの?」


環太は先ほどの推測を真にする。


「あぁ、そいういうこと........環太くんの言ってること正しいかもよ」

「マジで?」

「だって、僕らから見てもあの三人の迫力というか威圧感感じるでしょ?」

「そうだな」

「僕らがあれを感じれるんから危険度Bぐらいの魔獣だったらもっとわかるんじゃないかな」

「確かに........あれっ?ってことはホントに出てこないんだったら俺のバイト代は........?」

「........ハハハッ」

「おい、真なんだその乾いた笑いは」


軽口を叩きながら一行は奥へと進んで行く。

木々が増え、昼なのに薄闇が広がり始めた頃、ようやく魔獣が現れ始めた。

尊・神堂・霧島は、ほとんど無駄のない動きでそれらを瞬殺していく。

尊は踏み込みと同時に三体をまとめて薙ぎ払い、神堂は音もなく懐に入り、一撃で沈め、霧島はわずかに銃口を揺らしただけで、魔獣の急所へ正確に弾を通す。

そして、その倒れた魔獣を見て環太の目は光り輝いていた。


「尊さん、まもなく間欠泉ですね」

「今年も余計な奴らが住み着いてそうだな」

「そのようですね」


神堂が振り返り声を張る。


「お前ら、気引き締めろよ」


ゴクリと唾をのみ緊張感が増す翔馬たち。

翔馬の額には汗が流れる。

三人の中で翔馬だけは感じ取れていた。

間欠泉にいる魔獣の気配を。


そして、一行は間欠泉へ到着。

そこにいたのは魔獣が十数体。

その中には危険度Aの魔獣も見られた。


「マジで、あんなのと戦うのかよ」


環太が震える声を漏らす。


「よし、神堂は右の方行けるな?」

「はい」

「霧島、俺は左へ行く。中央の魔獣は頼んだぞ」

「了解!」


尊が手早く指示を飛ばす。


「真たちは俺たちの動きを見て学べ。ただ、戦闘態勢はとっておけよ。まぁ、危険はないと思うが自分の身に危険が起きるときは自分で守れよ」

「「はい」」

「よし、行くぞ」


その一言と共に尊、神堂は動き出し霧島のライフルが火花を散らす。

目にもとまらぬ速さの攻撃で魔獣を倒していく。

そして、ものの十分も経たぬうちにこの場にいる魔獣は全滅した。


「次元が違う……」

「すげぇ……」


翔馬も環太も声を失う。

と、その時――


『終わったか........』


どこからともなく響く、威厳に満ちた声。


「環太、何か言った?」

「いや」


その瞬間、間欠泉が地鳴りのような轟音を立てて吹き上がり、その水柱を割るように巨大な影が天へと舞い上がる。


「な、なんじゃあこりゃあ」


環太の絶叫。

翔馬も真も、言葉すら失う。


目の前に現れたのは龍だった。

この度は読んでいただきありがとうございます。

この作品は、構成、文章を先に考え細かい描写等に関してはAIにて修正しています。

よろしければ感想、評価など書いていただければ今後の参考にさせていただきたいと思います。

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